前項との関連でいえば,agingといえば加齢・老化・高齢化という意味を連想されるかもしれないが,今日書きたいのはそんな話ではない。もっと他愛のない話,というか「謎」なのである。
話は,こういうことだ。以前より人口規模を大きくしたシミュレーションをするためにはコンピュータの処理速度が問題で,演算が高速なコンピュータが欲しかったのだが,今年の科研費が運良く通ったので,alpha(21164A-533MHz)搭載のコンピュータを注文したのである(機種を決めて発注したのは8月である)。音沙汰無いのにしびれを切らし,3週間くらい前に電話で販売店に訊いたときには「いやー,どうも品薄でね,なかなか回してもらえなかったんですが,今月中には入りますよ」という話で,再び待つことにしたのだった。
が,結局入らないまま今日は10月も半ばである。このままでは計算しないうちに報告書だけ書く羽目になってしまうやもしれぬ。危機感をもって再び販売店に電話をしたのが今朝の10:00頃だったか。「もしもし」ぼくの声を聞くが早いか,間髪をいれず返事が来た。「あ,中澤さんですか,どうも済みません。まだ入らないんですよ。向こうには早くするように言ってるんですけどねえ。」
まだ入らない,というのは言い訳にならない。納期を決めて発注しているのだから,それを半月も過ぎて,ただ「まだです」と言われて,はいそうですかと引っ込むほど,ぼくはお人好しではない。当然,もう一押しした。「どうしてまだ入らないんですか?」しかし,返ってきた答えはあまりに予想から外れていた。「向こうが言うには,エイジングしているそうなんですよ。三日くらい前からやってるそうですが。」
一瞬我が耳を疑い,「エイジングですか?」と聞き返したが,販売店の人は間違いないという。スピーカーだったら向かい合わせて大音量でコーンを振動に馴染ませるという意味のエイジングをして販売するというのもわからないではないが,コンピュータでエイジングなんて聞いたこともない。で,意味を聞いてみたが,販売店の人も知らなかった。ただ「いやー,向こうがそういうもんでねえ」と繰り返すばかり。
しかたないので,急ぐように電話を入れてもらったが,この分では下手をすると来月納入になってしまうかもしれない。困ったものだが,まあどうせ10月は多忙でプログラムの手直しはできないので待つことにした。しかし,コンピュータのエイジングとはどういう意味をもつのだろうか? このページをお読みの方でわかる方がいらしたら,どうかこちらから教えてください。(2000年3月24日追記:最近では,この意味の『エイジング』も雑誌広告などで見かけるようになった。メモリの相性などの問題があって,サーバとして長時間安定動作するかどうかは実際に稼動させて見なければわからないので,1日から3日くらいつけっぱなしにして動作確認をするそうである。「エイジング済み」ということで安定動作するんだなということがわかり,付加価値がでるのである。)
今週はこれから年に一度の学生実習指導があって,来週はじめには来年度の科研費申請書を提出しなければならない。寒くも暑くもなくこんなに良い季節なのに,悲しいことである。