枕草子 (My Favorite Things)
【第572回】 雑誌記事に期待すること(2001年6月27日)
- 長野はひどい雨だったので,自転車を修理にも出さずに長野電鉄の駅に直行した。往路新幹線は久々にあさま2号。大宮までずっと,ほぼ熟睡していた。いま乗り換えたところ。東京は降っていないのでほっとした。もちろん,問題は今日よりも明日の天気なのだが。
- 昨夜ちょっと「カオスだもんね」への不満を書いたが,これは期待の裏返しである。基本的にマニュアルを見たり自分で考えたりWEBで調べたりすればわかることは,ぼくは雑誌記事には期待していない。以前も誉めたように,「カオスだもんね」の偉さは,素人による綿密な取材によって,専門家の仕事を描き出す点にあると思うのだ。しかるに,この4週間のWEBサイト(ミズグチJAPAN)更新顛末というのは,完全に期待を裏切ってきたと思う。
- 時折描かれるミズグチ画伯のシュールな漫画は,専門家としての仕事だから,あれはあれでいい。しかし,WEBサイトのデザインに関しては素人である編集者と画伯が,適当なソフトを引っ張り出してきてどう使ったかなんてことを書かれても,全然嬉しくないのだ。
- そもそも個人的には,WEBサイトは画像デザインみたいな飾りで勝負するものではないと思うし,デザインも情報へのアクセスしやすさを最優先するべきだと思うが,もし「読みやすいWEBデザイン」「好かれるWEBデザイン」というものがあるとして,それを追求したいのなら,なぜ取材しなかったのか? 例えば,個人の日記としては驚異的なアクセス数を誇る侍魂(ぼくはあんまり見ていないが,ネタとデザインが渾然一体となった面白さが読者の心を惹きつけたらしい)の作者に取材してみるとか(もちろん,ほぼ日刊イトイ新聞とかYahoo! JAPANに取材に行くというのでもいいのだが,そういうのは他にもありそうなので,侍魂を取材するというのが「カオス」的に期待したい展開なのである),あるいは人間工学の専門家のところでも行って見やすいデザインとは何かを取材してみるとか,いくらでも切り口はあった筈。
- 読者としてのぼくは,自分ではできないそういう綿密な取材に期待してこそ雑誌なんかを買うわけで,それなしの素人記事では,手抜きと評価せざるを得ない。そういう意味では,スタパ齋藤氏の物欲番長も,ちょっと興味あるけどなかなか買えないと思うようなモノを買って試用してくれるところに本質的な価値があるわけで,彼の話芸や思い入れを楽しもうと思って買うわけではないから(最初は楽しめてもそのうち飽きてしまう),もっときちんと試用して欲しいと思うわけである。WEBで展開されていた頃の方がスタパ氏の試用が丁寧だったように思うのは気のせいだろうか。
- 専門家自身が書いたコラム(エンターテインメントも含めて)が集まっていれば,それはそれで面白いと思うが,見識ある素人が取材したものは,それ以上に面白くなる場合があって,「カオスだもんね」はその好例だと思っていただけに,この4週間の経過は残念なのである。
- Alphaが終わるってのは残念。いいアーキテクチャのCPUだと思うんだがなあ。Alpha開発チームがIntelに移籍してItaniumを開発するというこのニュースが本当なら,なんか嫌。
- SONYサービスセンターから電話が来て,修理を依頼していたカセットテープレコーダが直ったという。6000円弱だった。でも,今日は引き取りに行く暇がないので,明日行こうと思う。
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