まあ趣旨はわかるから笑ったりしてはいけないんだが…。さっき読んだ広報東京都によると,循環型社会作りのための行動計画案ができたというのはいいとして,その名称が「エコロジー東京」となったそうだ。スローガンは「エコロジー東京〜子を守る心で守る緑の地球」ということだそうだ。公募により決定したらしい。理念は次の通り。
「私たち東京に生活し,働き,学び,憩う者には,生まれくる次世代のため,また,かけがえのない地球環境を保全するために,この愛すべき都市東京の環境をまもり,美しく,持続可能なまちとする使命があります。私たちは,限りある天然資源を大切に使いながら,自然環境への負担をできるだけ減らすよう,それぞれが助け合い,協力し合って循環型社会をこの東京で実現します。」
凝った文章なのでわかりにくいのだが(主語は明示して欲しい>広報東京都の担当者),要するに東京都が,『小学生の純(JUN)くんと英子(ECO)さんがこの理念を実現する行動を探しにいくという筋の冊子を作成した』ということらしい。この手のスローガンによくあるように総花的ではあるけれど,まあ作らないよりは作った方が少しはましかもしれない。理念そのものを批判しようとは思わない。(「美しく」ってのは変だし,命名のセンスはなんとかして欲しいけどさ。)
しかし,子を守る心はヒトとしての利己主義で生物なら当然のことだが,緑の地球を守ることは,ある意味ではこれと矛盾することに気づいているだろうか。価値観のゆらぎと題して書いたように,自然は人智の対極にあるのだ。どちらも全否定できずにゆらぐのが人間なのだから,美しいスローガンをまとめて満足してはいけないと思う。「循環型社会づくりのために都に望むこと」って世論調査してどうする? 再生品の普及ではなく,再生に適した商品開発であってこその循環型社会だろうに,40%もの都民が誤解しているということだな。「社会づくり」は一人一人の努力以上にシステマティックな対策が必要なのだ。「都政」における誤解を象徴しているのが,今回の広報東京都1面下段「ディーゼル車はガソリン車などに替えましょう」である。「買い換えを考えましょう」といったって,廃車にしたディーゼル車はどうするのだ。昨日書いたようにシュレッダーダストになってさらなる環境汚染のもとになったら,元も子もないではないか。それでは,松崎早苗さんが「環境ホルモンとは何かII」(藤原書店)で書かれている,ダイオキシン対策だからといって24時間ゴミを燃やすようになり却って大気汚染がひどくなっているというのと同じ愚を犯すことになる。何のために「政治」をしているのか考えて欲しいし,やはり予測をすべきと思う。この話は後日また論じる予定だが,とりあえず今日はここまでにしよう。
あとは余談。今日は東京近代水道100周年だそうだ。本郷の水道歴史館でも片岡鶴太郎画の来年のカレンダーなどが配布されるそうである。暇があれば行きたいところだが,今日はたぶん無理なのが残念である。また,全然関係ない話だが,さっき投稿があってAlphaマシン設定記録を更新したので,関心のある方はご覧いただきたい。また,昨日ちょっと触れたMicroline 801PSは,さっき見たらゴミ置き場に戻っていたので,たぶん再生に失敗したのだろうと想像するが,自分でretryするかどうかは思案中である(さんざん偉そうなことを書いたのでちょっと自己嫌悪)。