枕草子 (My Favorite Things)
【第630回】 as time goes by(2001年8月25日;28日訂正)
- 今日は資源ごみの日なので,ダンボールをひもで括って出し,雑誌類,広告類も出した。朝食は冷麦を茹でた。なんだか侘しい生活である。まあ,明日には帰ってくるのだが,日頃いろいろと妻の世話になっているのだなあ,と実感する。子どもたちも,時には煩いと思うこともあるけれど,潤いを与えてくれているのだなあ,と思う。
- 往路あさま508号で篠田節子「三日やったらやめられない」を読了。世間では「女たちのジハード」は読めても「ゴサインタン」は読めない人がいるというのは衝撃であった。いや,きっとそういう人は「女たちのジハード」も本当には読めてないんじゃないかと思うが。
- 上野駅で本屋は素通りできたのだが(当たり前だ,昨夜4冊も買っているのに),CD屋でトラップされてしまった。このところずっと耐えていたのだが,Carpentersのas time goes byを買ってしまったのだ。日曜夜にTBS系で放送されている東芝日曜劇場「恋がしたい恋がしたい恋がしたい」を妻と二人で(時折子どもたちも一緒に)なんとなく見ているせいだ。田中美里と竹之内豊主演の「WITH LOVE」での怪演以来,妻は及川光博を支持しているのだ。ぼくは「イグアナの娘」以来,菅野美穂が面白いと思っているので,この2人直接の絡みはないのだがこの番組はツボなのだ。番組主題歌のRainbow Connections
とLeave Yesterday Behindは,元々はカエルのカーミットが歌った曲だそうだが(訳詞をつけている小倉ゆう子さんのサイトによる),名曲だと思う。挿入歌のLeave Yesterday Behindもそれに劣らぬ名曲で,2つとも耳に付いて離れなくなってしまった。いや,もちろんそれだけじゃなくて,Carpentersには名曲が多くて,他の曲も外れはないだろうという読みもあったのだが,全体として期待を裏切らない出来だった。アルバムタイトルにもなっているas time goes byを含むKaren / Ella Medleyも素晴らしい。
- 上野から研究室まで来る道で,シュールレアリスティックな風景に出会った。最近はいつも,弁天堂の脇から不忍池のボート池と蓮池の間を突っ切る道を通ってくるのだが,ボート池の乗り場付近の木陰に,青いワンピースの清楚な感じの女性が立っているな,と思ったら,彼女はやおら手にもっていたオカリナを口に当て,「慎吾ママのおはロック」を猛烈なスピードで吹き始めたのだ。結局自転車を漕ぐ足を緩めることはなく通り過ぎてしまったが,停まって聴いていきたいような聴きたくないような複雑な気持ちが尾を引いた。
- 妙な風景は続いた。研究室のある建物の隣でヤギが飼われているのだが,そこを通りかかったら,どういうわけか,いつもその世話をしている女性が金属の扉を開けて,1頭のオスを道路に出すところだった。道路にヤギがいるという景色も妙なものである。一瞬,自分が夢を見ているのではないかと疑いかけたが,やっぱり夢じゃなかった。
- 帰りは終電1本前。「ウォーターボーイズ」を読み始め,30分ほどで読了。「千と千尋の神隠し」を娘と見に行ったときに予告編がかかっていて,その泳ぎの素晴らしさが気になっていたので,ノベライズ(というかシナリオの粗筋か?)が目にとまれば,とりあえず買ってみるのがセオリーというものである。実にパターン通りの青春ものであり,あの映画の見所が泳ぎなのだなあ,と確認できた。それだけのもの。続いて,藤岡真「ゲッベルスの贈り物」(創元推理文庫)を読み始めたら,これは大当たりだった。逢坂剛と西澤保彦を足して2で割ったような味わい,と言ったらいいかもしれない。帰宅後も読み続けたかったが,明日は遅くも2番に乗って羽田空港に妻子を迎えに行かなくてはいけないので控えた。
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