枕草子 (My Favorite Things)
【第217回】 書物と科学と新年会(2000年1月6日)
- またもや最終のあさま537号になってしまった。1本前で帰るつもりだったのだが,そう思っているときに限って飛び込みで学生の質問が来るのである。面白い質問だったのが救いか。それにしても1月とは思えないほど暖かくて,不忍池の鳥たちも妙に元気がよい。分厚いコートを着て走っているので,上野駅に着いた時点で汗ばんでいるのだが,新幹線車内は暖房されているようで,暑くてしかたがない。いや,もちろん脱げばいいんだが。
- 帰宅後,食事をして風呂に入り,年賀状の返事を書いて住所録を更新したら2:15である。さて何時に起きられるだろうか? 明日の夜(というか,WEBが更新される時点では既に今日だが)は,3教室合同新年会というものがあるので,またもや終電になりそうである。まったく体力勝負といえよう。
- 5:30に起きられたので,今日は6:43発のあさま502号に乗ることができた。この時刻だと真っ暗なのだが,道路が空いていて気持ちよく自転車を漕げるのが利点だ。書評掲示板に載せるために,3つの書評を書いたところでバッテリーが終わった。
- 研究室にて。瀬名秀明さんのWEBサイトが開設されているのを発見した。「Webページ開設にあたって」というところを読むと,隣の建物の4階にいらっしゃり,実はぼくの博士論文の副査をしていただいたこともある代謝生理化学の脊山洋右教授が,小・中・高校生の理科離れを食い止めるためにと呼びかけられたのがきっかけとのこと。脊山先生,流石である。瀬名さんのノンフィクション原稿の一部や書評などが,今のところ無料で公開されているのだが,月刊フィーチャーに連載されたという「科学な日常」が,研究者系WEB日記の乗りで笑わせてもらった。リンクに関しては何も書かれていないのだが,開設の経緯からして大丈夫だろう(7日追記:瀬名さんにメールを出したところ,「理科離れを何とかしようとするのが主旨なのでリンク歓迎」とのご返事をいただいた)。
- 片山一道さん(京都大学霊長研)の「古人骨は語る 骨考古学ことはじめ」が角川文庫ソフィアに入ったのを発見して暮れに買ったのだが,元旦にご恵贈いただいてしまったので,今手元に2冊あるのだ。そのうち1冊を新幹線の中で読んでいるのだが,たしかに読みやすいし面白い。ギデオン・オリヴァー的な謎解きの種明かしというか,方法論の「ことはじめ」なので,実例や片山さん自身の大胆な仮説で彩られた「ポリネシア人」や,片山さんの経験や人生哲学が語られる「ポリネシア 海と空のはざまで」や「考える足」に比べると題材としては不利なのだが,そこは片山さん一流の話術と情熱で面白く読ませてしまうのが凄い。もっとも,ほぼ10年前に出た本だから,最新の知見は入っていないのだが,それも「ことはじめ」としては適当なのかもしれない。そういうわけなので,自分で買った方の1冊は,誰か希望者に進呈して布教活動に務めたいと思うのである。条件としては骨考古学を宣伝してくれる人ということで,誰かいませんか?
- sv2号上でmailコマンドで日本語が見えないのは,どう考えてもportしたtcshが悪い。manを見るとversion kanとかすれば良いみたいだが,デフォルトを漢字が通るものにしたかったので,筑波大学のwatanabeさんによるtcshのインストールメモを参考にして再コンパイルし,インストールし直した。
- 昼から突発的に会議が入った。いや,予定されていたのだろうが,ぼくが知ったのは直前であった。幸い何も予定はなかったのだが。
- 21:46現在,新年会はまだ続いているが,ぼくは終電の時間なので先に失礼した。
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