枕草子 (My Favorite Things)
【第476回】 謎のチュッパチャップス(2001年1月24日〜25日)
- 昨日は半年ぶりに娘を順天堂医院の小児眼科に連れていく日だったので,休暇をとった。最近は子どもたちがすっかり寝坊になっているので,往路あさま510号に乗って上野に着いたのは11:30近くなっていた。リトルマーメイドでパンを買って給水所公苑まで歩き,おこぼれに与ろうと寄ってくる鳩を追い払いながら昼食をとって,ちょっとブランコをしたら13:15となったので順天堂に入って受付を済ませ,4階に上がったら,ほとんど待ち時間なく検査と診察が済んで良かった。順天堂の眼科の問題は,検査室が狭いことと,会計の待ち時間が長いことだが,それ以外は概ね満足できる病院である。診察結果は,視力に影響はでていないので急がないが,目が外にずれるときのズレ方はむしろ大きくなっているそうなので,いずれそのうち手術が必要だという話で,半年前と変化なし。視力検査のときの娘の表現が面白かった。上下左右のどちらかに隙間が開いている丸の向きを答えるのだが,小さくて見えなくなると「ぐるぐる」(回っている?)というのだ。言われてみれば,どの向きにも見えるから,ぐるぐるというのは言い得て妙かもしれない。
- 診察後は半年前と同じくアップルファーム東京でケーキを食べてから,末広町駅に向かった。肩の上で踊っている娘に「そんなに暴れたら落ちるよ,落ちたいんなら降ろして歩いてもらうよ」と注意していたら,後ろから「危ないぞう」と声がかかった。振り返ると,見知らぬ初老の男性がニコニコしながらぼくの肩の上の娘を見ているのだった。防寒着を着た,秋葉原から末広町あたりの街頭ではよく見かけるタイプの人で,一人で買い物にでも来たような感じだったが,なぜか娘にチュッパチャップスを差し出し「これあげる」というのだ。娘が受け取ってしまったので,どうもすいませんといっておいたが,困ったのはこのチュッパチャップスの処遇である。人間性善説の立場に立てば,孫にでもやろうと思ってたまたま持っていたチュッパチャップスをくれたのだと解釈できないこともないが,ここは東京なので,悪く考えれば毒入りでないという保証はない。一応飴がむき出しではなかったものの,チュッパチャップスの包装は誰でもできそうな簡単なものなので,それだけでは安全かどうかわからないのだ。すぐにでも舐めたがる娘に「ちゃんと調べてからね」と言って取り上げたのだが,さてどうやって調べたものか,頭が痛いのである。その後,16:18発の新幹線で帰途に着いた。ともかく,給水所公苑で遊んだ時間を除けば娘がずっと歩かなかったので,たいへんにくたびれた一日だった。
- 今朝は6:30に起きたが,息子の誕生日で妻が赤飯を炊いたため,とくにぼくがすることはなく,7:20に自転車で家を出て7:50発あさま2号に乗っている。昨日の疲れが残っていて,身体の節々が痛むのがつらい。鮭の小骨の後遺症か,喉まで痛いのは泣き面に蜂というやつか。
- 研究室に着いてメールを見たら,evolve-mlに三中さんがThe Coming Plagueの邦訳の書評を投稿していた。先日投稿されたDarwin's Dangerous Ideaもそうだったが,原著をもっていて読み了えられないうちに邦訳が出てしまうケースに接すると,ちょっと悔しい。専門そのものなら読むのだが,ちょっと外れていると後回しにしてしまうのは仕方ないことかもしれない。だからThe Riverはやっぱり邦訳が出るのを待とうと思う。
- 先日公開したDennyのモデルを生命表に適合させるパラメータを自動探索するプログラムのRMSE算出部分に恥ずかしいバグを指摘されたのでファイルを差し替えた。dennys.exe (27966 bytes,Win32コンソールアプリとして自己解凍型,ソース,サンプルデータ,簡単な説明文も含む)またはdennys.tgz (9055 bytes,tar+gzip圧縮形式)である。推計される最適パラメータは間違っていないのだが,残差が大きく出すぎだったという恥ずかしいバグなので,そのfixだけである今回は,バージョンは上げないでおく。
- 長野は雪だという情報をつかんだので,帰りは20:38発あさま533号。混んでいたが何とか上野から座れた。森博嗣「今夜はパラシュート博物館へ」を読了したが,相当な森マニアなら別かもしれないが,ふつうの読者にはわけがわからない作品ばかりだ。まあ,書き下ろしの「卒業文集」と「素敵な模型屋さん」は,それなりにいい雰囲気だったけれど。
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