枕草子 (My Favorite Things)

【第55回】 夏休み(1998年8月27日)

昨日の朝の便で帰ってくるまで,1週間の夏休みを妻の実家の阿蘇で過ごしてきた。夏休みといっても子どもの相手をずっとしていたので,体はあまり休まらなかったのだが,頭は随分休まったと思う。睡眠時間も長くなり,朝も7:00過ぎまで眠ってしまったほどである。さすがに阿蘇は高原なので,実に涼しく快適であったためか。昨日東京に帰ってきて,子どもたちがあまりの暑さと空気の悪さに不機嫌になったのには閉口した。

一つだけ予定が狂ったのは,せっかく契約したInfoSphereのパスワードを覚えていなかったことである。このために契約したのに忘れたとはなんたる間抜けかと,自嘲を通り越して笑ってしまった。しかし,そのせいで昨日はたまったメールを読んで返事を書くだけで数時間かかってしまったので,やはりこれは反省材料である。

さて,今回の夏休みで最大のイベントはキャンプをしたことである(阿蘇の「かんぽの宿」併設のキャンプ場)。まあ,キャンプと言っても,テントは堅固なやつが設営済みで,調理場や洗い場も完備されたところで,しかも義父の車で必要そうなものは何でもかんでも運んでもらったので,大名キャンプだったのだが,2歳と4歳半の子どもにとっては真っ暗なテントの中で眠ったり,野外で焼き肉をしたりすることは新鮮な経験だったらしく,大喜びであった。5人用のテントが1泊3,500円というのは安かった。飯盒でご飯を炊いたのだが,飯盒の使い方そのものはともかく,薪を使って火を持続的に燃やすのが難しく,柔らかめのご飯ができてしまった。ニューギニアなどで焚き火で鍋を使っての炊飯経験は何度もあるのに失敗したのは,火の調節を村人に任せっきりなのが災いしたと反省することしきりであった。思ったより虫が少なくて,バナナでカブトムシを誘引しようとしたがタテハチョウの類とアリしか来なかったのには当てが外れた。栗の木がたくさん生えているので,場所としてはいそうだったのだが,時期が遅かったのだろう。もっとも,4歳半の子どもにとっては,バッタやトンボやカマキリやコフキコガネでもたくさんいれば十分興奮するものらしく,それほど残念そうではなかったのが救いだった。

キャンプの帰りに竹原牧場のトウキビアイスクリームというのを食べたが,これが美味だった。キャンプも含め,車でないと行きにくいところだが,すばらしい体験であった。さて今日からは日常の開始である。良い夏休みを過ごすと,日常もスムーズに開始できる…だろうか?


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