枕草子 (My Favorite Things)
【第712回】 JRに乗り続ける日々(2001年11月19日)
- 土曜日は1泊2日の研究会に出かける妻を見送った後,保育園に娘を迎えに行った足で城山公園に向かい,そこで暫く遊んだ。1歳下の男の子と出会って,お姉さん風を吹かせながら仲良く遊べたので娘はご満悦の体であった。その後イトーヨーカドーに行ってニラと餃子の皮を買ったのは予定通りだったが,つみれ汁の試食につかまった娘がおいしいというのでつみれ汁の素なるものを買って帰ったのは予定外だった。夜は餃子を作って食べ,子どもたちを風呂に入れてすぐに眠った。
- 日曜日からJRに乗り続ける日々が始まった。前日買ったつみれ汁の素を温めてネギを加えて汁物を作って簡単に朝食を済ませた後,息子には1人で留守番をさせるため,弁当(といってもおにぎりと卵焼きだけだが)を作ってやり,娘を連れてファミリーサポートセンターで契約している家に預け,長野駅へ自転車を飛ばした。9:25に着いたので夜の切符を買ったら,発券が終わったのが9:33であり,改札を駆け抜けて階段を駆け下りて新幹線に飛び乗ったらちょうど背後でドアが閉まるという,本当にぎりぎりのタイミングになってしまった。
- さて,どうして日曜日に新幹線に乗ったのかといえば,東京駅のそばのミクニマルノウチというレストランで研究室の後輩の結婚式があったからである。だから,黒の式服上下に白いネクタイなんていう格好をしていたわけで,階段を駆け下りるのはなんとなく決まりが悪かった。定期が上野までなので,そこから山手線に乗り換えて11:15に東京駅に着いた。実は地図を忘れてきてしまったのだが,うろ覚えの記憶を頼りに丸の内口を出てから1本入った道を左に直進したら着けたので良かった。12:00からの結婚式は非常に良い雰囲気の式で,新郎新婦の人柄を表すものであった。しかし,クッキングバナナといっても,あれは凄く上等な部類に属すると思う。ボサビのバナナはあんなに美味なの?>新郎。
- 式がお開きとなったのが14:55だったので,大急ぎで東京駅に走り,山手線で上野に着いたのが15:11だった。地下4階の新幹線ホームまで走り抜けて15:14発あさまに乗るには乗れたが,酔いが回って,車内ではずっと眠っていた。17:00ちょうどに長野に着いたので,今夜からの出張のために急いで土産を買い,自転車を家まで飛ばした。17:30までという約束だったので,17:27に娘を迎えに行けてほっとした。
- 娘が蕎麦がいいといい,息子が焼きソバがいいというので,それぞれに作ってやり,食べ終わって3人でテレビを見ていたら妻が帰ってきた。風呂を沸かして入浴を済ませた後,23:00を過ぎたので再び自転車に乗って家を出た。長野駅に着いてみると,予想通り土産物店は全部閉まっていたので,さっき土産を買っておいて正解だったと思いながら,ちょうど入線してきた急行ちくま号に乗った。夜行の椅子席急行に乗るのは久々である。まずは読みかけで持ち歩いていた大江健三郎『「自分の木」の下で』(朝日新聞社)を読了した。石川淳なんかに比べると決して美文ではないし,すぅっと入ってくるような文章でもないが,普通に読めば論理的にわかる文章ではある。大江健三郎はきっと頭の構造が論理的なのだろう。そういう視点に立ってみると,田中知事の「しなやか」を支持し解説しているのも納得できる。
- 0:30を過ぎて眠くなってきたので,眠りに入った。ちくま号は新幹線のような構造になっていて,意外に乗り心地が良く,熟睡できた。名古屋過ぎで目が覚めたので,しし座流星群が見えないかと思って時折外を見ていたのだが,車内が明るいせいか流星を見るのは無理だった。
- 新大阪で新幹線に乗り換えまで30分ほどあったので,構内の喫茶店でモーニングを注文した。味は可もなく不可もなくというレベルだったが,丸ごと1個のゆで卵が付いてきたのが面白かった。
- 7:50発ひかり号は新大阪始発だったので,おそらく自由席でも乗れそうだとわかったが,今日は指定を取ってあるので8号車に乗った。Rail Starという車両で,まるでグリーン車のような大きな座席は座り心地が良い。この後小郡で降りて山口線に乗り換える予定である。vaioはちくま号では開かずにバッテリーを温存しておいたので,まだ仕事ができそうなので,これからミーティングの準備を進める予定である。もっとも,後で気がついたが,Rail Starにはオフィスシートというのがあって,電源が取れるのだった。帰りは可能だったらオフィスシートに変えてもらおう。
- 15:30に仕事が終わった(現時点では詳細は書けない)。どっと疲れが出たが,これからミーティングの準備とか今週の講義の準備をしなくてはならない。帰りの新幹線で頑張らねば……と思っていたのだが,小郡で時間があったのでふらふらとアスキーネットJと明石散人「視えずの魚」(講談社文庫)を買ってしまったのが失敗で,新幹線の中と急行ちくま号で京都を過ぎるまでかかってそれらを読破してしまった。明石散人の薀蓄はかなりデタラメ(正しくは無量大数は一語である)なのだが,物語構成力はなかなかのものだと思った。しかしこの着地点はひどいのではないか。こんなのを読まずにとっとと仕事を進めればよかった。
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