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【第731回】 原稿続き(2007年2月8日)
- 5:55起床。息子を起こす。娘が起きてから朝食。朝練なし。信濃毎日新聞のトップ記事は県が浅川に穴あきダムを作るという話。今日にも正式発表だとか。知事が代わってから恐れていたことがついに起こってしまった。作っても下流の洪水は防げないし,周辺の地滑りのリスクは増える可能性が高いので,浅川ダムには断固反対したいが,さてどうしたものか。とりあえず,以前作ったリンク集と私見はごちゃごちゃしているので,後で作り直そうと思うが,時間がとれない。
- 科学者が言った通りに報道されないのは,限られた情報バラエティだけの問題ではなくて,ニュースでさえ,ほぼすべての場合に当てはまるし,ラジオだって新聞だって同じだ。程度問題という面もあるにせよ,いくつかだけ叩けばきれいに問題解決するというわけにはいかない。これは根本的な二つの世界のディスコミュニケーションの問題で,メディアに携わる人が研究者の発言を理解しないままに切り取って流している以上,避けられない。だから解決策は,「(1)研究者本人に最初から最後までしゃべらせる。わかりにくかったらメディア側が突っ込みを入れるが,編集はしない」または,「(2)ニュースも含め,すべての番組に,『この番組で流した内容は,演出と編集がある構成物なので,信じる,信じないは,視聴者の皆様ご自身の責任でご判断願います』のようなキャプションを入れる」,または「(3)メディアが科学技術インタープリターとしてきちんと教育を受けたか,あるいは同等の能力がある人を採用して,名前を出して番組作りに携わらせる」といった辺りになるだろう。(3)が理想だと思うが,コストがかかるから,マスメディアはやらないだろうな。
- ただ,今回の件(リンク先は朝日新聞記事)では,論文の引用を断るというのは筋が違うんじゃないかと思う。文句を言うなら,引用の仕方が不当だとオープンに批判すればいい。許諾は不要だが(マスメディアの)内容の保証もしないという方が(もちろん,そういうあり方が常識になっている方が,という意味),研究者にとっても楽だと思うが。
- 往路あさま512号。やたらに眠くて,軽井沢まで眠っていった。まるで春のような日射しなので,スキー場の雪も融けてしまうんじゃないかと心配。昨日原稿が終わらなかったので,今日こそは1つは終わらせるつもり。
- インドネシアから大学院を受験にきているE君が,お土産に,大変美しい服地をくれた。極楽鳥がデザインされていて,イリアン・ジャヤ産のものらしい。珍しいものをありがとうございました。
- 昼前に,一応,ミネルバの最終チェックが完了一歩手前まで行った。
- Do you think for the future?で第二世代バイオディーゼル燃料について書かれていて参考になる。水素や燃料電池が下火になったのは安井さんの記事からすると,見込みがなさそうだからということだろう。
- 17:00過ぎに,漸くミネルバプロジェクトの原稿を脱稿してメール送信した。しかしまだ感染症本の原稿とか統計の原稿とかもあるし,ソロモンデータを入力してオセアニア学会発表と論文投稿を一気にやってしまおうプロジェクトもあるし,ゴールが見えない。これからセミナーなので,今日はもうあまり進まないかも。
- セミナーはきわめて興味深い内容だった。West PapuaもPNGと似たような状況なんだな。保健センターに赴任した医師が直面する最大の困難が,物資でも病気でもなくtraditionであるというのは,やはりそうかという感じ。不合理なtraditionを変えるにはreligionかeducationによるしかないわけだが,religionをめぐっては戦争になってしまうし,educationを受けるとtraditionによる縛りを嫌って村に帰ってこないという状況なので出口なし。しかし,traditionを打破することが人々のQOL向上にとって正しい手段なのかどうかはわからない。人類学者はわからない間ずっと調べていればいいわけだが,医師はそうもいかないのがつらいだろうと思う。
- 復路あさま555号。
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