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個別メモ

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【第1790回】 初心忘るべからず(2011年2月2日)

気が付いたら炬燵で眠ってしまっていたのだった。時刻は3:30であった。髪を洗いたかったので風呂に入り,洗濯物を干したら4:30になった。元々目覚ましをセットしておいた6:00まで1時間以上あるので再び眠った。6:00になると複数のアラームが鳴りだし,派手な不協和音を奏でるので嫌でも目が覚めてしまうのだが,それにしても眠い。どうして息子はこんな凄い音の中でも眠っていられるのか不思議だが,高校生の頃は自分もあれくらい眠りが深かったような気もする。

娘と一緒に朝食をとり,朝練に行く娘を送り出したら,自分の出発時刻まで40分ほど余裕があったので,再び仮眠をとった。しかし30分の仮眠は眠気を減らすどころか,却ってひどくしてくれただけだった。戸外に出たら寒さで眠気が飛んでくれたけれども,長野駅まで自転車を走らせたら指先が凍りそうに冷たくなり,霜焼けか凍傷の寸前のような感覚になってしまった。手袋など,この寒さの前では蟷螂の斧だ。もっとも,暫くぶりにほぼ100%,凍っていない路面の上だけを通って長野駅まで行けたので,少しずつ暖かくはなっているのだろう。往路あさま510号では高崎直前まで眠ってしまった。13分待って乗継いだ両毛線で前橋に出て,群大病院行きのバスで終点までの間は『喜嶋先生の静かな世界』の続きを読んでいた。大学における真っ当な研究のあり方を知ってもらうには(分野によって多少の違いはあるにせよ)最高の小説だと思う。たぶん現職のSEの方々が『なれる!SE』シリーズを読んで感じるのと,大学教員が『喜嶋先生の静かな世界』を読んで感じるのは,ある意味では似た感覚ではないだろうか。

高崎駅での乗継ぎ待ち中にメール受信した時,ソロモン諸島から,ワークショップのInvitation letterに使いたいので群大のロゴを送ってくれというメールが届いていた。添付されていたソロモン諸島側のロゴが非常に凝ったデザインで格好よかったので,あのシンプルな群大ロゴを並べるのはどうかと思わないでもなかったが,まあ先方の要請なので,研究室に着いてから一番で送ってみた。

その後,採点をしながらメールを見ていたら,実はガダルカナル島は大雨で,島東部への道が水浸しで交通が危ないという情報が,一緒に調査をする予定の研究者から入っていた。Solomon Starという新聞のwebサイトに記事があり,確かに調査地に行く途中の橋が完全に水没している写真が掲載されていた。関係各方面にメールで問い合わせた限りでは,何とか大丈夫そうだという話だが,予断は許さない状況であることは確かだ。レンタカーではなくてボートを借りる必要があるかもしれない。

選択基礎医学実習学生の一人がインフルエンザのモデル研究をやってみたいというので,いろいろ基本文献を読んでもらっているが,期間が1ヶ月もないのがネックだ。"Infectious Diseases of Humans"を読んでもらう時間もない。堅実にやるならMIDASから既存モデルのコードとドキュメントをダウンロードして,そのモデルを理解してもらった上で条件を変えて適用してみるとか,部分的にコードを改変してみるといったことをした方がいいかもしれない(CやC++がちゃんとわからなくても,ちょっと見たところコードはモジュール化されているようなので,式を一部変えるくらいなら何とかなるだろう。ちなみにflute-1.13をダウンロードして展開し,Windows XP上のコマンドプロンプトでmakeと打ってgccというかgppでコンパイルしたらちゃんと通ったし,exampleにあったconfig-highriskというファイルをflute.exeがあるディレクトリにコピーして,run-numberというファイルをcopy con run-number[Enter],0[Enter],Ctrl+Z[Enter]で作ってから,flute config-highriskと打ったら普通に動作したように見えた)。しかし,現実の観察から数式とパラメータを抽象し,それをコードに置き換えるという作業のすべてを一からやる方が実習としては楽しいだろう。今のところ,Rでシミュレーションという方向性になりそうだ。

昼,とよだの日替わりランチを食べながら,『喜嶋先生の静かな世界』を読み了えた。共感するところが多々あったが,語り手が就職して離れた後の喜嶋先生についての描写は,もっと手前で止めてしまっても良かったのではないか。あるいは,海外に職場を求める手だってあったのではないか。せっかく小説なんだから,喜嶋先生について,もっと多くの可能性を含ませたまま,過ぎ去ったpureな研究生活の日々に思いを馳せる場面で語りを了えることもできたはずだ。もちろん,森博嗣が言いたかったことが,研究だけをしていられない大学人の悲劇にあるのなら,ここまで書いてしまうことが必然だったのかもしれない。悲劇に至らないためには初心を忘れなければ良かったのではないかと思わされたが,現実世界の柵がいろいろあって,初心を忘れないことがどれほど難しいかを考えると救いはない。しかし救いがなくても足掻くのが大人というものだろう。まあ,そういう読後感の作品であった。あと,どうでもいいことだが,計算機センターの沢村さんのイメージにぴったりな人が20年くらい前の東京大学大型計算機センターにいらしたことを思い出したのと,高給酒は高級酒の誤変換なのか,それとも駄洒落なのかが少し気になった。

ソロモン諸島からの帰り,ソウル経由で成田(大韓航空になったので空港第一ビル)に着くのが20:45なので,どこまで帰るかを決めかねていた。一番安いのは21:00発のバスで長野まで4,500円というやつだが,まず間に合わないだろう。もし,21:08発のスカイライナー52号に乗れれば,京成上野/上野で15分の乗継ぎ時間があって新幹線あさま555号に乗れるので長野まで帰れるが,これもたぶん無理だろう。それ以外で長野まで帰れる手段は中央タクシーの乗り合いタクシーしかないが9,500円かかり,新幹線定期があるから電車だったら高崎までしか料金がかからない自分にとっては割高だ。そうまでして長野に帰り着かなくても,前橋までで良ければ,21:38発スカイライナー54号から京成上野/上野で乗継いで(時間は8分しかないので危ないが),Maxたにがわ429号,両毛線と乗継げば0:02に着けるし,21:44発Nex54号で東京駅まで乗り,上越新幹線最終のMaxたにがわ477号から両毛線へ乗継げば0:20には着ける。荷物も多いので,このどちらかで前橋まで帰って,タクシーで研究室に行って寝袋というのが現実的か。

毎日愛用しているMUAであるSylpheedだが,いつの間にかバージョン3.1がリリースされていた。ニュースを読むと,かなりたくさんの新機能追加や改良があったようだが,中でも,添付ファイルを削除できるようになったのは大きいと思う。これはアップデートすべきだろう。

20:00まで採点をして,最後だったので研究室の戸締りをしてから,20:10のバスに乗ろうと外に出たが,今日に限って実にpunctualにバスがやってきて,交差点の対角位置からバスが行ってしまうのを見送る羽目になってしまった。次のバスまで30分以上の待ち時間があるので,晩飯を食べてしまうことにして,すき家に行って,Gigazineで紹介されていた新メニューである牛まぶしを食べてきた。粒山椒が爽やかでなかなか美味であった。しかしバスが予定より遅れてきたため,前橋駅21:05の上野行きには乗れず,21:21発になったために21:30高崎発のあさま549号には乗れず,22:19発の復路あさま553号となってしまった。徹底的に乗継ぎがダメな日だった。

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