枕草子 (My Favorite Things)
【第307回】 好奇心と想像力(2000年5月26日)
- 今朝も6:43発あさま502号。久々に長野から東京まで新幹線通勤の方を確認。つくづく,好奇心は人間の本性だなあと思う。
- ヒト・クローンを作りたいと思う人の動機も,必要性なんか関係なくて,好奇心だと思う。基本的に研究の最大の動因は好奇心だ。研究に限らない。ヒトが,これほどまでに文化を発達させ継承させてきたのは,好奇心が脳の本性だからに違いない。ヒト・クローンなど,ヒトを対象とする実験に対する歯止めは,自分が被験者だったら,と考えることだけではないだろうか。つまり,実行してしまう人がいるとしたら,想像力,あるいは共感または感情移入する能力が欠けているためだ。藤原正彦さんだったら,情緒力というかもしれない。自分がされて嫌なことは他人にもしない方が世の中の不幸は減るはずだということは,まともな想像力があれば自然に思いつくだろう。好奇心に比べて想像力が足りないと,見切りをつけてやってみてしまうことになる。悲しいかな,それが何度も起こってきたことは,歴史が証明している。核分裂反応の応用とか,PCBの応用とか。好奇心が勝っているのがヒトの脳の本性だとするならば,意図的に想像力を強化してやって,初めてバランスがとれることになる。コンピュータ・シミュレーションの発達は,そういう,脳の補償機能の外在化ではないか,と思うのだな。
- 以上,北川歩美「猿の証言」(新潮文庫)を読んでの感想でもある。今日は,これから未来開拓ミーティングで農学部へ。
- ミーティング後,久々に朝日堂のパンを買って昼食とした。sendmail.cfのCHECK_RELAYのルールは,デフォルトをallowにしてALLOW_RELAY_FROMを未定義にすれば良さそうだとわかった。後は発表準備だけだということで気合いは入るのだが,昨日の帰りの新幹線から食事や風呂などの間を通して読み続け,3:00までかかって「猿の証言」を読破した後遺症が今頃でてきて,眠くて仕方がない。ダメダメ。
- もっとダメダメなことに,眠気覚ましに昨日引き取ってきたコンピュータのパーツを組み立てようと思って,Windy MT-PRO 2000 DEEPが入っている筈の段ボール箱を開けたら,入っていたのは無印MT-PRO 2000だった。星野金属の通販サイトを見ると無印とDEEPは値段が違うので生協に交換を要求したが,また時間がかかるんだろうな。しかし,メーカ直販で39000円のものが,どういうカラクリで51200円になるのか不思議でならない。中間業者が儲けすぎではないだろうか? 生協からの返事によると,来週月曜に星野金属に交渉して大至急交換はしてくれるらしいが,人口学会以降になるのは,まず間違いないだろう。下手にセッティングで引っ掛かったらどうしようもないから,むしろ入荷が遅れて良かったのかもしれない。
- 月曜といえば,実はミーティングに当たっているということに気づいた。大ショック。人口学会の準備は後回しにするしかないな。
- もちろん帰りは終電。
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