枕草子 (My Favorite Things)

【第230回】 スケジュール管理(2000年1月26日)

どうもやることが多いせいか,自分のスケジュールを忘れそうになるので困っている。かつてはSchedule+というマイクロソフトのスケジュール管理ソフトをデスクトップマシンに入れて使っていた。スケジュールデータはSCSI接続のデータディスクに入れていたので,OSを変えてもそのまま継承でき,かつカレンダー形式でプリントアウトできるので,3ヶ月分ずつプリントして財布に入れておき,スケジュールが決まる都度その紙に書き込み,デスクトップマシンの前に座ったときに紙を広げてデータを更新するというスタイルでうまくいっていた。

このやりかたの問題点は,データファイルがテキスト形式でないために,保守性が悪いということであるが,ファイルを指定できることでVAIOノートとのデータ連携もうまく行っていた。ところが,データ交換の必要があってOffice2000を買ってきたところ,Outlook2000が入ったのはいいのだが,以前のSchedule+が起動しなくなってしまい,この環境はつぶれてしまったのである。Outlook2000でデータファイルを外部に指定する方法を探したのだが,どうしても見つからず,仕方なしにデータがシステムと同じCドライブにある状態で使っていた。

プリントはSchedule+以上に美しくできることがわかったので良かったのだが,天国が長くは続かないのはWindows環境の常である。最近書いているメインのハードディスク換装に伴って,スケジュールデータが全部消えてしまったのである。考えてみればSchedule+と同じファイルを使い続けている筈がないのだが,なぜかそう信じ込んでいたのだ。

そういうわけで,スケジュール管理の新しい方途を探しているのである。研究室の面々に聞いたところ,ToDoを付箋紙に書いてディスプレイの枠に貼り付けるとか,普通のカレンダーに書き込むとかいう答えがかえってきたのだが,新幹線の中で日常的にvaioを叩いている身の上としては,望むらくはアラームと連動したコンピュータでやりたいのである。

さて,ぼくの環境でスケジューラに望みたい条件とは何だろうか? いろいろ考えてみると,vaioとデスクトップでデータの共有ができることと,コンピュータを立ち上げなくてもさっと更新できるために書き込み可能なカレンダーの形でプリントできること,アラームを鳴らしてくれることが最低条件といえる。データ共有は,できればテキストデータがいいのだが,そうでなくても,任意のディレクトリに1つか2つのデータファイルとして置くことができれば,とりあえず問題はない。

そこで,vectorとか窓の杜とかでいくつかのスケジューラをダウンロードして試してみたのだが,これらすべての条件を満たすものは存在しないのだった。こういう場合の解決策としては,自分で作るのが常道である。べつにGUIである必要はないので,CygwinでWin32コンソールアプリを書いて,タスクスケジューラで動かせばいい。自分で作れば,cronで定期的に動かして指定されたアラーム時刻になったら何か別のプロセスを呼ぶことと,プリントをTeXまたはRTF形式でファイルに出力することにすれば,LinuxやFreeBSDでも使える(Windows環境では,アラームデータをテキスト形式でもつアラーム時計と組み合わせて,そのデータへの変換ソフトと,カレンダー出力ソフトを書くのでもいい)。テキストデータの雛形としては,Schedule+でプライベート,メモ,仮の予定,作成者,定期的に行う,の5つ以外の全フィールドをテキストにタブ区切りでエクスポートしたものが使えそうだが,crontab形式でもいいし,適当なデータ仕様をもつアラーム時計ソフトがあれば,それでもいい(と思ったが,適当なものが見つからなかった。ご存じの方は,こちらからお教え願いたい)。いずれにせよ,スケジューラと名乗っているできあいのソフトには,適当なものがなかったのは事実である。問題は,制作にかかる時間と使用時間のバランスだが,このソフトは引き合うと思う。潜在的需要も,かなりあるのではなかろうか?

まあ,2ヶ月くらいは仕方ないので紙だけ使うか。


今日は,7:02発の各駅停車あさま号に乗ったので,9:20頃大学に着いた。10:00から調査の相談に乗り(というほどでもないが),午後はいろいろ。スケジューラを試してみたが徒労に終わった上述約2時間があったこともあり,終電を前にあせっている現在は21:42である。

自転車のペダルを漕ぎまくり,池の端門に自転車を投げ出して,不忍池の畔を走り抜け,上野の山の階段を駆け上がって,公園口から新幹線ホームまで(上野駅の端から端まで,にあたる)を走り抜けて,なんとか終電に飛び乗ることができた。所要17分! とガッツポーズをつくろうとして,何か違うような気がしてやめた。大宮までは満席で座れなかったが,大宮からはコンセントのある席が空いた。AC接続フルパワーでvaioが使えて快適である現在は,軽井沢に停車したところなのであった。


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