山口県立大学 | 看護学部 | 中澤 港

公衆衛生学 (Public Health) 2002年度

対象学年・開講時期

1年後期

最新の講義

講義の目的と概要

本講義では,「公衆」,即ち,地域社会で普通に生活している人々,あるいは各種機能集団の人々の健康を保持増進するための理論と方法について学ぶ。

そのためには「健康」を定義することが必要であり,本当はそれが実に難しい。保持増進するための理論と方法といっても,社会条件や健康観が違えば違ってくるので,社会の文脈に即した理論でなければならない。だから,この講義を受ける際に常に注意して欲しいことは,その話で論じられている「公衆」はどういう集団を指しているのか,ということである。

一つだけ確かなことは,種類はいろいろであるにせよ,公衆衛生学の対象が個人ではなくて人間集団だということである。この点は多くの他の科目と異なるので,注意されたい。

講義の計画と内容

1.公衆衛生の概念と歴史(2002年10月7日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第1章,「公衆衛生学」第1章・第2章
▼第1回なので,全体の講義構想を説明し,公衆衛生とは何か,健康とは何かという問題を概観する。具体的内容はこちら
2.公衆衛生行政(2002年10月21日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第12章・第5章,「公衆衛生学」第3章・第6章・第15章・第18章
▼日本の公衆衛生行政の仕組みと実態を中心に説明し,人口についても触れる。具体的内容はこちら
3.地域保健(2002年10月28日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第5章,「公衆衛生学」第1章・第6章
▼地域とは何かという話をしてから,地域保健センターと保健所の役割を中心に説明。具体的内容はこちら
4.産業保健(2002年10月30日:小林教授担当)※水曜日なので注意!
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第8章,「公衆衛生学」第12章
5.母子保健・学校保健(2002年11月11日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第6章・第7章,「公衆衛生学」第7章・第11章
▼母子保健統計や学校保健統計の説明を中心に。具体的内容
6.精神保健(2002年11月18日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第10章,「公衆衛生学」第10章
▼精神保健に関する制度の説明を中心に。具体的内容
7.老人保健・福祉(2002年11月25日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第9章,「公衆衛生学」第8章・第17章
▼制度・政策の説明を中心に(するつもりだったが,「老化」そのものの話もかなりしてしまった)。具体的内容
8.国際保健(2002年12月2日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第11章,「公衆衛生学」第16章
具体的内容
9.疫学・疾病予防学(2002年12月9日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第3章・第4章,「公衆衛生学」第5章・第9章
具体的内容
10.人間と環境(2002年12月16日)
△講義の前に,前回までの講義内容についての小テストを行う。得点は本試験の得点に加算される。(小テストの問題と解答[pdf形式,約30 KB]
得点分布
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第2章,「公衆衛生学」第13章
具体的内容
11.物理化学的環境要因(2003年1月9日)※木曜日なので注意!
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第2章,「公衆衛生学」第13章
具体的内容
12.衣食住の衛生(2003年1月21日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第2章,「公衆衛生学」第13章
具体的内容
13.環境問題と公害(2003年1月27日)
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第2章,「公衆衛生学」第14章
具体的内容
14.環境管理(2003年2月3日)※補講期間
▼「シンプル衛生公衆衛生学」第2章,「公衆衛生学」第13章・第14章
具体的内容
試験(2003年2月10日)
▼ペーパーテストを実施する。
試験問題[pdf形式,約37 KB]回答用紙[pdf形式,約45 KB]回答例[pdf形式,約39 KB]
▼本試験の素点に小テストの点と出席点(出席1回につき1点)を加えた最終的な評点と,本試験の個々の問題の得点分布は,下図の通りである。全員合格であった。
得点分布

参考テキスト

評価方法

ペーパーテストを行う。学問的観点からは記憶を評価するのは本意ではないが,科目の性質上,記憶も重要なので,持込み不可とする。本試験自体で100点を満点として採点するが,範囲が広いのでそれだけでは厳しいことを考慮し,出席点(小テスト風)と小テストの得点も追加する。なお,不幸にして(または努力が足りなくて)合格点に満たなかった場合は,レポートによる追試験を行う予定である。


Correspondence to: minato@ypu.jp.

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