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個別メモ
Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
【第1747回】 講義をしてから北関東医学会仕事と査読続き(2010年12月10日)
- Nokkoの「Natural」と相対性理論の「スマトラ警備隊」が同時に鳴って5:00起床。眠いが,食事を済ませ食器を洗って出発。微かに雨が残っているような気もするが自転車で長野駅へ。昨日と同じ往路あさま504号から,水上行き上越線で新前橋,そこからバスで大学へ着いた。
- 講義のネタはクロス集計で,生データからのクロス集計表の作り方,カイ二乗検定とFisher's exact probability (test)による独立性の検定,繰り返し測定や2人の評価者による測定値についての一致度を評価するためのκ係数,交絡要因がある場合のシンプソンのパラドックスとマンテル=ヘンツェルの要約カイ二乗検定について喋った。疲れた。疫学的な効果の指標と関連の程度については来週。
- 昼飯は病院の売店でマーボナス丼。この弁当はご飯大盛りにしてもらっても値段が変わらず500円なのがいい。この数日の上越線や両毛線に乗っている時間と,歩きながらなどで読了した小説についてメモしそびれていたのでメモ。篠原高志『スノーステーション』(リンダブックス)は,やたらに鉄分が濃い話だった。たぶん著者は相当な鉄道オタクなのではないだろうか。1つ1つのエピソードはベタというかありがちな話だが,あれだけの群像劇を書き分け,最後の1点に収束させる技量はなかなかだと思った。新青森駅まで新幹線が通った現在では,もはや成立しない話で,今年2月に出版されたということは,ある意味オマージュなのだろう。仙川環『無言の旅人』(幻冬舎文庫)は,尊厳死をテーマに(シチュエーションとしては若干,非現実的なところがあるのと,描写の身体性が希薄なのが惜しいのだけれども,このテーマを掘り下げることと引き換えだから仕方ないだろう)家族,婚約者,医療関係者などさまざまな立場から,人の死とは何なのか,人は自分の望む死に方を選んでいいのか,といった点についての考えが展開されていて,いろいろ考えさせられ,かつミステリとしてもきれいに落としている,欲張りな作品であった。しかも,結末部分は,ご都合主義だなあと思わせつつもある種のカタルシスが得られる素直な読み筋の他に,実はまったく別な裏読み筋も考えられるように注意深く書かれていて唸った。しかしミステリ性は狙わずに,もっとストレートに描写を深めれば,医療倫理の服部先生が言われる意味での「文学」になる可能性ももっている作品であり,その意味では惜しい気もする。
- 時々学生実習の対応をしながらだが,講義のフォローが終わったら18:40になっていた。説明の仕方に頭を悩ませたので時間がかかり過ぎた。
- 次いで,北関東医学会の校正委員の仕事を終わらせたら,19:30になった。後は査読の続きと来週火曜の講義準備をしたいが,スタミナ切れなので今日はもう帰ろう。
- 20:10のバスで前橋に向かい,20:32発の上野行きに乗った。金曜日は21:05高崎発臨時あさま585号があるので待ち時間は15分ほどだが,無線LAN接続してメールチェックもできてちょうど良かった。復路あさま585号では長野駅直前まで熟睡した。
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