既存資料の利用,疾病登録,スクリーニング,サーベイランス,メタアナリシスなど,自分で標本調査をするのではない疫学研究法のいろいろについて概説する。Evidence-Based Medicineの考え方にも触れる。
テキスト第11章の内容に相当する。
EBM (evidence-based medicine )という言葉は ACP Journal club March/April 1991, A-16 に Gordon H.Guyatt が Editorial として最初に記載した。同じ年にSackett は教科書 Clinical Epidemiology, a Basic Science for Clinical Medicine の中で EBM の定義を「個々の患者をケアーする際の意思決定をその時点で得られる最善のエビデンスに基づいて行うこと」としている。
EBM は(1) 疑問を定式化する formulation 、(2) エビデンスの search 、(3) エビデンス内容の妥当性、臨床的適応性の critical appraisal 、(4) 実際の application, の過程からなる。
(1) エビデンスの質の分類
Level 1 ランダム化比較試験(あるいはメタ分析)による Level 2 非ランダム化比較試験による Level 3 コホート研究や症例対照研究などの分析疫学的研究による Level 4 ケースシリーズやそのほかの記述的研究による Level 5 上記の種類のエビデンスに言及しない,専門委員会やエキスパートの意見
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