枕草子 (My Favorite Things)

【第94回】 間抜けの実在に関する証拠(1998年11月18日)

世の中に間抜けというのは実在するのですね。ええ,ぼくのことです。さっきまで同じテーマで打っていた内容と全然違う書き出しと文体になってしまいましたが,突然Wz Editorが飛んでしまうなんて思いませんでしたからね。考えてみれば前兆はあったんですよ。昨夜Word98が飛んだときに,「MSだから」と諦めずに,ちゃんと原因追及をしておくべきだったんです。そうすれば,Cドライブに空きがないことに気づけたのに。

言うまでもありませんが,今日のタイトルは内田百間(本当は最後の字は門の中に月;JISコード966A,区点11874,SHIFT-JISコードFBE8,Unicodeでも9592で定義されてるんですが,EUCでは表示できません。日本書籍総目録で引くと下駄マークで表示されるんですが,きっとこの拡張コードを入れてるんでしょう)の「間抜けの実在に関する文献」からとったものです。随分前に読んだんで内容なんて覚えちゃいませんが,タイトルだけはしっかりと頭にこびりついているんです。

でもね,ぼくだって,Cドライブの空きを確認しなかったなんて,そのことだけで「間抜けは実在する!」なんて声高に主張しようとは思いませんよ。一つくらいじゃひよっ子ですよね。偶然ということもありますし。もちろん,まだ先があるんです。

今朝気づいたんですが,実は書評掲示板のCGIが動かなくなっていたんです。なんだか,昨日apacheが簡単にバージョンアップできたなんて威張ってた人は間抜けなような気がしますね。いや,一応アクセスできるかどうか確認はしたんですよ。だけど,インデックスを見るだけじゃCGI使わないんですよね。自分でそう設計したんだから,CGIが動くかどうかチェックしなくちゃ意味ないじゃありませんか。今一歩の詰めの甘さというのが象徴的ですね。これは,もう「間抜け」としか言いようがないじゃありませんか。そうでしょう?

AnalogのCGIが動いたからCGIは大丈夫と錯覚してた,なんて言い訳にはなりません。AnalogはScriptAliasディレクトリに置いてるんだし,書評掲示板のスクリプトは自分のディレクトリ内のcgi-binサブディレクトリに置いてるんですから。Apacheの日本語FAQを見てOptions ExecCGIが有効になっていないんだろうと見当はついたんですが,どうして有効にならないのかがわからなくて,だいぶ悩みました。結局深く考えずにaccess.confで.htaccessのOverrideをデフォルト禁止にしてしまったことが原因でした。考えてみれば当たり前でやっぱり間抜けですね。そういうわけで,8:00前に直しましたが,
403 Forbidden
You are not authorized to execute.
って感じのメッセージに遭遇してしまった若干名の方,申し訳ありませんでした。

(以降追記 at 16:48)間抜けを「日本語大辞典」で引くと,「のろまで,手落ちがあること・人・さま」とあった。ぼくの語感では,のろまでなくても,手落ちがあれば(つまり,詰めが甘いということ)間抜けと呼んで差し支えないのではないかと思うのだが,さて間抜けの語源は何だろうか。閑話休題。
 さっき森山和道さんが本を返しに来てくれたので,暫く話をして楽しかった。また,岩波「科学」編集部から,以前投稿していた「読者からの手紙」の掲載受理のメールが届いた。もとの原稿が長すぎたし余計なことを書いていたのを,編集部の方で整理して原案を送ってくれるという親切さであった。科学ジャーナリズムはこういう人たちに支えられているのだな,と感じた。科学は専門分化が激しく,専門外の人にはわかりにくくなり続けている(専門家自身も他分野の新知見を追いかける暇がないので,他分野についてはただの専門外の人になる)にもかかわらず,そのアウトプットがもたらす社会的影響は大きくなってきているので,専門的知見を一定の見識をもって紹介する科学ジャーナリズムの役割は,今後ますます大きくなると思う。頑張って欲しいものである。


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