枕草子 (My Favorite Things)
【第721回】 おかしいと思うこと(2001年11月28日)
- 往路あさま2号。今朝は6:20に起きたので,急げば550号に間に合わないこともなかったのだが,どうせ泊まりになるし,子どもたちと話をしておこうと思って,しっかり朝食をとって,洗いものなどをしてきたのだった。
- 朝刊(もしかすると昨日のだったかもしれない)にでていたが,長野市長の浅川ダムへの対応はおかしいと思う。素人が話し合ってもわからないから委員会は無駄だという発言は,一見もっともらしく見えるが,実はただの責任放棄である。なぜなら,専門家ができることは,せいぜいが,ダムを作るとどれくらいの規模の降雨に何年くらい耐えることができるかといったメリットと,逆に地すべりの危険がどれくらい増すのかといったデメリットを,ある程度定量的に予測して提示することだけだからだ。メリットとデメリットをすり合わせて価値判断をし,意思決定をするのは住民と行政の問題である。専門家は,どういう情報を提示すればよいのかといったことさえ,住民と行政から要請されなければ気が付かない場合も多いはずで,それ故に委員会が開かれているのだから,市長がそれを無駄だと言うのは行政責任の放棄としか言いようがない。
- 食事をしながら見ていたテレビでも,おかしいと思うコメントがあった。県内の電力消費は,個人が1%,大口消費が5%,特別消費が10%,前年より減っているのだそうだ。不況でIT関係の消費が落ち込んだためで,景気が回復しないと電力消費も回復しないでしょう,というような意味のコメントが中部電力から出されていて,それを肯定的にアナウンサーが紹介していたのだが,電力消費量自体が少なくなるのは結構なことではないか。東京電力などは「電気を大切にね」というCFをさんざん流していたが,きっとあれはポーズだったのだろう。人口が増えなくて経済規模も拡大していなければ,電力消費だけ増えてはおかしくて,減ってあたりまえなのだ。今だって自動販売機は多すぎるし,夜間照明は明るすぎると思う。駅周辺の,23:30頃でもオリオン座すらロクに見えないような明るさは,明らかに無駄である。
- あさま2号の中で,ずっと読みかけで持ち歩いていた,エイズ&ソサエティ研究会議「エイズを知る」(角川oneテーマ21)を読了した。たしかに最近マスコミであまり取り上げられなくなったエイズだが,世界的に見れば狂牛病なんかよりずっと大きな健康問題であり,医学的研究面でだけではなく,社会的インパクトに関しても最近の状況がコンパクトにまとめられた本書は,多くの人が読むべきだと思った。
- 研究室に着いて間もなく修士論文の中間報告会が始まり,昼食を摂りながら14:30過ぎまで続いたので疲れた。これから講義準備に取りかかるつもりである。
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