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個別メモ
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【第1814回】 寒い晴天(2011年3月10日)
- 昨日と同様に,地面が白い晴天の朝。地域の配り物自体は後回しにせざるを得ないが,回覧分だけスタートさせてから出発。それにしても寒い。
- 高崎で乗継ぎ待ちの間に,くまざわ書店に寄って『ゴーゴーAi』を買おうと思ったのだが見当たらず。代わりに目についた『万能鑑定士Qの事件簿VIII』と『小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団』を買ってしまった。両毛線とバスで『万能鑑定士Qの事件簿VIII』は読了。相変わらずテンポよく楽しめる。このシリーズは古典的探偵小説に時々見られるように,登場人物の茶目っ気と雑学的教養に彩られた推理の開陳が大きな魅力だが,今回は,それらに加えて,すぐにでも台湾旅行をしたくなるくらい,舞台装置も魅力的だった。最後には人目が無ければ大笑いしてしまったであろうオチ(まあ仕込みの段階で想像は付いたが)もついていた。
- 昼食時は,『小説版ドラえもん』は分厚いので,先に読み始めていた『数学ガール 乱択アルゴリズム』に戻った。確率については,ぼくも『Rによる統計解析の基礎』の第2章に説明を書いたけれども,あれだけ面倒な内容を,高校生男女の仄かな恋愛絡みの物語の中に定位させてしまうのは大したものだと思う。サーチとソートのアルゴリズムと実行時間の評価,O記法の話からは,20年以上前に『The BASIC』とか『Bit』の記事やら,奥村晴彦先生の『C言語による最新アルゴリズム事典』(技術評論社)とかN.ヴィルトの『アルゴリズム+データ構造=プログラム』を見ながらCやPascalでコードを書いていた頃の記憶が甦ってきた。本書のアルゴリズムが疑似コードで書かれているのは,小飼弾さんの書評にある通り,たぶん「宗教戦争」を避けるためなんだろうけれども,たぶん高校生以下の読者にとっては実際に動くコード(printf()デバッグでやるように中間数値を吐かせつつ)があった方がイメージしやすいように思う。既にPythonに移植したコードをwebで公開中の方がいらっしゃるが,他にもいろいろなLLで書いたものがあるといいかもしれない。Rでも簡単にできると思う。
- 15:30から北関東医学会の編集会議。17:00までかかった。JSTやSISTのセミナー報告と,倫理と個人情報保護関係の議論で主に時間がかかった。それにしても,今回問題になった話とは少しずれるが,倫理審査は通っていて,参加者から同意承諾書に署名は得ているけれども,論文を読んでみると内容が個人情報保護に抵触してしまう可能性が懸念される,という場合,その可否は学術雑誌の編集委員会が決めるべきなのかどうか。計画段階からダメなのではなくて,表現方法が計画の要件を満たしていないのなら,著者自身の責任になるのではないか。とすれば,疫学研究でも臨床研究でもない場合(そういう研究が北関東医学に載るのかどうかはさておき),個別の倫理審査をしなくても著者の責任と考えていいのではなかろうか。安全策として,ヒトを対象とした研究は全て倫理審査を通してもらって,その委員会に責任をもってもらう形にした方がいいので,今後そうすることになったが,もし社会通念的に著者の責任ということで済ませられれば,本当はその方がいいと思う。しかし,予防であってもヒトの健康にかかわる研究は疫学研究だと考えると,まったく侵襲がない健康増進活動にかかわる質問紙調査とか行動観察なども疫学研究倫理審査委員会を通すべきということになるので,二次資料だけを使う研究を除けば,個別の倫理審査が不要な場合はほとんど存在しないだろうが……。
- 17:30からの教室セミナーはわかりにくい話だった。BBAなので悪い論文ではないのだと思うが。
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