枕草子 (My Favorite Things)

【第127回】 新幹線の中ではなぜ仕事が捗るのか(1999年4月7日)

新幹線通勤も5日目となったが,あまりに仕事が捗るので我ながら驚いている。実に,一日の研究活動の半分くらいは新幹線の中でやっているのではなかろうか。そう考えるとFLEX定期のとんでもない値段もたいしたことはないように思う。

大学にいると電話やメールで外界との相互作用が否応なしにあるのに比べ,新幹線内ではほとんど外部からの干渉がない(時折車掌が検札にくるにしても),という点はもちろん大きいのだが,それに加えて長野新幹線の椅子の良さと振動の少なさというのも重要である。東海道山陽新幹線はもっと振動が大きいので,ノートパソコンを開いていると画面が揺れたものだ。照明が時折暗くなるのが欠点といえば欠点だが,まあそれくらいは仕方あるまい。当初は混雑を心配していたが,土曜の夜に上野から上田まで満席で座れなかったのを除けば,100%座れた。いろいろ席を変えて見ているのだが,先頭の席はテーブルが小さいのでVAIO 505RXを広げにくいことがわかった。それ以外の席なら3人掛けだろうが2人掛けだろうが大丈夫である。前にも書いたが,集中力が続くのは2時間くらいのものだと思う。上野から長野は90分から100分くらいなので,ちょうど集中力が続く時間なのもよい。これより短いと作業ユニットとしてはまとまったことができないし,長いとうんざりしそうだ。だいたい,ちょうど10ページくらいの論文が1本読めるので,未読の論文を1本ずつ鞄に入れておこうと思っている。

おかげで,人口大事典の原稿も人口学会の要旨も昨日完成させることができた。東京と違って朝6:00には長野駅周辺の道路はすいているので,自転車で長野駅まで行くのも気持ちがよいし,8:00前に上野駅の公園口から不忍池を突っ切って大学の池の端門に来る道も,桜吹雪が舞っていて気持ちがよい。世は春にして気分も晴れ晴れとしている。これも原稿をあげた故の気分変化には違いなかろうが。

長野転居の欠点といえば,子どもと会う時間が極端に減ったことくらいだろう。わかっていたこととはいえ,寂しいものである。なお,VAIO 505RXとデスクトップマシンでのデータのやりとりは以前も書いたNECのUSBリンクケーブル(PK-UP005)を使っている。添付CDのドライババージョンが古かったせいか,当初安定が悪かったが,Anchor Chips社のEZ LinkのOEMであることに目を付けて,本家からもってきた2.04版のドライバをインストールしたら,すっかり安定した。USBでつなぐにもかかわらず,接続を認識させるのに再起動を要するのが若干面倒だが,Microsoft NetworkでVAIO側をサーバにしてファイル共有させ,c.mosさんのZCopy for WinにデスクトップマシンのHDDからVAIO 505のHDDへのコピーとその逆を設定しておいて,デスクトップマシン側で操作すればクリック4発で同期がとれるので,実に便利である。USBリンクケーブルの新しいやつ(PK-UP010)は転送速度が大幅に速くなっているらしいが(その上安くなっているし…),まあ使えればよいので後悔は(あまり)していない。まとまりがないが,今日はこんなところにしておこう。


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