枕草子 (My Favorite Things)
【第577回】 ママチャリ修理は難しい(2001年7月3日)
- 朝4:00過ぎに目がさめてしまったが,まだ暗いのでミーティング資料というか論文の図というか(つまり同じもの)を作りつづけた。しかし,gnuplotで関数を書かせる方法が今ひとつ良くわからず,試行錯誤を繰り返すうちに漸く空が白くなってきたので(本物の枕草子みたいだ。もう春じゃないけど),自転車の修理をはじめることにした。
- 修理の対象は,千曲川サイクリングロードとか丹霞郷とか飯綱高原とか,これまで幾多の旅をともにしたママチャリである。世の中にこれほど長い距離いろいろな場所を走ったママチャリは少ないんじゃないかと思う。先日来書いているように,後輪がパンクした後もタイヤパンドーで誤魔化して長い間乗りつづけていたので,後輪のチューブ交換しか救う手はないという状態の代物である。
- 6:00に修理を始め,まず後輪を外すことにした。そのためには,ブレーキワイヤーを外すことと,チェーンを外すことが必要なのが,前輪の場合に比べて事態を遥かに難しくしている。
- ブレーキワイヤーを外そうとしたが,ワイヤーの先に止め具が固定されていて外れないので,その手前でワイヤーを切断した。抜けたはいいが,入れなおすのが大変そうで,先が思いやられた。ついでチェーンを外しにかかった。しかし,チェーンカバーが邪魔で,なかなか外れない。この手のママチャリは,チェーンが外れにくくするためか,チェーンカバーがかなりきっちりとチェーン全体を覆っているのだ。一つ一つネジを外していったが,思いの外時間がかかった。
- 漸く車輪を外せたのは6:45だった。タイヤのゴム全体を外してぼろ布で拭き,新しいチェーンをゴムにはめ直し,それを再び車輪にはめるという作業に15分かかった。空気を入れたら,さすがに新しいチューブだけあって,ちょうどいい具合に膨らんだ。
- さて,後は組み立て直すだけだ。と思ったのが甘かった。7:00過ぎになって子どもたちが出てきたのだ。触るなといっても,親が自転車の修理などしていれば,ドライバーとかネジに触りたくなるのが子ども心というものだ。それはわかるのだが,ネジをどっかにやってしまうのはやめてくれ>娘。結局,組み立てが終わったのは7:30だった。都合1時間半もかかったことになる。
- 試しにペダルを回してみたらカクカクと変な音がしたのだが,カバーを完全に元の位置に戻せなかったためだろう,チェーンとカバーが触れるくらいは,実害がないからいいか,と思って修理を切り上げ,長野駅に向かったのである。
- ところが,これが失敗だった。要するに,チェーンとカバーがぶつかる理由は,チェーンが長すぎたからなのだった。チェーンはペダル軸周りではカバーにきっちりと押さえつけられているので,それを過ぎた辺りで下側に垂れてしまい,後輪の軸の周りでチェーンが余って,一回転ごとに外れかけるのだった。ところが前の方ではきっちりと押さえられているのでチェーンは再びはまるのである。これがカクカク音の真相だったのだ! と気づいたときには既に長野駅までの道を半ば近くまできており,引き返すには遅すぎた。しかもちょうどこういうときに限ってチェーンが外れてしまったのだった。外れたのは後輪軸周りだけだったので,そこはすぐに直せたが,カバーを一部外す必要があって,プラスドライバーを持ち歩くのだったと後悔した。
- チェーンがなぜ余ったかといえば,後輪の取り付け位置が前過ぎたのである。これを直すにはペンチかモンキーが必要なので,今夜研究室のを借りて持ち帰ることにしよう。タイヤを後ろにずらして留めなおすだけなのだが,不審者扱いされないかどうかやや心配である。見た目はモンキーよりもペンチの方が目立たなくていいなあ。
- 諸悪の根源はチェーンカバーなので,あれをぶち壊すというストレス解消を兼ねた解決手段もないわけではないが,余計に不審者扱いされる可能性が高いし,やはり最後の手段としてとっておくことにしたい。
- そういうわけで,往路あさま506号。朝から疲れ果てているのだが,ミーティング準備を完了させなくてはならない。とりあえずgnuplotのHELPを熟読してみよう。どうしても駄目だったらExcelを使えばよいのだが,仕上がりがgnuplotの方がきれいだし,データも小さいし,見通しも良いので,できればgnuplotを使いたいのである。
- たぶん,関数が複雑すぎるのが原因らしいことがわかったので,諦めてExcelで作図した。残念。
- ハンドアウトが完成してから,実は単純なミスだったことがわかったので,余計に残念である。関数が複雑すぎるなんてことはなく,累乗の書き方が違っていたのだ。Excelでは累乗は^で表現するが,gnuplotは**なのである。まったく,自分の間抜けさ加減が嫌になる今日この頃である。gnuplotでset terminal postscriptと設定することによってeps形式で出力したものをGhostScriptで読んで,printでプリンタドライバとしてpdfwriteを選べば,たった2.9 KBの美しいpdfファイルができあがるのだった。投稿はこちらのやり方でやろう。
- 川端裕人「ペンギン、日本人と出会う」(文藝春秋)を買おうと思って注文していたのだが,生協書籍サークルから品切れという返事。3月に出たばかりなのに,もう絶版ということはないだろうから,たぶん一時的に品切れということなのだろう。早く重版が出ないかなあ。
- 先日触れた,千年持続学を,ちょっと検索してみたら,既に結構活動が進んでいることがわかった。面白そうなメンバーだし,これは是非参加させてもらおう。
- 今日はミーティングの後に原書講読があるので,21:00までは仕事である。たぶんその後に論文を書く元気が残っているとは思えないから,帰りは例によって終電1本前の予定。
- 予定はあくまで予定なので,ミーティングが予定通り終わっても(自分の発表も簡単な話だったのでさくっと終わった),原書購読が21:30までかかれば,当然終電になるのだ。週刊アスキーを読んだ。メモリの値段が安くなったのに驚いた。Thinkpad s30に物欲が燃え上がるのだが,さりとてこのvaioを捨てる気にはなれないので,物欲は不完全燃焼して,いつまでも燻り続けるのである。今週の「カオスだもんね」は,久々に熱の入った取材モノで良かった。タカラのベイブレードというベーゴマ改良商品の紹介で,かつての「たまごっち」や遊戯王カードのごとく,いま小学生の間で大人気らしいのだが,何がそんなに受けているのかが良くわかる取材記事に仕上がっていて読み応えがあった。今後とも頑張ってほしいものである。
- 長野駅で,研究室から借りてきた巨大なモンキーレンチを使って車輪の位置を直した。所要時間は5分もなかったと思うが,いつ不審尋問されるんじゃないかと気が気ではなかった。いや,別に何も疚しいところはないのだが,不審尋問って鬱陶しいから。帰り着いたらなぜか娘が起きていて,じゃんけん無制限勝負を挑まれた。食事をしながらじゃんけんを繰り返すこと10分余,46勝46敗でとりあえず手打ちということになった。しかし深夜1時とかに起きていていいのか?>もうすぐ5歳の誕生日を迎える娘よ。
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