▼「シンプル衛生公衆衛生学」第2章,「公衆衛生学」第13章
食品の管理は,食品を安全に食べられるようにし,食中毒などを起こさないことが基本である。複数の省庁の複数の法律に規定されている。例えば食品表示について,農林水産省の所管するJAS法と厚生労働省の所管する食品衛生法では,規定が異なる。機能性食品については栄養改善法(2003年5月からは健康増進法に引き継がれる)で別に規定されている。
* 厚生労働省の法令等データベースシステム[http://wwwhourei.mhlw.go.jp/%7Ehourei/html/hourei/contents.html]から全文読める(食品衛生法は第4編第2章にある)。
HACCPシステムによる衛生管理は、最終製品の検査に重点をおいた従来の衛生管理とは異なり、食品の安全性について危害を予測し、危害を管理することができる工程を重要管理点として特定し、重点的に管理することにより、製品の安全確保を図るという方法である。
具体的には、営業者が自ら、
(1) 食品の製造又は加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある食品衛生上の危害について調査・分析(HA)し、製造又は加工の各工程においておこる可能性のある危害を特定した上で、その防止措置を特定し、
(2) この分析結果に基づいて、防止措置のうち、危害の発生を防止するため、連続的又は相当の頻度でモニタリングして、管理状態を確認しなければ、製品の安全性が確保されない工程を重要管理点(Critical Control Point: CCP)として定め、
(3) 重要管理点が常に管理されていることを確認するため、集中的かつ常時、モニタリングを行い、
(4) 重要管理点の管理状態が不適切な場合には、すみやかに改善措置を講じ、
(5) その管理内容をすべて記録すること
(6) HACCPを適用した製造又は加工の過程が的確に危害をコントロールしているか、規定されたとおり実施されているかを定期的に見直すこと
により、最終製品全体の安全を保証するものである。
とある。承認されている施設において不適切な運用によって食中毒事件が発生した事例はいくつかあるが,承認取得に向けた食品メーカの取り組みは増加しつつある。総合衛生管理製造過程の対象食品としては、現在、乳・乳製品、食肉製品、容器包装詰加圧加熱殺菌食品(いわゆるレトルト食品等)、魚肉練り製品及び清涼飲料水が政令で指定されています。
承認状況は、平成14年1月末現在、454施設、990件となっています。
承認状況 乳・乳製品 310施設(743件)
食肉製品 95施設(180件)
容器包装詰加圧加熱殺菌食品(缶詰・レトルト食品) 18施設( 24件)
魚肉練り製品 26施設( 31件)
清涼飲料水 5施設( 12件)総合衛生管理製造過程の承認は、製品群毎(乳・乳製品であれば牛乳、加工乳、乳飲料、はっ酵乳等)の承認となることから、施設によっては数製品群が承認されています。
また、総合衛生管理製造過程の対象ではない集団給食施設等については、HACCPの概念に基づいた「大量調理施設衛生管理マニュアル」により、食中毒の予防と、衛生知識の普及啓発に努めています。
とのことである。消費者にとっては便利なことであり,今後,トレーサビリティへの要求は高まると思われる。どんな農産物であっても一品目ごとにそれを生産した人がいて、それぞれの思いが込められています。日々膨大な量と種類に上る農産物一品目ごとに、その産地、栽培方法、生産者情報などの情報に「思い」を付けて流通させることは現実的にはなかなかできません。青果ネットカタログ「SEICA」は、インターネットなどIT技術を駆使して、生鮮産品一品目ごとの情報を公開し、生産者と消費者、さらに流通業者との間でそれぞれの間で情報のやりとりを目指した「生鮮食品等取引電子化基盤事業」※の一環として実現しました。
消費者は野菜や果物が産まれたプロフィールを知ることで、より安心して、安全なものを選ぶことができ、生産者は栽培方法など農産物を生み出すまでの思いを直接消費者に届けることができます。そして、流通業者は、消費者が望んでいる青果物を生産者から集め、無駄なく届けることができるようになります。また、メールアドレスなどを通して互いの立場を超えたインタラクティブな情報交換が可能となります。
(特別用途表示の許可)
第二十六条 販売に供する食品につき、乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用その他厚生労働省令で定める特別の用途に適する旨の表示(以下「特別用途表示」という。)をしようとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、製品見本を添え、商品名、原材料の配合割合及び当該製品の製造方法、成分分析表、許可を受けようとする特別用途表示の内容その他厚生労働省令で定める事項を記載した申請書を、その営業所の所在地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に提出しなければならない。
3 厚生労働大臣は、研究所に、第一項の許可を行うについて必要な試験を行わせるものとする。
4 第一項の許可を申請する者は、実費(前項の試験に係る実費を除く。)を勘案して政令で定める額の手数料を国に、前項の試験に係る実費を勘案して政令で定める額の手数料を研究所に納めなければならない。
5 第一項の許可を受けて特別用途表示をする者は、当該許可に係る食品(以下「特別用途食品」という。)につき、厚生労働省令で定める事項を厚生労働省令で定めるところにより表示しなければならない。(特別用途食品の検査及び収去)
第二十七条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該職員に特別用途食品の製造施設、貯蔵施設又は販売施設に立ち入らせ、販売の用に供する当該特別用途食品を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において当該特別用途食品を収去させることができる。
2 前項の規定により立入検査又は収去をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項に規定する当該職員の権限は、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第十九条第一項に規定する食品衛生監視員が行うものとする。
4 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
5 厚生労働大臣は、研究所に、第一項の規定により収去された食品の試験を行わせるものとする。(特別用途表示の許可の取消し)
第二十八条 厚生労働大臣は、第二十六条第一項の許可を受けて特別用途表示をする者が同条第五項の規定に違反し、又は虚偽の表示をしたときは、当該許可を取り消すことができる。(特別用途表示の承認)
第二十九条 本邦において販売に供する食品につき、外国において特別用途表示をしようとする者は、厚生労働大臣の承認を受けることができる。
2 第二十六条第二項から第五項までの規定は前項の承認について、第二十七条の規定は同項の承認に係る食品について、前条の規定は同項の承認を受けて特別用途表示をする者について準用する。この場合において、第二十六条第二項中「その営業所の所在地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣」とあるのは「厚生労働大臣」と、第二十七条第一項中「製造施設、貯蔵施設」とあるのは「貯蔵施設」と、前条中「同条第五項」とあるのは「次条第二項において準用する第二十六条第五項」と読み替えるものとする。(特別用途表示がされた食品の輸入の許可)
第三十条 本邦において販売に供する食品であって、第二十六条第一項の規定による許可又は前条第一項の規定による承認を受けずに特別用途表示がされたものを輸入しようとする者については、その者を第二十六条第一項に規定する特別用途表示をしようとする者とみなして、同条及び第三十七条第二号の規定を適用する。(栄養表示基準)
第三十一条 販売に供する食品(特別用途食品を除く。)につき、栄養表示(栄養成分(厚生労働省令で定めるものに限る。以下この条において同じ。)又は熱量に関する表示をいう。以下同じ。)をしようとする者及び本邦において販売に供する食品であって栄養表示がされたもの(第二十九条第一項の承認を受けた食品を除く。以下この条において「栄養表示食品」という。)を輸入する者は、厚生労働大臣の定める栄養表示基準(以下単に「栄養表示基準」という。)に従い、必要な表示をしなければならない。ただし、販売に供する食品(特別用途食品を除く。)の容器包装及びこれに添付する文書以外の物に栄養表示をする場合その他政令で定める場合は、この限りでない。
2 栄養表示基準においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 食品の栄養成分の量及び熱量に関し表示すべき事項並びにその表示の方法
二 栄養成分のうち、国民の栄養摂取の状況からみてその欠乏が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして厚生労働省令で定めるものにつき、その補給ができる旨を表示するに際し遵守すべき事項又はその旨が表示された栄養表示食品で輸入されたものを販売するに際し遵守すべき事項
三 栄養成分のうち、国民の栄養摂取の状況からみてその過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして厚生労働省令で定めるもの又は熱量につき、その適切な摂取ができる旨を表示するに際し遵守すべき事項又はその旨が表示された栄養表示食品で輸入されたものを販売するに際し遵守すべき事項
3 厚生労働大臣は、栄養表示基準を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。(勧告等)
第三十二条 厚生労働大臣は、栄養表示基準に従った表示をしない者があるときは、その者に対し、栄養表示基準に従い必要な表示をすべき旨の勧告をすることができる。
2 厚生労働大臣は、前項に規定する勧告を受けた者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、その者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
3 第二十七条の規定は、販売に供する食品であって栄養表示がされたもの(特別用途食品及び第二十九条第一項の承認を受けた食品を除く。)について準用する。
*第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
Correspondence to: minato@ypu.jp.