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個別メモ
Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
【第1765回】 雪(2011年1月2日)
- 毎月第一日曜は町の古紙回収なので,2日は7:00に起きてダンボールを畳んで縛るなどして,新聞紙を束ねたものなどと一緒に,回収場所に運んだわけだが,正月もまだ2日だというのに朝早くから回収場所で番をしてくださっている町の役員の方には頭が下がる。しかも雪が降り続けていて3 cmくらい積もっていたので,余計に大変だったと思う。もっとも,気温が高いせいか,この雪はそれほど積もらず,止んでから暫くすると道路からはほとんど消えてしまったが。
- 他のことをしながらだが,昼過ぎまでは箱根駅伝を見てしまった。早稲田の総合力も凄いと思ったが,昨年の不調を克服し,5区で3分近いビハインドを詰めて往路優勝した東洋大学・柏原選手がインタビューの時に感極まって泣きそうになっていたのが強く印象に残った。
- さて疫学セミナーの準備でも進めるか。
- 疫学セミナーの準備を進めつつ,合間に読み進めて,岩田健太郎『予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える』光文社新書,ISBN 978-4-334-03598-3(Amazon | bk1 | e-hon)を読了。臨床医としての経験からも文献レビューをしてみても,予防接種は個人免疫ばかりでなく集団免疫として,その感染症への罹患を減らす効果が確かにあって,それは多くの場合副反応によるデメリットを上回っているエビデンスがある,というのが本書の主張で,論旨は実にクリアだ。予防接種について,実に真っ当なリスク論を展開しているので,多くの人に読んでもらいたい。しかも,それ以外の対処法を否定するつもりはないことも併記した上で,ワクチン嫌いの人や代替医療信奉者の一部が喧伝するようなワクチンの害がデマであることだけはわかって欲しい,というスタンスが誠実さを感じさせる。一部不正確だったり言い過ぎだったりする点があったとは思うが,一般向けのわかりやすさ,とっつきやすさを狙ったためとすれば仕方ないかもしれない。たぶん,専門知識がない人が読めば,目からウロコのことがたくさんあるだろう。ワクチン・ギャップの話とか,予防接種の歴史,アメリカのACIPとその運用の実際といったことは知っておく価値があると思う。また,作為過誤と不作為過誤の両方がありうるダブルバインドの状況下で,特定の加害者探しばかりするマスメディアのせいで,厚生労働省は,作為過誤から不作為過誤へと舵を切ったというよりは,「マスメディアに叩かれない」方へ流れてきたのだという見方は卓見である。しかし,もしそうだとすると,逆にマスメディアをうまく使えば,簡単に世論誘導できてしまう可能性もある,かもしれないのだが。
- 夜,SASUKE2011を見てしまったのは失敗だった。年々つまらなくなっている気がする。
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