最終更新:2024年12月18日(水)
本については随分前から書評のページを作っていたのだが,音楽は好きなだけなのでメモに感想を書き散らすにとどめてきた(「曾て聴いた音楽について」というページを20年前に書いた後は散発のみ)。
しかし,2013年夏に聴いたGoosehouseの『Soundtrack?』があまりに素晴らしかったので,この際,好きな音楽についてのメモも,ミュージシャン別にまとめてみようと思って作ったのがこのページである。基本的にファンによるただの感想なので,深みも何もないが,素晴らしい音楽を一人でも多くの人に知って欲しいと思う。以下,基本的にそのミュージシャンによるアルバムの大部分(1枚中1枚,しかもLPで,というのもあるが)を買って聴いた,つまりそれくらい好きな人たちを挙げる。
2020年9月現在,藤井風『HELP EVER HURT NEVER』が大変素晴らしく毎日のように聴いている。Nagie Laneとsinfoniaはそのうち間違いなくメジャーになると思っているし,SMEがLove Harmony's Inc.をどうしたいのかも気になっている今日この頃。
2021年7月21日,春にメジャーデビューしたLove Harmony's Inc.に続き,Nagie Laneもメジャーデビューが決まってめでたい。sinfoniaが解散してしまったのは残念だが,最後に発表してくれたオリジナル曲「届け」は最高だった。
LHIが2024年内で解散と決まったのはSMEが悪いと思う。結局どのようにプロデュースしたいのか決まらないまま解散してしまった気がするのは残念。
スマホではAIMP,PCではTuneBrowserを使ってプレイリストを作って再生することが増えたので,リストしてみる。
長くなりすぎたので,別ページにまとめました。
長くなりすぎたので,別ページにまとめました。
『10年後この木の下で』『リメイクone』『Grace of the Guitar』『世界』『いろんなおと』『オーバールック』『small world』『COVERS: Grace of the guitar+』『そばに 10th Anniversary Special Edition』
圧倒的な歌のうまさで聴かせてくれるカバー曲がどれも素晴らしいが,オリジナル曲の中では「涙のプール」と「brand new day」に元気づけられることが多い。2014年10月の新作『オーバールック』はUstreamで知って直販で買ったサイン入りのもので,「星に願いを」は名曲だと思うけれども,録音に艶が足りないというか,ミックスのせいなのかわからないが,音質が少し残念だったかも(2017年になってハイレゾ版のダウンロード販売が始まったので,買い直そうかと思っている)。2015年の新作『small world』は音質も良く,「闘いの時」「ユメオイビト」「輝く日々」と歯を食いしばってあがき続ける人への応援歌が続くクライマックスは良かった。2016年3月にリリースされた『COVERS: Grace of the guitar+』は「落陽」「部屋とYシャツと私」「真夜中のドア」「異邦人」といった選曲が素晴らしく(とくに,「部屋とYシャツと私」は原曲を超えた素晴らしいパフォーマンスだと思う。声質が合っているのだと思うが,感動して涙が出てくるほどであった),アコースティックなアレンジも丁寧な歌い方も沁みるのだが,「残酷な天使のテーゼ」を入れるくらいなら「ぼくらが旅に出る理由」か,むしろ「断崖~親愛なる者へ」をカバーして欲しかったのと,五輪真弓なら「恋人よ」ではなくてインドネシア第2の国歌と呼ばれる「心の友」を入れて欲しかったかなあ。
俳優・山田裕貴の『情熱大陸』で,上京したばかりの不遇時代に,大宮の路上で森恵さんが「そばに」を歌っていたのを偶然聴いて励まされたというエピソードと,生歌を聴いて思わず流していた涙に心を打たれたので探してみたら,いつの間にか「そばに」も配信販売されていたんだな。ということで,『そばに 10th Anniversary Special Edition』をmoraで購入。素晴らしいアルバム。
『魔法が使えないなら死にたい』『絶対少女』『きゅるきゅる』『洗脳』『TOKYO BLACK HOLE』,来来来チームとコラボした『ポイドル』,『kitixxxgaia』はCD2枚+DVDの「ガイア盤」をアマゾンで予約購入した。『MUTEKI』は紙ジャケ仕様のCD+DVD版をタワレコ三宮店で購入した。『Kintsugi』はmoraでダウンロード購入した。
強烈にフックする声とギターに惹きつけられ,全部セルフプロデュースしているのも凄いなあと思っていたら,あっという間にメジャーデビューしてしまい,「きゅるきゅる」なんてポップな曲でありながらもMVは日本エレキテル連合と不思議なダンスをしているのが,良くも悪くも戸川純や椎名林檎の路線を継承しているような気がする。好きな曲は「ハンドメイドホーム」と「展覧会の絵」だが,「きゅるきゅる」カップリングの「私は面白い絶対面白いたぶん」のカッティングギターに載せたラップからアイドルポップスのようなメジャーコードに突如転調する落差にもヤラレタ感大。2014年12月の新作『洗脳』はメジャーデビュー後最初のフルアルバムで,これまでの切れ味を失うことなく,メジャーの豊富なリソースをうまく利用して新しい魅力を打ち出すことにも成功したと思う。「子供じゃないもん17」「きすみぃきるみぃ」の甘い声には驚嘆したし,「きすみぃきるみぃ」「おまけ」のnoise寸前のimprovisationも凄いと思った。『TOKYO BLACK HOLE』の初回限定版はカバーの奥浩哉の絵が醸し出す淫靡さがかなり恥ずかしいが,ノンフィクションとフィクションの中間的なものと思われる小冊子が読みたくて買ってしまった。表題曲のほかでは,「生kill the time 4 you」「愛してる.com」「劇的JOYビフォーアフター」みたいなアッパー系の佳作も多いが,驚いたのは,まるで椎名林檎+浮雲みたいな格好良さを炸裂させた「無修正ロマンティック~延長戦~」であった。しかしラストの「少女漫画少年漫画」のどこか昭和の匂いがする切なさ(まるで,たまの「らんちう」みたいな)こそが,インディーズの頃に歌っていた「ハンドメイドホーム」とか「展覧会の絵」から繋がる唯一無二の魅力を放っていて強く惹きつけられるので,今後もこういう歌も歌い続けてほしいと思う。
『kitixxxgaia』は相変わらず凄い。歌詞の切れ味も凄いがメロディーのアイディアも凄いし演奏も凄い。ギターの印象が強いが,「夢幻クライマックス(かもめ教室編)」はショパンのエチュード「革命」にちょっと似たフレーズが繰り出されるピアノ演奏が凄いなと思ったが,さすがにこのピアノは大森靖子ではなく,末永華子(調べたら,元々クラシックピアノをやっていたシンガーソングライターだった)とクレジットされていた。「非国民的ヒーロー」のような着眼点は大森さんの持ち味だと思うが,ぷらそにか研究生によるカバーは本家に無い味を出した名演だと思う(このボーカルの人はオーバードライブのカバーでは丸っきり違う声で違う歌い方をしていて,ボーカリストとして凄い可能性を感じる)。
『kitixxxgaia』を何度も聴くと,「IDOL SONG」の業の深さに戦慄せざるを得ない。もしかするとご本人は純粋にアイドルが好きなだけなのかもしれないが,これは呪いのレベルに達していると思う。
『MUTEKI』はピアノ弾き語りが多いように思うが,CDに入っていない,ダウンロードだけできる「他人の人生」というピアノのインスト曲が凄かった。これは本当に凄い曲で,上原ひろみに近いものを感じた。上原ひろみもそうだが,Jazzの即興というよりもクラシックの延長線上にある現代音楽にカテゴライズされそうな音楽。
『Kintsugi』の発売は見逃していたが,2020年12月10日の「ギター女子」をテーマにしたミューズノートでリトグリ芹奈が「counter culture」を選んだので発売に気づき,moraでダウンロード購入した。もっとも,「ギター女子」としてならば,「ハンドメイドホーム」か「展覧会の絵」の方が納得感があったかもしれないし,その後の,芹奈が大森靖子の曲のファンで,落ち込むような歌詞なんだけれども最後は救われて優しいところが良いという感じのトークからしたら,「あれそれ」が良かったのではないかとも思った。
2021年5月21日22:00に【無修正】大森靖子 - Rude【一発本番】FIRST TAKE ver.がプレミア公開されたが,ギターボーカルとキーボードと舞踊だけのシンプルな構成なのに目も耳も奪われる(たぶんカメラワークが凄いことの効果もあると思う)。サビの絶叫からホイッスルボイス的な発声への移行が素晴らしい。この「Rude」は5月19日からmoraでシングル曲として配信販売されているのだが,何となく大森靖子さんはアルバムで聞きたいと思うので,今のところ購入はアルバム待ち。
『ハッピーエンドが見えません』『ましのみのサブアカウント』
2018年2月7日にポニーキャニオンから発売されるというメジャーデビューアルバム『ぺっとぼとリテラシー』もDVD付きの方を予約購入した。『どうせ夏ならバテてみない』もDVD付きを予約購入した。
2019年2月20日発売予定のメジャー第2弾アルバム『ぺっとぼとレセプション』もDVD付きを予約購入し,2月19日に届いた。
2019年10月14日配信販売された「エスパーとスケルトン」も購入した。
2021年6月12日,久々に配信販売された「淡々とメロウ」もmoraで購入した。ちょっとKiki Vivi Lily的な感じ。
2023年3月にWOLVEs GROOVYというバンドを結成して、何曲も配信リリースされたので、とりあえず『WOLVEs1』をmoraでダウンロード購入した。ましのみさんは超絶キーボードを封印してギターボーカルをされていたが、3人とも才能に溢れていてとても良い感じ。
絶妙なバランス。
にゃんぞぬデシ「BTB海岸」は,海の色と自分の心を重ね合わせて,BTB液が酸性の色とか中性の色とかいう表現をしているのが理系っぽくて,相対性理論「元素紀行」を思い出したが,ましのみ「Q.E.D.」(Eggsにバンドバージョンと弾き語りバージョンがあるが,どちらもいい)も「三角形ABCにおいてこうこうこうこうであることを証明せよ」と始まって「微分積分いい気分だって答えは一つだけの筈だったのに」というサビを経て,「証明せよ証明せよ」というエンディング(Eggsに載っている弾き語りバージョンは「私知らない」で終わってしまうが,バンドバージョンと何かのコンクールでグランプリをとったときのYouTubeの弾き語りは「証明せよ証明せよ」で終わる)まで数学的なフレイバーが散りばめられていて理系っぽい(で,タイトルのQ.E.D.は,通常は証明完了という意味だが,語源はラテン語の"quod erat demonstrandum"で,英語に直訳すると"that which was to be demonstrated"という意味だと英辞郎に書かれていたので,「示されるべきだったこと」という風に解釈することもできて,なかなか深いタイトルなのかもしれない。タワレコは『ハッピーエンドが見えません』を渋谷店限定販売から早いところオンラインでも買えるようにして欲しい。もっとも,「Q.E.D.」は『ハッピーエンドが見えません』には入っていないが……)。パスピエの最近のシングル曲3つが近代文学縛りな文系性を強く思わせるのと対照的だが,どちらの振れ方も面白い。(鵯記1442)
「Q.E.D.」をYouTubeで聴いて,変幻自在なリズムと絶妙に冴えた歌詞に惹きつけられ,東京出張時にタワレコ渋谷店限定で販売されている(その後,名古屋のタワレコパルコ店と近鉄パッセ店でも買えるようになったらしいが,まだ神戸三宮店にはない)『ハッピーエンドが見えません』を漸く入手できたわけだが,凄い振れ幅のある7曲で,どれも完成度が高い。編曲も自分でやっているのだとしたら天才としか言いようがない。
1曲目がタイトル曲「ハッピーエンドが見えません」だが,言ってみれば大森靖子を上品にした感じ。途中からサイン波と思われるノイズが入ってきて,ピアノの速いパッセージと相俟ってフリージャズっぽい演奏になるのだが,そこにメロディアスでふわふわした歌唱が被っていくのがシュールで癖になる。歌詞にも起承転結があって楽しい。2曲目「2コードのシティ・ポップ」はAiko風。3曲目「unbalance」はファルセットが心地よい王道JPopな感じ。4曲目「あなたを掃除する日曜日」はSHISHAMO風(これ,実は編曲が凄いと思う)。5曲目「スポットライトに騙されて」はキーボードが凄くてパスピエ風。メロディラインも格好いい。これを弾き語りしてるって凄いな。これはあれだ,曲想の振れ幅といい,軽やかな声といい,キラキラしたピアノといい,矢野顕子の再来と言って良いかもしれない。6曲目「信じていなくてごめんなさい」は一転してちょっと竹澤汀ソロ曲に良くある感じの切ないトーンで,最後の「Wanko=Soba」は,食べ物の歌だけにまさに矢野顕子の再来かと。実はかなり振り切ったラップもする慶應義塾大学の学生なので,Co.慶應さんとコラボとかしたら面白いかもしれない。この才能が放置されるとは思えないので,本人が拒否しない限りそう遠くないうちにメジャーデビューするだろう。Twitterにオフィシャルアカウントがあり,公式サイトもあって,たぶんプロデューサはついている感じなので,その辺りは戦略的に進めていそうだが。→2017年10月14日のライブ(LINE LIVEとして配信もされた)で,2018年2月7日にポニーキャニオンからメジャーデビューアルバムのリリース決定が告知された(ご本人のtweet)。
2作目の『ましのみのサブアカウント』もタワレコ渋谷店限定なのだが,3月14日に東京出張したついでに買えた。3/24のライブで2曲入りCD-Rと引き換えて貰えるという特典券を貰ったが,その日は神戸大学の学部と修士課程の卒業・修了証書伝達式があり,修士課程の方は領域長として出席しないわけにはいかないので,渋谷には行けない。CD-Rだけ後日でも引き換え可とかしてくれないだろうか。内容は,「今回は王道を!って思って作ってる曲が多い」と本人がインタビューで語っているが,それは例えば誰もが知っている曲のモチーフをアレンジして取り込むといったことかもしれない。Jazzでは普通だし,源流を辿ればClassicでもされてきたことだし,大森靖子がよくやっているが,パスピエもゲス乙女も何かの曲でやっていた記憶がある(ちなみに,現在のJPopシーンにおいて,神業的なキーボード演奏のツートップがパスピエの成田ハネダとゲス乙女のちゃんMARIだと勝手に思っているのだが,ましのみのキーボードもかなり近い水準にあると思う)。この技法がもっともわかりやすいのは2曲目の「【サポートされていない恋愛形式です】」で,フランス民謡に日本語詞を付けたかねがなるのモチーフをうまく取り込んでいると思う。次の「ココアの君はいつだって青い」も(それにしても,この曲名は,歌詞でも出てくるのだが意味がわからない。何か出典があるのだろうか?)Classicの何かよく知られている曲のモチーフを使っているのだけれども曲名が思い出せないのが悔しい。しかし全体としてはオリジナリティに溢れていて,全然JPopの王道ではないと思った(褒め言葉。念のため)。
「それ以外」のリリックMVが公開された。「Q.E.D.」を聴いたときも感じたが,学校の授業に批判精神をもって真面目に出席しているような人にしか書けないような,丁寧に練り込まれた歌詞が凄い。メロディやリズムも考え抜かれて構築されているし,ピアノの速いパッセージの煌めきも凄いし,ボーカルの自由さも含め,やはり矢野顕子の後を継ぐ存在と思う。いやもう,【サポートされていない恋愛形式です】が癖になってしまって耳から離れないくらい。
「ふぉんふぉん」のライブパフォーマンスをYouTubeで見つけた。同日偶々読んだご本人のtweetには,RADWIMPSの武道館ライブに行って「ずっと嫌で覆したかった自分の中の概念をやっと打ち砕いてくれた」と書かれていた。たぶん考えすぎるのを止めたかったのかもしれない。考え抜いた詞も凄いと思うが。
ふと思ったが,セルフプロデュース能力といい,作詞における目の付け所やワーディングの独特さといい,ライブの演劇性といい,曲調の多様性といい,ましのみとSAWAと大森靖子はかなり近い空間に存在している。なぜか一緒にやったことはないと思うが,セッションしたら面白そうだ(大森靖子のギターとましのみのピアノの演奏はかなり凄いし)。SAWAや大森靖子がアイドル好きで,アイドルのプロデュースもしているのに比べると,ましのみがそれをしないのは若いからか? あるいは,自分自身への関心の持ち方の違いか? 大森靖子との関連でもう1つ書いておくと,ましのみの「それ以外」は,主役とそれ以外,という焦点の当て方(あるいは,すべてのsubjectにはsurroundingsとしての「それ以外」が生じるという普遍性か?)であるのに対して,同じ「それ以外」というキーワードを使いながら,「昔々,あるところに,男と女とそれ以外がいました……」と始まる大森靖子の「ドグマ・マグマ」における「それ以外」は,世の中はクリアな二分法が不可能なことが多々あるという点にフォーカスしていて,よりアウトサイダーというか,普遍でないものと対峙することによって心をざわつかせる。上の方で「ハッピーエンドが見えません」で大森靖子を上品にした感じと書いたが,濾過された上澄みにも見えない毒が溶け込んでいて,時としてその方が恐い。
『ぺっとぼとリテラシー』に収録される「ストイックにデトックス」が1月から放送される深夜アニメ「たくのみ。」のエンディングテーマに決まったとのことでめでたい。
『ぺっとぼとリテラシー』の紹介MVを見ていて,作詞作曲のセンスとボーカルの特徴は川谷絵音に匹敵し,キーボード演奏の凄さ(と,たぶん音楽的な素養)はちゃんMARIに匹敵し,ビジュアルの美しさはほな・いこかに匹敵するましのみは,一人ゲス乙女といって良いのではないかとも思った。
2019年1月25日にtwitterでのLIVE配信があり,最後の方でスタジオライブをやってくれて,2月20日発売予定のニューアルバム『ぺっとぼとレセプション』から「ほぼフルバージョン」のMVが公開されている「フリーズドライplease」(先行配信販売もされている)の弾き語り(と,音はかなり打ち込みなので,途中からキーボードを離れてハンドマイクで動きながら歌っていた)も素晴らしかったが(とくに大サビ),他にやってくれた「タイムリー」「美化されちゃって大変です」もアイディアが詰まった曲だった。歌詞に「盛者必衰」が出てくるという無常観は,「フリーズドライplease」にも共通するものだが,その一歩引いた冷静な視線がましのみの最大の特徴かもしれない。同じ平家物語からでも「諸行無常」くらいは椎名林檎だって使うが,「盛者必衰」は一段深い。「春の夜の夢」とか「風の前の塵」とかも使ってくれると良いな。気がついていないだけで既に使われているか? もう少し深読みすると,平家物語は秦の趙高とか平将門とかいった過去の例を挙げて,「奢れる者は久しからず」と直近に栄華を極めた平清盛を皮肉った話だったから,現在のような権力の横暴というかデタラメな政治はいつまでも続かないだろうと思わされる。考えすぎかもしれないが。
どういう仕組みかよく知らないが,TwitterでLIVE配信されているとき,画面にメッセージを打ち込むことができる。ましのみの配信中面白かったのは,いろいろな言語でメッセージが流れていたことだ。たぶんあんな早口な日本語,海外の方にはわからないと思うんだが,音楽とビジュアルだけで"Je t'aime"とか"te amo"とか言ってしまえるのは凄いよな。
『ぺっとぼとレセプション』には,YouTubeなどネットでは何度も聴いてきた「Q.E.D.」と「夢ノート」が入っているのが嬉しい。しかも新たにレコーディングされていて,アレンジも歌い方も以前とは違うし,当然だが音質が大幅に向上している。「Q.E.D.」は,コンテスト優勝の時と同じ,「証明せよ証明せよ」で終わるパタンで良かった。あと,前述の通り「タイムリー」の詞も凄いのだが,それ以上に「コピペライター」の詞には唸った。寛容な社会を希求する心が泣けてくるほど。それにしてもジャケ写の大量のペットボトル,この写真を撮った後はどうやって処分したのだろうか? 単に缶/瓶/ペットボトル回収に出したのだろうか? まあそれはどうでも良い話だが。
「エスパーとスケルトン」は,ピアノ演奏がメチャクチャ凝っている。この記事を見て想像したものを軽く超えてきた。常に何か新しいことにチャレンジしてくれるのが良い。今後どう化けていくのか楽しみ。
『はじめまして。17才です。ハッピーエンド建設中』『魔法が使えたみたいだった』「風とイルカと恋」
Afterschool上のページが公式なのかな? 声質はmiwaとGoosehouse竹澤汀の中間くらい,曲想の前向きさとポップさはmiwaや川本真琴やChatmonchyの橋本絵莉子が本気でポップな曲を書こうと思って書いた曲に匹敵し,詞のユニークさは相対性理論やパスピエの初期の作品を彷彿とさせる。タワレコに注文して買った『はじめまして。17才です。ハッピーエンド建設中。』というミニアルバムのタイトル曲である「ハッピーエンド建設中」など聴くと,大森靖子的な言語感覚や心の闇と同時に存在する開き直りと自己肯定感も感じる。しかしそれ以上にメロディメーカーとしてのセンスを感じる。「しろくま観覧車」のメロディは素晴らしくて癖になりそうだ。
twitterやツイキャスで「デシの姐」と称してお母さんが活動されているのだが,まるでZukunasiのリードボーカルかOrange Pekoeのナカシマトモコかというハスキーでいい声してるんだな,これが。この母にしてこの娘あり,といった感。
「しろくま観覧車」が凄いのはメロディだけではない。「君が住む町のしろくま」で始まり,「南極観測隊になって」でクライマックスを迎える不条理感も凄い。言うまでもなく,しろくまはホッキョクグマだから野生では北極にしかいないわけで,南極観測隊になって待っていてもいつまでも現れないわけだが,それを承知の上で非日常的な無限感を出したかったのだと解釈するとなかなか切ない(TV Brosのインタビューでは,南極観測隊員だった先生からinspireされて書いたと語っているけれども)。「叶わない 敵わない」もただ聴いていると同じ響きなんだけれども,文字になったものを見ると「恋が叶わない」のと「あの娘には敵わない」という二重の意味だったのかとわかる(いや,何度も聴くとコンテキストだけでわかるような気もするが)エッジの立った歌詞だと思う。
にゃんぞぬデシ「ハッピーエンド建設中」は,「合格通知が来ないよ,周りの人は皆来たみたいだけど……」と始まるので,高校受験か大学受験か,あるいは背伸びして就活の話なのかと思っていたが,TV Bros.のインタビュー記事を読んだら閃光ライオットの選考だったとわかった。実体験はそうだったとしても,ハッピーエンドをつかめるかどうかは合否よりも心の持ちようなのだという普遍的なテーマに昇華させることに成功していると思う。最近エンディングの「恋ダンス」が人気の「逃げるは恥だが役に立つ」というテレビドラマとも通底するテーマなので,星野源の「恋」をバックにした「恋ダンス」も確かに魅力的だが,代わりににゃんぞぬデシの「ハッピーエンド建設中」のMVがエンディングだったとしても違和感がないような気がする。(鵯記1442)
ところで,BTB海岸は心の変化を海の色に表象させて,それをBTB液の色がpHで変化することに準えた理系性が堪らないのだが,にゃんぞぬデシさんには,理系シンガーソングライターとして,今後もっと容赦なく理系的な歌詞も期待したい。例えば,あなたは沸騰水の愛で私を包むけれど体液と等張な塩っぱい私の心を沸騰させるには0.16℃足りないの,もっと加圧して沸点を上げてよ,等(注:このネタは,もちろんリトグリ「Girls Be Free」の涙の沸点絡みで塩水の沸点上昇を計算したことからの妄想の連鎖で思いついた)。初期の相対性理論の歌詞はけっこう理系的で,たぶん下剤代わりに飲んで痩せるための「コントレックス箱買い」を歌った「夏の黄金比」は,タイトル自体,1:1.618という黄金比が何故だかわからないが美を感じるバランスであることと,何故だかわからないが痩せ=美という感覚のメタファ。でも,もっと容赦なく理系的な歌詞が聴きたい。比喩ならいろいろ入れられると思う。もっと汗を散らして(アセチルCoAを追加して)早く(TCA)サイクルを回してエネルギーをちょうだい,みたいな。おどろおどろしい物質や生物の固有名詞もいいな。市場が小さすぎてメジャー展開するにはたぶん向いてないが。
付記しておくと,YouTubeの宮野弦士 feat.にゃんぞぬデシ「新しい唄」は凄いと思う。高校3年生が書いた詞と考えると天才としかいえない。ちょっと渋谷系を思い出させるサウンドと相俟って最高。miwaと竹澤汀の中間くらいと書いたが,汀さんがGoosehouseに入った頃の雰囲気と似ているかも。2017年1月現在は大学受験のため活動休止中だが,無事に合格して活動再開してくれると良いなあ……と思っていたら,国公立の二次試験が始まる前に合格が決まったということで活動再開された。ただ,勉強のしすぎで腱鞘炎になったということでギター演奏は暫くNGらしい。
高2の時に作ったらしい「げんかん」が素晴らしい。これ音源販売しないだろうか。ライブなのでサビでちょっとだけ声が裏返ってしまっているが,いい曲だ。Pitch PerfectでAnna Kendrickがカップソングとして歌った"When I'm gone"と通底するものを感じる。
なお,高校時代理系ということであったが,大学が日大芸術学部と川口雅代の後輩になってしまったのは若干残念。姐さんのtweetによると看護系に進学する可能性もあったらしいので,もしそうなっていたら瀬川あやかに続き2人目の看護師シンガーソングライターが誕生するところだったのに。とはいえ,にゃんぞぬデシさんが採血や注射をする場面を想像すると若干恐い気もするので,まあ適切な進路だったようにも思う。
ずっとセルフプロデュースだったが,2017年10月からキューブという事務所に所属した模様。メジャーデビューも近そう。
2018年7月末に発売されたミニアルバム『魔法が使えたみたいだった』は歌詞が高校生の時とは違ってラブソング寄りになっており,理系色がかなり薄まっているのと(am:pmの「ショートスリーパー」くらいか?),ジャケットデザインは非常に凝っていて美しいのだけれども歌詞のフォントサイズが小さすぎ,2曲目と3曲目は背景とのコントラストも低くて,50代の目には読み取りづらいのが悲しかった。曲は後でリッピングしてスマホに入れて聴くつもり。ところで,歌詞カードにもジャケットにも6曲入りとなっているのだが,リッピングしたら7曲表示されたのはどういうわけだろうか? ボーナストラックということか? ちなみに全曲,ボーカルとアコギはもちろん,作詞作曲もにゃんぞぬデシ自身で,編曲はこのミニアルバムのプロデューサーである益田トッシュさんとの共作とクレジットされている。CD自体がまるでアナログEP盤みたいな見かけに作られている遊び心も楽しい。
とりあえず1回聴いた印象としては,1曲目の「同じ空の下どころか」ではいきなり新しい歌い方というかロックっぽい声の出し方に挑戦しているところもあって驚き,「ネゴト」では斉藤ネコさんのストリングスを大胆に使っているのが凄く効果的だなあと思ったり(後日MVが公開されたのをずっと知らなかったのだが,2019年1月になってから視聴したら,この曲が素大変素晴らしい名曲であることに気づいた。大好きな曲だ),たぶんどこにでも音楽を持ち運んで聴いて励まされる喜びを歌ったアップテンポで大サビでバックに入るエレキギターがメチャクチャ格好良かったりする「スーパースター」と,「しっかり」「また明日」「進化」「前に進もう」というフレーズが印象的に繰り返される「魔法が使えたみたいだった」は,聴くだけで元気が出てくる素晴らしいcheering songになっていると思った。歌詞からすると,もしかして「魔法が使えたみたいだった」は,大森靖子「音楽は魔法ではない」か「魔法が使えないなら死にたい」へのアンサーソングかもしれない。もっとも,ボーナストラック? に入っている無題のアコギ弾き語りが,やっぱりにゃんぞぬデシの真骨頂なんじゃないかという気もしたが。
久々の新曲だと思うにゃんぞぬデシ「風とイルカと恋」MUSIC VIDEOも,とても良い,少しだけ寂しさも含んだ静けさと爽やかさに彩られた曲で,どことなく懐かしい感じもする。moraで配信販売されていたので当然買った。
『公園デビュー』『絶対的な関係』『風が知ってる』『猛烈リトミック』『純情ランドセル』『熱唱サマー』『オレンジ/pray』
「カウンター」「NOW ON AIR」「TOKYO HARBOR feat. KREVA」「サイダー」「楽しい」のメロディとリズムが滅茶苦茶格好いい。津野米咲さんの作曲は天才だと思う。まだ買っていないが『KOIKI』も実に小粋なので買ってしまいそうだ……と書いていたが,2016年3月23日発売の『純情ランドセル』初回限定盤を待った。相変わらず津野米咲さんの天才的な作曲センスには唸るしかないが,作品を重ねる毎に歌唱や演奏のパワーも増してきたように感じられる。『熱唱サマー』も相変わらず天才的な作曲の数々。とくに好きなのは「ほら」と「セミロング」。
なお,『熱唱サマー』を最後にボーカルが脱退してしまうのは残念。当面は3人でやっていくという話だが,インストバンドになるとも思えないので,そのうちボーカルが加入するのであろう。津野さんのアクロバティックな曲を歌いこなすには超絶レベルの力量が必要なので,そうそう良いボーカルが見つかるとも思えないが,ちょっとだけ想像するのは,超絶ボーカルグループを卒業した19歳のスーパーボーカリストが加入する可能性は……まあ,ゼロだろうなあ。卒業の理由が自分のペースで音楽をやりたいということだったし。
2018年5月4日に,元アイドルルネッサンスの石野理子さんが新ボーカルとなることが発表された。5thアルバムでどういう展開を見せてくれるのか楽しみ。
2020年夏にネット配信された「時をかけるバンド」というドラマのために書き下ろした「オレンジ」「pray」「衛星」の3曲が,冬になってシングルとして販売された。大変残念……などという言葉では表せないほど大きな喪失感があるのだが,津野さんが急逝されてしまったので,この3曲が彼女の遺作となる。「オレンジ」と「pray」のMVには津野さんが出演されていて,悲しくて仕方なかった。
『卒業制作』『SHISHAMO!!!』『君と夏フェス』『量産型彼氏』『SHISHAMO2』『SHISHAMO3』『SHISHAMO4』2018年6月20日に『SHISHAMO5』を配信で購入。2020年3月に『SHISHAMO6』を配信で購入。2021年7月に『SHISHAMO7』を配信で購入。
デビュー当時のチャットモンチーを彷彿とさせるスリーピースバンドで,ギターボーカルが作曲もするというスタイルもチャット的。声はハシエリよりも素直で艶があるが,時々カワマコのような切れ味を見せる。「宿題が終わらない」「深夜のラジオ」「バンドマン」「サブギターの歌」「恋する」辺りがいい感じ。2016年早々に発売された『SHISHAMO3』は超名盤で,一聴してなんて甘酸っぱいロックンロールなんだろうと思った。とくに「中庭の少女たち」は素晴らしい。休符の使い方が絶品なのと,サビの切なくて可愛らしい歌い方が何とも言えず良い。なお,「手のひらの宇宙」という曲は,タイトルだけ見たときには,川端君の小説『てのひらの中の宇宙』を想像してしまったのだけれども,全然そうではなくて,むしろチャットモンチー『生命力』に入っている「モバイルワールド」の現代版だった。それもまた良し。
SHISHAMOの曲を聴いていると何だか切なくて懐かしい感じがするのだが,これって誰かに似ているなと思って,考えてみたらデビューした頃のaikoに近い感覚なんだな。
『SHISHAMO4』の「明日も」のコンセプトはGReeeeNがNEWSに提供したWeeeekと同じく,働く人への応援歌だと思うが,似たフレーズを違う調で重ねていくのが麻薬的に気持ちいい。NTT Docomoのテレビコマーシャルで使われているが,元々はいい曲ができてしまったので,川崎フロンターレのサポーターへの応援歌として作ったとナタリーのインタビューに書かれていた(等々力のピッチと思われる場所で撮影されたMVがまた素晴らしい)。同じインタビューに全部がシングル曲になるくらいのものを作ったと書かれていたが,確かにどの曲もクォリティが高いと思った。
2017年11月16日に,リトグリとともにNHK紅白歌合戦への初出場決定が報じられてめでたい。
川崎フロンターレ初優勝ということで,中西哲生さんの記事に書かれていた中村憲剛選手の「この風景をずっと待っていた」には泣かされたが,SHISHAMOも嬉しかっただろう。こうなると紅白も「明日も」だろうなあ。フロンターレの選手も出てくれるのではなかろうか。
2019年にNHK学校音楽コンクール中学校の部の課題曲を提供すると発表された。2018年のSuperfly越智志帆作詞作曲によるGiftsも素晴らしい名曲だったが,SHISHAMOもきっと素晴らしい曲を作ってくれるに違いないと期待。それにしても中学生の時ピアノ伴奏しながら歌ってたって宮崎さん凄いな。
『SHISHAMO5』も相変わらず甘酸っぱい曲が満載で,1曲目の「ねぇ」からいきなり持って行かれる。
発売されているのを見落としていたが,CDTV LIVEで「曇り夜空は雨の予報」を聴いて,大変素晴らしかったのでmoraを検索して『SHISHAMO6』をダウンロード購入した。3人のメンバーが遊んでいるような曲もあって,バラエティに富んでいたが,やはり最後に収録されている「曇り夜空は雨の予報」の切なさが最高であった。
『SHISHAMO7』も『SHISHAMO6』の延長線上にあり大人っぽい切ない曲が多いが,「明日はない」からの6曲はこれまでのSHISHAMO王道な感じ。「壊したんだ」から再び切ない路線で,何というか,良い歳のとり方をしているなあ。
『BABY』『夏服』『暁のラブレター』『桜の木の下』『時のシルエット』『小さな丸い好日』『彼女』『泡のような愛だった』はCDを買ってきたが,『どうしたって伝えられないから』はmoraでハイレゾ版を買った。
2023年になってから『湿った夏の始まり』を見逃していたことに気づいて、moraでハイレゾ版を買った。
『今の二人をお互いが見てる』と『残心残暑』はmoraでm4a版を買った。
何と言っても,聴いた瞬間にaikoだとわかる唯一無二な声が魅力だが,「beat」「be master of life」「桃色」「恋のスーパーボール」「ジェット」「イジワルな天使よ,世界を笑え」「キラキラ」「雲は白リンゴは赤」「ボーイフレンド」とかの踊るようなメロディラインも天才かと思う。
「キラキラ」の絡みでメモ。戸谷洋志『Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲』講談社文庫,ISBN 978-4-06-293489-3(Amazon | bk1 | e-hon)は,Jポップの詞を枕にして哲学の思想を対話形式でかみ砕いて説明しようとした意欲的な本。ある程度は作品の解釈も含んでおり,ゲス乙女の「私以外私じゃないの」の解釈は下世話だがウィットに富んでいて大笑いさせられた。ただ,aikoの「キラキラ」は「特別な意味を持つ未来」を語るには向いていないように思った。とくに本書へのツッコミどころとしては,シルバーリングが黒くなるのは,ふつう酸化ではなく硫化なので放置した場合ではなくて指に付け続けた場合の方が進むと思う。ぼくの個人的な感想としては,「その前にこの世がなくなっちゃってたら,風になってでもあなたを待ってる」が強烈過ぎるせいか,やっぱりあの曲が想起させるストーリーは『最終兵器彼女』のラスト近く,ちせが身体中から羽のように武器を突き出して中空に浮かんでいるシーンなんだが,まあたぶんそれも外れだろう。ともあれ,あまりに不思議な歌詞なので,ネット上でもいろいろな考察を展開している人がいて面白い。「羽が生えたことも」が醸し出す非日常感を,敢えて非現実的な世界を描くことで「何もかも」あなたに話したい気持ちを強調しているのだという解釈をする人もいた。もしそうなら,最近で言えば,にゃんぞぬデシの「しろくま観覧車」の不条理感に匹敵するなあ。(鵯記1412より)
『どうしたって伝えられないから』は,ぷらそにか+Shimo-renがカバーした「ハニーメモリー」がメチャクチャに良かったので買ったわけだが,本家のaikoにはやはり他に代えがたい良さがあるわけで満足した。
『wave』『Megaphonic』『JOY』『Five Star』『2人のストーリー』『Yuki "The Present" "2010.6.14,15 Bunkamura Orchard Hall"』『うれしくって抱き合うよ』『汽車に乗って』『Powers of Ten』『FLY(初回生産限定盤)』『まばたき(初回生産限定盤)』『forme』(moraでハイレゾ版をダウンロード購入),Charaとの共作『echo』,久々の新作『Terminal』(moraでハイレゾ版をダウンロード購入)
2023年2月の新作『パレードが続くなら』は、moraでハイレゾ版をダウンロード購入した。
Judy and Maryの頃は,「そばかす」とか「Rainbow Street」とか「Overdrive」とか好きな曲はあったけれど,ソロになってからは奇跡かと思うほどの名曲とパフォーマンスに魅せられているのであった。「JOY」「メランコリニスタ」「ふがいないや」「汽車に乗って」「恋愛模様」などバラエティに富んだ曲のどれも良いのだが,最近では「STARMANN」が嚆矢か。
『FLY』と『まばたき』の初回生産限定盤は昔のLPレコードのジャケットと同じサイズで,持ち運びが不便だがジャケ買いしたくなる効果はあるかもしれない。『まばたき』は,ライブから選んだという10曲入りの2枚目CDから先に聴いたが,伸びやかな声とカッチリした演奏が素晴らしい。何より楽しそうなYUKIの表情が浮かぶような10曲目の「集まろう for tomorrow」は最高。1枚目CDの中では,先日のSONGSで歌っていた「ポストに声を投げ入れて」も好きな曲だが,「暴れたがっている」にしても「無敵」にしてもそうだが,逆境の中で昂然と顔を上げて前進する決意の歌詞が素晴らしい。ああ,YUKIの詞もリトグリが歌ってくれたら素晴らしいだろうなあ。
2019年発売の『forme』は,最初の方のシングル曲も良いのだけれど,何といっても赤い公園の津野米咲作曲「風来坊」,川本真琴作曲「転校生になれたら」,細野晴臣作曲「Sunday Girl」と続く8曲目から10曲目の流れが素晴らしい。
2021年発売の『Terminal』,いろいろと新しいことに挑戦していて凄いと思うし,それでいて茶目っ気があって軽やかな魅力も少しも失っていないのが素晴らしい。
『パレードが続くなら』も相変わらず素晴らしい。唯一無二の歌声。
『横顔』『告白』『ハテナ』『染まるよ』『変身』『コンビニエンス・ハネムーン』『Awa Come』『YOU MORE』『表情』『生命力』『こころとあたま』『ときめき/隣の女』『共鳴』『majority blues/消えない星』『MAGICAL FICTION』『CHATMONCHY Tribute - My CHATMONCHY -』2018年6月27日発売のラストアルバム『誕生』
「ハナノユメ」「親知らず」「シャングリラ」「女子たちに明日はない」「とび魚のバタフライ」「真夜中遊園地」「ハイビスカスは冬に咲く」が素晴らしい。『生命力』があまりに名盤過ぎたし,「親知らず」を聴くだけでもわかるドラムス高橋久美子の天才的な作詞が物凄い魅力だったので,彼女の脱退は非常に残念だったのだけれども,残った2人だけで試行錯誤していた時期を経て,新たなサポートメンバーを入れることによってギターボーカルに戻ったハシエリさんとベースコーラスに戻ったアッコさんの生き生きとした演奏も素晴らしかった(「変身(GLIDER MIX)」の男性サポートメンバーによるラップも良かった)ので,今後更なる傑作が生まれそうな予感がした。『ときめき/隣の女』の初回限定盤DVDに入っていた「シャングリラ」のライブ演奏は滅茶苦茶格好良かった。
……が,2018年にラストアルバムを発表して解散することが決まってしまった。残念だが時期が来たということか。
2018年3月28日に発売されたトリビュートアルバム『CHATMONCHY Tribute - My CHATMONCHY -』を聴くとチャットモンチーの楽曲の良さが凄く良くわかる。スチャダラパーによる「余談(スキャットモンチーver)」はリミックス的な作品なので本人たちの声も聴けるのはまあわかるとして,驚いたのは,グループ魂(宮藤官九郎が入っているバンド)による「恋愛スピリッツ」のブラックユーモア感が爆発する寸劇シーンに声優としてもハシエリさんとアッコさんが出演していたこと。で,この2曲はもちろん素晴らしいのだが,CHAIによる「Make Up! Make Up!」,ねごとによる「シャングリラ」,People in the Box「初日の出」,Homecomings「惚たる蛍」のように割と王道的なカバーも,ペペッターズ「こころとあたま」,川谷絵音「真夜中遊園地」,ギターウルフ「東京ハチミツオーケストラ」のようにまったくアレンジが違うことで同じ曲とは思えない別の味わいが出ているカバーも含め,他の作品もすべて新しい命を吹き込まれていて感動した。一つだけ残念だったのは,ここに「親知らず」(できれば同郷の天声の声をもつ中学生シンガー丸山純奈さんのボーカルで……ソロでもいいしPOLUとしてでもいいが)が入っていれば完璧だったのになあ,ということ。
ラストアルバム『誕生』は,やっぱり高橋久美子さんの作詞による「砂鉄」が良かった。たぶん「蹉跌」と掛けてるよな。打ち込みメインのサウンドはかつてのシンプルな3ピースバンドだったチャットモンチーからは想像できなかったが,しかしこれもありだな。斉藤由貴の「土曜日のタマネギ」やキテレツ大百科のエンディングテーマを思い出させる「クッキング・ララ feat. DJみそしるとMCごはん」も良かった。しかし何と言っても,ハシエリさんの息子さんの幼い声(けれどもピッチが合ってるのが凄い)のコーラスがほっこりさせる「びろうど」でのエンディングが素晴らしい。唯一懸念というか残念だったのは「たったさっきから3000年までの話」の詞に交友関係が深いらしい某芸人の影響がみられる感じがした点。いや誤解なら申し訳ないが。
『ヤミヤミ/ロンリープラネット』『おやすみパラドックス/ジェニーはご機嫌ななめ』『ヴィーナスとジーザス』『RADIO ONSEN EUTOPIA』『COSMOS vs ALIEN』『シフォン主義』『ハイファイ新書』『シンクロニシティーン』『リコンストラクチャーズ』『正しい相対性理論』『TOWN AGE』,大谷能生とコラボした『乱暴と待機』
「スマトラ警備隊」と「LOVEずっきゅん」が衝撃的だったが,「ミス・パラレルワールド」「チャイナ・アドバイス」「COSMOS vs ALIEN」辺りまでが好きかなあ。「北風小僧の寒太郎」も良かったが。
『ONOMIMONO』『わたし開花したわ』『演出家出演』までの回文シリーズに続き,『フィーバー』『MATATABISTEP』『幕の内ISM』と新作が出るたびに新たな側面を見せてくれるのが凄いと思う。『娑婆ラバ』も超傑作。2017年1月24日に最新作『&DNA』の初回限定盤が届いたが,DVDに20曲のMVが入っていて,大胡田さんのアートワークを堪能できるので,これは絶対に初回限定盤を買うべき。
実は2017-2018年に出たライブアルバムとミニアルバム2作『OTONARIさん』『ネオンと虎』は買ってないのだが,2019年5月発売のフルアルバム『more humor』はAmazonで予約購入した。
2023年1月になってから、その後3枚もニューアルバムが出ていることに気づき、『ukabubaku』『ニュイ』『Synonym』のCDをまとめて購入した。
「トロイメライ」「最終電車」「電波ジャック」「ON THE AIR」「はいからさん」「Eccentric Person Come Back to Me」「MATATABISTEP」「トーキョー・シティ・アンダーグラウンド」「世紀末ガール」「とおりゃんせ」「アジアン」「誰?」と続く『幕の内ISM』の流れが最高に好きだ。『娑婆ラバ』も名曲揃いだが,「贅沢ないいわけ」「つくり囃子」「素顔」の音楽的アイディアの豊かさは素晴らしい。2016年のシングル盤『ヨアケマエ』と『永すぎた春/ハイパーリアリスト』はアルバム待ちで買っていないのだが,YouTubeで公開されているMVを鑑賞するだけでも,重層的というか複線的な見方ができる歌詞世界が素晴らしいと思う。タイトルからすると,島崎藤村と三島由紀夫を意識しているのだと思うが,絶妙な和洋折衷感が実に魅力的。「最終電車」は好きな曲の1つなのだが,『&DNA』の初回限定盤DVDに入っていたMVのアレンジは初めて聴いた。まるで別の曲のようなアレンジ。大胡田さんってこういう歌唱もできるのか……と思ったが,実は「最終電車 feat. 泉まくら」として公開済だった。どうしてこれまで気づかなかったのだろう。
『Makoto Kawamoto』『gobbledygook』『願いがかわるまでに』とTiger Fake Furとのコラボ作『音楽の世界へようこそ』とゴロニャンずとして発表した『ゴロニャンず』,アコースティックなセルフカバーアルバム『ふとしたことです』,2019年発売の『新しい友達』,2023年夏の新作『ひかり』
2024年冬、「きいていて」をダウンロード購入。
「1/2」「微熱」「TOKYO EXPLOSION」のリズムやメロディラインは中毒性があり,超アコースティックな「ウグイス」も好きだが,「gradation」と「FUNCTION」がめちゃくちゃcool。『ゴロニャンず』は,まるで上質なロードムービーでも見ているかのように夏の海の風景が目に浮かぶ傑作で,「summertimeblues」から「ぱいなっぷるめろでぃ」への流れが最高に好きだ。『ふとしたことです』の「1/2」や「gradation」の演奏と歌唱は,原曲とはまるで別の曲のような味わいがあって,これはこれで良いなあ。
『新しい友達』は原点回帰というか,音楽的なアイディアに溢れたアルバムであった。「ゆらゆら」「新しい友達II」は音数の多さ,とくにnoisyなギターが駆け巡るので不協和音寸前なのだが,それが絶妙なバランスを保っていて素晴らしい。峯田氏とのデュエットも声質が合っていて良い。癖になりそう。
『ひかり』は『新しい友達』に比べると実験的な色合いは薄れていると思うが、歌詞に往年のニューウェーブの雰囲気があって良いなあ、と聴いていたら、「カート・コバーン」が歌詞に出てきたりして、ああそうか、という感じであった。相変わらず唯一無二の声で、これはこれで良いが。もう少し聴き込んでみたい。
「きいていて」は、の子さんとのツインボーカルになっていて良い。まさにバンドサウンドという感じ。
『COLORS』『I Can Fly』『Live at 音霊OTODAMA SEA STUDIO』『SAWA☆Debut 5th Anniversary Live』『Soprano Rain』『Swimming Dancing』『TIME AND SPACE』『WELCOME TO SA-WORLD』『あいにいくよ』『Mr.Brown』『高貴愛されスタンス』『美人薄命エーゲ海』『転職活動』(moraでダウンロード購入),2021年4月に発売された7セグメントの「イビツな計画」もハイレゾ版をダウンロード購入し(この曲,プロモーションMVが公開されたが,メチャクチャ格好良くて最高である),同時に「シアワセの末路」「天井階段」「I wanna be 楽な人生」「都会の贅沢」も配信販売されていることに気づいたので購入した
2022年4月には7セグメントのフルアルバムが出ることになったらしいので買おうと思う。
その後2024年10月までに買ったのは、SAWA『正しい順応性』、7セグメント『RECEPTION』『I wanna be 楽な人生』『primetime』である。
「Many Colors」「Stars」「Try again!」「心の瞳」「World Wide Tea Party」等々バラエティに富んだ曲の中でも,映画「ある愛の詩」のオリバー・バレット3世を思い出させる「I'm a President」と,ハロウィンのようなカワイイお化けと戯れるMVが何とも言えなかった「あいにいくよ」,カバー曲としては「メトロポリタン美術館」と,Judy and MaryへのトリビュートアルバムでFree Tempoのボーカルとして歌っていた「RADIO」の奇跡的な軽やかさが嚆矢か。
その後,さまざまなアイドルのプロデュースをしたり共演したり(サワーソニックとか)という活動が多いのはtweetで知っていたが,自身のパフォーマンスは控えめであったように思う。2017年4月15日に,にゃんぞぬデシの作詞とヴォーカルによる「新しい唄」の作曲をした宮野弦士(Key)に加え,マツナガコージ(Gt),武宮優馬(Ba),小川智大(Dr)というメンバーによる新しいバンド,7セグメントが期待大。「シアワセの末路」のライブ映像が凄く良い。音源発売が楽しみ。
2019年2月現在,7セグメントはまだ音源販売してくれないが,2018年にSAWA個人で『高貴愛されスタンス』というアルバムをリリースしていることに気づいて,moraでダウンロード購入した。このアルバムは「ハイパーアロハオエ」「アーリーサマー」と続く流れが凄くて,聞いていると果てしなくテンションが上がっていく。その後一息ついてから「天体観測」のカバーというのも良かった。YUKIの歌い方も軽やかだが,SAWAはさらに上を行く軽やかさ。
『美人薄命エーゲ海』もエレクトロポップで,最もフックしたオリジナル曲は,先にMVを見て知っていた「業務提携」だったが(意識高い系を生温かく笑い飛ばしながらも,そういう業務に携わっている人たちへのエールともなっていて,しかも比喩として解釈すれば結婚を意識した恋人同士のシニカルなラブソングとしても聞ける歌詞が秀逸),最後に入っている「春に」の独唱が素晴らしかった。
『転職活動』は,「業務提携」の延長線上にある感じ。7セグメントでのバンド活動の影響か,経験を重ねたからか,声が軽やかというよりもハリと強さが出てきた気がする。これはこれで良いが。
『正しい順応性』も相変わらず素晴らしかった。7セグメントは演奏も素晴らしく、7セグメント - 月と回転(LIVE) 2024.07.07 Shibuya eggmanは『primetime』に入っている曲だが、ハイセンスなスルメ曲といえる。宮野さんってキーボードだけではなくてギターもできるんだな……と思っていたら、CHiLi GiRLのインストアライブ動画でぶっとんだ(川嶋志乃舞 / CHiLi GiRLの項参照)。
『エレガンス』『Far East』『思い出を置く君を置く』『海が泣いている』『始まりは“まごころ”だった』『どんじゃらほい』『Little Concert』『Red Moon』『手作りの画集』『12ページの詩集』『こけてぃっしゅ』『Feelin' Summer』とベスト盤しかCDでは持っていないが,アナログLPでは『背中合わせのランデブー』『心が風邪をひいた日』『まごころ』とかも持っていて,これら3枚は最近moraでダウンロード購入した。さらに,最近はなごみーずとしてアコースティックのアルバムを発表していて,それも3枚とも買ってしまった。『ELEGANCE』と『こけてぃっしゅ』はハイレゾ版もダウンロード購入した。
自分が最初に買ったレコードは,内山田洋とクールファイブ「中之島ブルース」だったが,次に買ったレコードは,太田裕美「青空の翳り」だったと記憶している。「木綿のハンカチーフ」も知っていたし好きだったが,強く惹かれたのは「青空の翳り」とそのB面の「とにかく淋しいのです」だったし(これらが入っているアルバムは作られなかった気がする),アルバムとしては「スカーレットの毛布」「振り向けばイエスタデイ」「茉莉の結婚」「街の雪」「海が泣いている」「∞」が入っている『海が泣いている』からだった。
東京大学助手をしていた頃のweb日記「枕草子」の第2回曾て聴いた音楽についてで,「空前絶後のファルセット」と書いているように,ファルセットが美しいのが,最大の魅力だと思う。上述の『海が泣いている』の「茉莉の結婚」や「街の雪」のサビのファルセットなど最高である。ただ,「空前」は変わらないのだが,「絶後」については,最近,もしかしたらリトグリMAYUのファルセットは,太田裕美さんに追いつけるかもしれないと思いつつある。
『海が泣いている』に入っている曲以外にも,太田裕美さんのアルバムには名曲が多くて,「熱風」「掌の夏」「One more chance」「知らないところで」「葉桜のハイウェイ」とか,名曲を挙げたらキリが無い。「青空の翳り」以外のシングル曲では「恋愛遊戯」「南風」辺りが好きだったが(今でも好きだが),最近は「ピッツア・ハウス22時」の良さがわかるようになった。
2017年4月にはINSPiと共演したそうだ。もっと発展してコラボCD発売とかならないかな。
『ELEGANCE』に入っている「ピッツァ・ハウス22時」をハイレゾ版で聴くと,何だかこれまで聞こえなかった音まで粒立ち良く聞こえてくる気がして,より深く楽しめて最高である。
『心が風邪をひいた日』は,作詞はすべて松本隆であり,もちろん誰もが知る名曲「木綿のハンカチーフ」も入っているが,荒井由実作曲の「袋小路」と「ひぐらし」,佐藤健作曲の「青春のしおり」のインパクトが強かった。アルバムを買うようになったのは中学生か高校生の頃だったと思うので,たぶん10代半ばで聴いた「青春のしおり」の歌詞は,70年代のヒッピー文化とか安保反対運動を引きずったモラトリアム青年のダメさが描かれているのに格好良く感じてしまった。今の若者が聴いたらどう感じるのだろう?
『masshy@love.net』
アナログレコードも全部持っていて,「やさしいAffair」とか「サーモン・ピンク」も好きだったのだが,このCDに入っている曲では「Melty」「ジャパニーズ・ガール」「夏少女」の雰囲気が好きだ。
『We are here』
「Coming Down」「One Day」「Love So Easy」は今聴いてもcoolだと思う。
『マッチを擦る』『夏』『水』『リトルスワロウ』『ワールド・ランゲージ』『Sunday Clothes』『My dear』『CAMPOLANO』『Blind Moon』
最初期は従兄弟の林山人がDsをしているバンドとして知り(確かカセットを貰ったことがある),『マッチを擦る』辺りでは「招待状」などの何とも不思議な雰囲気に惹きつけられていたが,従兄弟が脱退した後は暫くフォローしないでいたら,いつの間にか随分違う落ち着いた雰囲気の作品を出すようになっていた。「Lupinus」や「やさしい紫の空」の癒し感は素晴らしい。
残念ながら2018年12月28日に解散してしまったようだが,2020年にもセッション動画をYouTubeにアップロードしたりしているので,完全に止めたわけでもないようだ。
『kotobuki2010』『寿魂』
イカ天に出ていたバンドの中でも異色と思うが,ミヤギさんの圧倒的なギターとなびぃさん(イカ天登場時は違う名前だったが,同じ人だと思う)の強烈なボーカル,ラジカルかつ土着的な歌詞にどうしようもなく惹かれていた。メジャーデビューはしなかったが,今でも音楽活動を続けているのは凄いと思う。kotobuki2010に入っている「金網の向こう側」に込められたメッセージと寿魂に入っている「前を向いて歩こう」が感じさせてくれるしなやかな連帯感は素晴らしい。
『Kamuy Ipirma』『EXILE ON MAIN BEACH』『Cante Diaspora』『Underground Railroad』『バタフライ・アフェクツ』
メスカリン・ドライブとニューエスト・モデルが合併してできたという触れ込みだった結成当時,『Kamuy Ipirma』は随分聴いた。その後ずっと遠ざかっていたのだが,着実に活動を続けてきたようだ。最近発売された『Underground Railroad』を聴いたら,冒頭の「グラウンド・ゼロ」からいきなり持って行かれた。「満月の夕」はNo NukeでAnn Sallyが歌っていたのも素晴らしい歌唱だが,やはりソウルフラワーの泥臭い(うまい表現ができないのだが)歌唱で聴くのが一番心を揺さぶられるような気がする。
2019年1月17日に新長田駅前でフリーライブをしてくれたらしく,家に近いので聴きに行きたかったが,ちょうど六甲で講義をしている最中で行けないのは残念だったとか言い様がない。しかし久々にリリースされたアルバム『バタフライ・アフェクツ』はmoraでダウンロード購入したが,相変わらず魂をえぐるような歌詞と歌い方と迫力ある演奏は変わらないな。
『Maminka』『DINOSAUR』『Neverland』『MANTLE』『Ivory』『OH YEAH!!!!!!!』『For You』『Santa Fe』『DREAMS』『Time Travaling』『旅に出る準備』
2011-2012年頃の曲はカレッジ・ポップスっぽくて,それも好きなんだが,だんだん曲の多様性が広がってきたように思う。オシャレ感と素朴さとテクニックが絶妙なバランスを醸し出している。紅一点タカハシマイさんはモデルでもあるらしいが,メインボーカル武井優心さんとの声のバランスがとても良い。歌詞がファンタジー風というか,ちょっとセカオワ風でもあるのだが,それよりは少しだけ現実寄りなのも,絶妙なバランスと思う。とりあえず,『MANTLE』の最初2曲「Amazing Parade」と「No way」は,テンションを上げたいとき,大音量で聴くと即効性がある。発売日に入手した『Santa Fe』も実に良くて,中でも「Heart Beat」は2015年末の目覚まし音楽として毎日鳴らしている。『DREAMS』も格好いい曲が揃っていてジャケットデザインの小綺麗な感じも狙い通りかと思うが,「BB」「ゴッホとジョン」「ヘンリー・ジョーと海の城」辺りは音楽的に相当凝ったことをしていて,しかも気負った感じがなく楽しげにやっているのがとてもいい。
シングル盤『Time Traveling』の表題曲はAAAのSky-Hiをラッパーとして迎え,コラボしているのだが,お互いの魅力が引き立つ良い演奏だと思う。途中で入るタカハシマイさんのソロ歌唱が絶妙なアクセントになっていて魅力が爆発している。
2018年3月に出たアルバム『旅に出る準備』は,初めて日本語のタイトルとなった。OTOTOYでハイレゾではないFLAC版をダウンロード購入したが,相変わらずの格好良さと気持ち良さ。
公式サイトで,2020年夏前に久しぶりのフルアルバムがリリースされるというニュースが発表された。待ち遠しい。
男女ツインボーカルのバンドも最近増えてきて,Awesome City Clubやゴホウビなど,それぞれ微妙に違った魅力を感じる(結構音源も買ってる)。けれども,いろいろな意味で,やっぱりCzecho No Republicっていいんだよなあ。
1月14日にタカハシマイさんの結婚式の様子らしいtweetを見て,ボーカル2人が昨年7月に入籍していたこと(当時tweetされていたのだが見逃していた)を知った。めでたいことだし,元々楽しく幸せな感じの曲作りをされているので,良い意味で変わらない気がする。
『For You』『SING』『ただいま』『サンキュー』
かなり前に長野駅前の平安堂で『For You』を買って,ソウルフルな歌声に強烈に惹かれつつも,長野ローカルなグループだと思い込んでその後フォローしていなかった。ふとその後の活動を知って,YouTubeにアップロードされていた「WE SING ONE VOICE」があまりに素晴らしかったので衝動的に3枚まとめ買いしたが,これはいい。素晴らしい。リードボーカルの方が産休中のため2017年1月現在は活動停止中のようだが,復活が待ち遠しいバンド。
知らないうちに復活はしていたのだが,2019年2月21日の渋谷クワトロのライブをもって解散という悲しいニュースを,Flying Kids浜崎貴司さんのtweetで知った。好きなグループだったんだけどなあ。
『ファンタスティック七変化』『月曜日のマドンナ』『ラブハイウェイE.P_』『パンダトニック City Shake feat メイビーモエ』『SUKEROKU GIRL』『光櫻』
CHiLi GiRL『MEBAE』「Make You, Make Me」「Scrolling Girl」「One Q(feat. 倉品翔)」「strawberry chocolate night (feat. MPC GIRL USAGI)」「サマーロマンス計画」「Secret Secret」『CARAI』
まったく毛色は違うが強烈に惹きつけられたのが,川嶋志乃舞 【遊廓ディスコ】で,(レキシ+水曜日のカンパネラ+チャラン・ポ・ランタン+和楽器バンド+神田莉緒香)/5的な感じ,といえば伝わるか? 三味線を弾く東京藝大生で歌うし作曲もするしダンスまでできてしまうというハイスペックなアーティスト。この曲のメロディライン自体はどことなく椎名林檎の「長く短い祭り」を思い出させるが,不思議な魅力があって,ついこの曲を含むアルバム『ファンタスティック七変化』をAmazonデジタルミュージックでダウンロード購入してしまった。(2016年12月29日鵯記)
キラキラシャミセニスト川嶋志乃舞さんのこのツイキャス「酸いも甘いも夜の小咄」で,「人がやりたいことをできるようになるための三大要素,興味・やる気・分析があるとしっかり結果がついてくることを証明した」というのは,確かに至言と思う。ただし,これを続けることができるかどうかはgritがあるかどうかにかかっているので,誰でもできるわけではない。オザケンが小学校時代にオリコンランキング15位くらいまでを毎週ノートに書いていたことを例に挙げて,天才と思われる人も誰でも努力をしているという話とか,目に見えて結果が出るなら努力できる例としてキャバクラを挙げるとかが川嶋さんの独特なところ(ぼくはキャバクラって行ったことがないから知らないが,そうなのか?)。ご自身の身の回りの「天才」に触れつつ,たぶん本当は,生まれながらの天才なんかいない,と言いたいんじゃないかなあ。良い人と比較して直すだけでなく反面教師とか他山の石も成長に必要な分析エッセンスというのも正しいと思うが,それらは必要条件ではあるけれども十分条件ではなく,何事も一朝一夕にはできないのでgritは必須だし,成功するには,やはりある程度の適性も必要と思う。数学や歌のセンスってかなりの部分が脳の構造によると思うし運動能力は筋骨格系と神経系の構造によるので遺伝的要素も大きく,意図的に成長させるには限界があるだろう。川嶋さんも5ヶ月の準備で東京藝大に合格するという離れ業をやっているが,たぶんどんなに努力してもオリンピックで金メダルはとれないだろう。生まれながらの音感があったはずだし,だからこそ3歳から練習してきたのだろう。あと,運も必要。自分のことを書くと,ぼくも小学校6年の夏から5ヶ月の準備で回りからは絶対に無理と言われた開成中学に合格したが,理科で塾でも学校でも習わないが昆虫採集や釣りが好きだったので野外で遊ぶことが多くて偶々知っていた野草の名前を問う問題が出たという幸運がなかったら合格できなかったと思う。家業が珠算塾だったせいで4歳頃から算盤を練習していて暗算が速かったこととか,小さい頃から読書好きだったこととか,そのゴールのためにしていたのではないにせよ,長年継続してきたことによって本格的に準備するための素地ができていたことも大きかった。たぶんざっくり言うと,そういうことが適性の構成要素なのかも。(2017年5月5日鵯記)
▼ふとYouTubeで目にとまった,川嶋志乃舞 【プレミアムフライデーまで待ちきれない】MV FULL。「遊郭ディスコ」もそうだったが,この曲も歌詞の世界観は好きではない(2024年注記:決して嫌いというわけではない)。が,かつての泰葉みたいなパンチ力のある歌唱,メロディとリズムのセンス,ビジュアル,もちろん三味線,すべてが中毒性ある天才である。▼で,Amazonデジタルミュージックでこの曲を含む『月曜日のマドンナ』をダウンロード購入してしまった(1,800円は激安と思う)。まさしく天才の仕事で,「ショコラトーク feat.渡邊シン」は素晴らしいインスト曲だし,「南部茶屋ふくし」「花笠音頭」は民謡の新しい魅力に目を開かせてくれたし,「東京タワーラプソディ」は歌詞も素直で大変気に入った。「漱石のこと」は,詩の世界がいろいろ深くて楽しむのに教養が求められるけれどもセンスが良くて好きな曲で,三味線の格好良さが一番際立つのは,「花千鳥」というインスト曲だと思う。エンディングの「ロリポップ」は「キラキラシャミセニスト」川嶋志乃舞さんの決意を高らかに歌い上げた,可愛くて格好いい名曲。エレキギターやドラムと三味線がこんなに格好良くコラボできるとは。これはライブで聴きたいなあ……とtweetしたら,ご本人から「ライブはもっとバンドメンバーとばちばちにかますから見にきてね!」とのご返事があった。関西でやってくれたら(ビルボードライブ大阪で21:00からとかが希望)万難を排して行くので,その日をお待ちしたい。▼ちなみに音楽で世界に挑戦しているミュージシャンは掛け値無しに素晴らしいと思っていて(たぶんハーモニーの素晴らしさは世界でも指折りのリトグリも道を間違えなければ近い将来そういうレベルに到達すると思っているのだが),川嶋志乃舞さんも,NyatitiのAnyangoさんとかPianoの上原ひろみさんに匹敵するくらい唯一無二な高い志をお持ちだと思うし,ブログなど拝見しているとそれを語る言葉もありそうなので,本も書いて欲しいところ。Nyatitiと三味線のコラボとか良いと思うんだがなあ。(2018年5月6日鵯記)
『SUKEROKU GIRL』と『光櫻』はクラウドファンディングに出資したので一般販売より先に届いた。『SUKEROKU GIRL』は1曲目の「Jump up!」からニッポンチャチャチャみたいな感じの掛け声に続く三味線のビートが気分を上げてくれる,素晴らしいcheering songとなっている。「たのしい四捨五入」や「Not575」は学校で習う形式知,だけではない楽しさや格好良さを訴えている気がする。メロディラインはオシャレでポップなビートが弾けていて乗れるのがまた良い。一方では「津軽じょんがら節」は容赦なく三味線のビートが響き,三味線の打楽器らしさが際立つ。「パンダトニック」は先行配信販売されたのも買ったので何度も聴いているが,前衛的というか実験的な作品。幅が凄い。それに対して『光櫻』は日本各地の民謡の名曲の演奏として,正統派な和楽器演奏と張りのある民謡歌唱が炸裂していて,続けて聴くと,この両面が一人のミュージシャンの中に同居していることが奇跡かと感じる唯一無二か。
いつの間にかCHiLi GiRLというバンドを組んで活動していて、2022年6月に『MEBAE』というアルバムを出していて、ライブもしていた。ライブの一部の動画を見て痺れたが、三味線とサックスとシティ・ポップが渾然一体となって、ボーカルもソロの頃からかなり進化していて心地良く、メチャクチャ格好良い。これは海外で受けると思うが、まだ知られていないのか視聴回数が少ないのが残念。「Make You, Make Me」もメチャクチャお洒落なシティ・ポップ。
ふと思いついたのだが、少年ジャンプで連載中の「あかね噺」という漫画で、いま題材になっている「お茶汲み」という落語を歌詞として、CHiLi GiRL作曲・演奏でリトグリのアサヒが歌ったら、世界で受けるのではないか。「あかね噺」が将来アニメ化されたら主題歌になったりすると面白い。「あかね噺」の落語監修は林家けい木という二ツ目の落語家さんなのだが、兄弟子の林家ひろ木という真打の方が、落語と津軽三味線の二刀流ということなので、案外、CHiLi GiRLと落語の言葉も相性良い気がする。そもそも川嶋志乃舞さんはソロで「遊郭ディスコ」というアバンギャルドポップスを出していたので、「お茶汲み」には親和性ありそうだし。まったくの妄想だが。(2023.2.8)
新作の「Scrolling Girl」も大変オシャレなシティ・ポップで素晴らしい。何かきっかけがあれば売れると思うんだがなあ。
「One Q(feat. 倉品翔)」もジャジーでメロディアスな詞や曲に三味線とサックスが絡む唯一無二の曲で、知られさえすれば海外で人気が出そうな気がするのだが、残念ながらまったく話題になっていない。
2023年7月の新作「サマーロマンス計画」はサンバ風味もあるお洒落な夏のアッパーチューンでありながら三味線が効果的にフィーチャーされていて、最高のグルーヴ感をまたもや更新してきた神曲。世の中に知られてほしいなあ。
「Secret Secret」はMVも渋谷系っぽいが、ドラマーの渡邊シンさんのアレンジが本当に渋谷系ど真ん中で、沖井礼二さんとの対談を読んでさもありなんと思っていたら、とうとう『CARAI』に入っている「FLY」では沖井さんがアレンジした上、タワレコで沖井さんがベースで宮野弦士さんがギターというトリオ構成でインストアライブがされた(例えばこのクリップ参照)というワクワクする展開で、この先が楽しみ。
2024年10月、漸く関西でもライブをしてくださったので、元町Alwaysに行ってきた。生の三味線の迫力に圧倒された。
『The Sound Sounds』『The Second Time Around』『à la mode』『DELICIOUS』「ルーフトップ・ラプソディ」『Béret e.p_』『境界線上に吹く風 e.p_』『国境のエミーリャ』『World Record』
Cymbalsで土岐麻子さんのボーカルを支えていた沖井礼二さんが,清浦夏実さんを新たなボーカルに迎えて再始動したグループ(Cymbalsファンだったのに,2020年になるまでTWEEDEESの存在を知らなかった)。
まあオシャレでポップで渋谷系っぽいし,「東京は夜の7時」のカバーを含むメドレーなんかそういう意味では最高だが,それだけではない。おじゃる丸のエンディングテーマだった「プリン賛歌」が素晴らしい。
『The Second Time Around』の「友達の歌」や『à la mode』の「悪い大人のワルツ」からも少し感じたが,『DELICIOUS』の「少年の見た夢は」と「美しい歌はいつも悲しい」の緊張感と透明感が凄い。それでいて渋谷系っぽい軽やかさも失っていないところが好きだなあ。
2022年9月12日、新曲「ルーフトップ・ラプソディ」の配信販売が始まるというtweetを見てmoraで購入したわけだが、同時にたしか別の形態で既発だった『Béret e.p_』『境界線上に吹く風 e.p_』『国境のエミーリャ』も配信販売が始まったので購入した。
久々のフルアルバムである『World Record』はCDを買ったが、相変わらずオシャレで疾走感があって素晴らしい。このタイミングでTWEEDEESのみならずCymbalsの過去のMVが大量にYouTubeに公開されるという太っ腹はありがたい。
『CIRCLE』『Breaking News』『pantomime』
偶然「TAKE ME WITH OVERLAND」のMVを見て衝動買いした『CIRCLE』から,2作目の『Breaking News』までは限定的な流通しかなかったらしく,知る人ぞ知る感じのバンドだった。オシャレな渋谷系な感じはTWEEDEESにも近いところがある(と思ったら,下に書くように,実は最初から沖井礼二respectのバンドなのだった! 4年間知らずにいた。というか,Cymbalsの沖井さんがTWEEDEESとして再始動していたこともずっと知らなかった)。
(2020年1月6日の鐵人三國誌より)10月に公開されていたのに気づいていなかったが,POLLYANNAの「pantomeim」のMV。メチャクチャ凝ったリズムに中毒性があるかも。同曲をタイトルとしたフルアルバムが1月29日発売とのこと。「Take me with overland」の渋谷系っぽいPVに撃ち抜かれて以来,『CIRCLE』『Breaking News』と2枚のミニアルバムを買ってフォローしてきたPOLLYANNAの初フルアルバムで,曲名を見るだけでワクワクしてくる。これは買いだな。というわけで,Amazonで予約注文した。ちなみに最も惹かれたタイトルは「量子もつれとわたし」。初期の相対性理論のような理系的な歌詞であったら痺れるが,枕としてシュレーディンガーの猫を使った妄想展開であったとしても(告白するまではあなたの気持ちは未確定,みたいな),それはそれで良い。あとは,直訳だと宇宙の表面を引っ掻け! となる1曲目「Scratch the surface of the universe」も期待。
というわけで,初の全国流通版という『pantomime』が届いた。表題曲「pantomime」は,オフィシャルMVも楽しいが,この音源では2フレーズ目に入るところのボーカルとバックの演奏の微妙にずらして重ねる感じが醸し出す空間の広がりが凄い。中盤のピアノの軽やかさも素晴らしい。「LIFE」とか「カモミールの育て方」とか最高か。
Mikikiというメディアに『pantomime』のインタビュー記事が出ている(凄く充実した記事なのでファンは必読と思う。表題曲が「和声で5度をイジメる」とか,音楽的にマニアックな表現も多くて,ぼくには完全には理解できないけれども……)。ボーカル伶菜さんが音大出身で,「とにかく沖井さんが大好きで、Cymbalsになりたいってずっと思っていて」というのも,当初『沖井礼二に「快活で優雅で無慈悲。僕が彼等に嫉妬するのは、その若さについてだけではありせん」と言わしめた』というのも,「TAKE ME WITH OVERLAND」の頃の話? あるいはもっと前かと思うが,さもありなんという感じ。Mikikiの記事によると,このアルバムのvocal directionが沖井さんだそうだ。このアルバムではさまざまな新しい顔を見せてくれている。けれども,10曲目「Special service」などは(Mikikiの記事を読むまで知らなかったが,去年既にできていた曲だからか),「TAKE ME WITH OVERLAND」の雰囲気と変わらずオシャレでポップな渋谷系の王道が健在だし,テンション上がる。
『HELP EVER HURT NEVER』をmoraでダウンロード購入した。配信シングルとして「へでもねーよ」「青春病」もダウンロード購入した。
『にじいろカルテ』というテレビドラマの主題歌「旅路」が2021年3月1日に配信販売されるそうなので購入予定→購入した。
車のテレビCF曲として作られた「きらり」も,2021年5月3日からmoraで配信販売が始まったので早速購入した。
「燃えよ」もハイレゾ版をダウンロード購入した。
2022年3月23日発売のセカンドアルバム『LOVE ALL SERVE ALL』は、特製フォトブックとピアノアレンジカバー集CDが付いてくる初回限定盤をAmazonで予約購入した。
「grace」、「Workin' Hard」、「花」は発売と同時にダウンロード購入した。
sinfoniaによるカバーで「帰ろう」を知って,藤井風『HELP EVER HURT NEVER』をmoraでダウンロード購入して聴き,天才を確信した。1曲目の「何なんw」のピアノソロからアカペラを経てメロディアスなギターにつながるイントロからして凄い。中学生の時にショパンのエチュード「革命」をピアノ演奏している動画があって,ともかく音に対する感受性と表現力が卓越しているのだと思う。
『HELP EVER HURT NEVER』の最後に収録されている「帰ろう」の公式MVが発表されて,これはグラミー賞が獲れる作品ではないかと思った。それくらい凄い,世界に通用する普遍性をもった音楽だし映像だと思う(コメント欄が海外からのメッセージで埋まっている)。この「帰ろう」という作品の音楽的な構成については,咲希さんという方によるこの分析&解説は的を射ていると思う。ちょうど竹渕慶さんも「帰ろう」のThe First Take風の一発録りカバーを公開したところで(説明文に,デビュー前に藤井風さんから聴いた言葉に触れて,バート・バカラックに擬えているのに納得した),合わせて聴くと,この曲のもつ可能性がよりわかると思う。
「帰ろう」の公式MV(いつの間にか歌詞の意味を英語にした字幕が付いていて,日本語詞よりもメッセージが直截的な表現になっていて良くわかる。もっとも,逆に言えば,日本語詞は複数の意味をもっていて,MVに込められたメッセージとはまったく別の聴き方もできる曲なのだが)について,藤井風さん自身による英語での解説と咲希さんによるMVの解説が公開された。これらを聴いてからもう一度公式MVを見直してみると,さらに凄さがわかる。やっぱりこれはグラミー賞を獲れるくらいの作品だと思う。
sinfoniaによる藤井風「優しさ」のカバーも素晴らしい。この曲は『HELP EVER HURT NEVER』に入っているが,sinfoniaのカバーは,本職はベースとビートボックスのShimo-Renさんのリードで他の3人が2声ずつコーラスを付けた複雑な和音が気持ちよくて,オリジナルとは別の良さを感じる。
sinfoniaによる「帰ろう」と「優しさ」のカバー動画に,藤井風さん本人からコメントがついた。藤井風さんって,先日twitterで流れていたsinfoniaの新メンバー募集の条件に当てはまっているなあ……風さんなら新メンバーとして理想的だがなあ……いやまあ,ありえないか(他にも,シンリズムさん23歳とか小山田米呂さん19歳とか,条件を満たしている天才は何人か思いつくが,まあやっぱりありえないだろう)。むしろ藤井風さんの武道館ワンマンライブでsinfoniaがコーラスでコラボならありうるか?
ところで,「帰ろう」で,ああすべて忘れて帰ろうと歌われるときの解放感は,中島みゆきが「傾斜」(1982年の『寒水魚』に入っている)で,年をとるのは素敵なことですそうじゃないですか,忘れっぽいのは素敵なことですそうじゃありませんかと歌うときの解放感に近いのだと気づいたのだけれども,「傾斜」は,それが結局のところ諦念に行き着く展開であるのに対して,「帰ろう」は解脱した涅槃の境地というか,悟って救われる感じがするのが今日的なのではないかなあ。まあ,あの頃の(たぶん今の藤井風さんと同じくらいかやや年上くらいだったと思う)みゆきさんは1976年の『みんな去ってしまった』の「忘れられるものならば」で,忘れられない執着を曲にしていたし(それにしては曲調がさわやかで不思議だったが),そういう時代の空気だったから,若者が悟って救われるという境地はありえなかったのも当然か。「ファイト」でも「世情」でも「断崖―親愛なる者へ」でも,戦う人への共感を歌っていたわけだし。
武道館ライブで披露された新曲「へでもねーよ」と「青春病」も発売後すぐにmoraでダウンロード購入したが,このまったく曲調の違う2曲が無理なく共存するのが藤井風さんの凄さだと思う。まさしく日本のバート・バカラック。NHKは紅白に藤井風さんを呼んで「帰ろう」を歌って貰うべきだと思う。
「旅路」も良い曲だなあ。【報ステ特集】卒業生へ贈る 藤井風さん「♪旅路」で披露されたスタジオライブとMVをとりあえず聴いてみて欲しい。
「旅路」については,風さんの出身高校である岡山城東高校による合唱バージョンが最高に素晴らしい。
2021年9月4日に日産スタジアムで無観客で行われ,無料配信されたライブFujii Kaze "Free" Live 2021 at NISSAN stadiumの動画はアーカイブされていて素晴らしい。これのメイキングのような番組が10月14日の夜にNHKで放送されたが,風さんのYouTubeチャンネルにあるドキュメンタリー映像も併せてみると良い感じだ。
2021年12月31日の紅白歌合戦に出て,自宅から出演みたいな小芝居を見せておいて,実はスタジオにいて2曲目をやってくれたという仕掛けは,かつて,あまちゃんの演出で南三陸からユイちゃんがタクシーでスタジオにやってきて潮騒のメモリーズのパフォーマンスに突入するという小芝居を思い出して微笑ましかったが,大トリのMISIAが「明日へ」を歌い終わった後で,作詞作曲をした風さんがピアノとコーラスで参加する「Higher Love」で締めくくるというパフォーマンスは素晴らしすぎた。
藤井風さんのセカンドアルバム発売が決まったが(moraでハイレゾ版を買う予定……だったが、初回限定盤にピアノアレンジのカバー曲集CDが付いてくると知ったので、それをAmazonで予約した)、タイトル『LOVE ALL, SERVE ALL』について、このtweetを見て、インドの聖人サイババとハードロックカフェを調べてみたら、サイオーガニゼ-ション(日本サイトの説明)の2011年4月24日のイースターにサイババが亡くなったときの弔辞? のようなもの(その日本語訳)と、ハードロックカフェのLiving our mottos(日本サイトでの慈善活動の説明)があった。なるほど、風さんの音楽と活動にはその辺りの博愛思想の影響があるのだな(セクト的な狭い宗教思想ではない点がたぶん重要)。愛と平和のミュージシャンといえばJohn Lennonだが、風さんはレノンよりも意識的にやっているかもしれない。
『LOVE ALL, SERVE ALL』の2曲目に入っている「まつり」のMVの何とも言えないエキゾチックな和洋折衷感が良い。ちょっと椎名林檎的なセンス(例えば「緑酒」のMVにあったような)も感じるが、でもやっぱり藤井風独特で癖になる。
『LOVE ALL, SERVE ALL』の初回盤にはおまけで『LOVE ALL, COVER ALL』というカバーアルバムがついてくるのだが、これがまた良い。「SUNNY」とか「JUST THE TWO OF US」とか最高である。
「grace」はAmazon Musicで買ったが、MVも良いなあ。移動中、スマホに入れた「grace」を何度も繰り返して聴いていたのだが、インドで撮影されたMVの印象と相俟って、涅槃で解脱する歌なんだなあと思わされる。悟った人の歌。
藤井風の新作「Workin' Hard」のMVが出ていることにも偶然気づいて(たぶん台湾で撮られたと思しき、清掃作業員、茶摘み、スクラップ工場作業員、スーパー店員といった、社会の歯車的な、高収入ではないけれども必要な仕事、いわゆるエッセンシャルワークをしている人たちにフォーカスした映像と、You've been workin' hardという印象的な歌詞が繰り返されることから醸し出される癒やし感覚に酔った。たぶん前作「grace」がインドで撮られた必然性があったのと同様、この作品も台湾で撮られる必然性があったのだろう)、moraでダウンロード購入した。
「花」はmoraでダウンロード購入したが、「いちばん好きな花」というドラマの主題歌にふさわしい、優しい人の歌であった。最終回の藤井風さんの登場(4人が長い時間を過ごしてきたリビングに現れて「花」を歌うという登場の仕方は心象風景としか思えなかったが)には驚いた。
2019年結成らしく,まだアルバムは出ていないが,moraで「Fireplace」「Spotlight」「ロングサマー・ブレイク」「夜と夢のはざまで」の4曲をダウンロード購入した。「Stargazer」もダウンロード購入した。
2021年2月2日に26時10分の配信販売が始まったので,早速購入した。
2021年2月20日に「雨の日は映画のように」(リンク先はmoraのハイレゾ版)の配信販売が始まったので購入した。
2021年5月8日に「…恋に落ちたら」の配信販売が始まったので,moraでハイレゾ版をダウンロード購入した。
「26時10分」と「…恋に落ちたら(English ver.)」もmoraでダウンロード購入した。
2021年11月24日にデジタル配信された『Living Room』からビクターのレーベルがついて,いわゆるメジャーデビューとなったのは喜ばしい。moraから購入した。リード曲の「Change the world」は11月3日に先行配信販売されていたので先に買って聴いていたが。
「単焦点」はmoraでダウンロード購入した。
連ドラ「クロステイル」の主題歌「流星群」もmoraでダウンロード購入した。
「クロステイル」は最終回を迎えてしまったが、第2クールができそうな終わり方だった。挿入歌として流れていた「恋標」も配信販売されたので、moraでダウンロード購入した。
TBSの飯田和孝さんの企画で、将来実写ドラマになるかもしれない漫画「私がヒモを飼うなんて」のインスパイアソングとして発表された「雨宿り」も配信販売されたのでmoraで購入した。
「閃光花」のMVは予想を超える良さで、同時に配信販売が始まったのでAmazonでmp3版を買った。
デジモンというアニメのエンディングテーマとなった「Take Me Maybe」はmoraでダウンロード購入した。
2023年3月に発売された、初めてのCDメディアのアルバム『Balcony』はライブDVDがついた初回限定盤を予約購入したが、それが届く1週間前に配信販売が解禁されたのでmoraでハイレゾ版も買った。
2023年7月に配信販売された「夏に願いを」はmoraでダウンロード購入した。
「アイデンティファイ」も「ぼくらが旅に出る理由」(小沢健二のカバー)もmoraでダウンロード購入した。
「フライデーズハイ」「我愛ニー」「花束のような人生を君に」「一難」もmoraでダウンロード購入した。
2024年11月に発売されたセカンドアルバム『Laundry』も、CDも買ったけれども、配信版も買って、スマホには配信版をコピーして入れている。
ハモネプで2020年に優勝したザ・コンティニューズのリードボーカルだったるーかさんと,2019年に出場していたたびとものおかのやともかさんとコラボしたEW&FのSeptemberのカバーを偶然目にしたのが,あまりにも格好良くて,いろいろ調べていたらすっかりハマってしまった。YouTubeのチャネルに膨大なカバー曲がアップロードされている。
東京大学発,とYouTubeチャンネルに書かれているように,東大POMP出身(インカレサークルなので,メンバー全員が東京大学卒というわけではなく,ボーカルの一人の大島真帆さんは青山学院大学卒とのこと)の人たちが卒業して何年か経ってからOB合宿? か何かで再会したときに盛り上がって結成されたそうで,メンバーの多くが社会人で,音楽専業ではない。
Czecho No RepublicやゴホウビやAwesome City Clubみたいな男女ツインボーカルバンドだが,二人の声の強さは他の追随を許さないほどインパクトが大きい。しかもピッチも安定しているし,フェイクも最高だし,リズムを変えてもGroove感が途切れないし,メチャクチャ上手いと思う。独特なハスキーボイスによる歌唱がメチャクチャに魅力的な浪岡真太郎さんは作詞作曲もギター演奏もするし,そのすべてにセンスを感じる。その上,キーボードがクラシックでも大活躍しているピアニストのCateenさんこと角野隼斗さん(開成から東大へという経歴なのだが,ラフマニノフのコンチェルト2番を演奏してコンクールでグランプリをとった圧倒的な演奏力で驚いた。ソロアルバム『HAYATOSM』も買ってしまったが,「奏鳴」から「大きな古時計」に至るまで,大変自由でワクワクする上に超絶技巧な,まるでリストのようなピアニスト)で,変幻自在な演奏にやられた。他の楽器もタイトな演奏で格好良すぎる。
ダウンロード購入できるオリジナル曲はすべてフルバージョン[Official Video]が上述YouTubeチャネルで無料公開されている。
Fireplace(2019年6月18日)とSpotlight(2020年2月8日)は,jazz風味のcity popといった体。格好良いし気持ちいい。ただそれだけではなく,演奏のタイトさも凄い。
ロングサマー・ブレイク(2020年7月18日)は一転して軽快なポップスで,彼らも若者だったんだと思い出した(Hi Cheers!よりは少し年上の,社会人になって何年目かの人たちが学生時代を思い出しているみたいな雰囲気だが)。このMVは楽しい。
夜と夢のはざまで(2019年7月15日)は落ち着いた感じで,仕事の帰り道とか夜眠る前に聴くと雰囲気に浸れる。リトグリの「幸せのかけら」に近い印象を受ける曲。これは本当にスルメ曲で,何度でもリピート再生して飽きない。
早くフルアルバム出ないだろうか。
Stargazer(2020年10月17日)はFireplaceやSpotlightの雰囲気に戻った感じ。冴え渡るツインボーカル。歌詞がまた格好良い。
2021年1月公開の新曲,26時10分は凄い。音源販売が待ち遠しい。しかしこれ,世界に通用すると思うので,海外で先に人気が出るかも。音源を買ってからは通勤中に無限リピート再生している。あまりに格好良い。
Cateenさんのピアノとピアニカの二重奏 - 情熱大陸は最高! Bravo! 天才としか言いようがない。中盤のインプロヴィゼーションでのピアノの速いパッセージに酔った。
「雨の日は映画のように」は,アニメーションMVの雰囲気も柔らかくていい感じ。メロディーの雰囲気は「ロングサマー・ブレイク」系統だが,テンポがゆっくりしているのでリラックスして聴ける。
2021年4月24日にMVが公開された新曲「…恋に落ちたら」も,若干渋谷系っぽくもあるオシャレなラブソングで素晴らしく,販売が楽しみ。
(2021年11月25日のメモ)昨日メジャーデビューしたPenthouseのインタビュー記事。いろいろと共感するところが多い。大原さんの「みんな悩んでも仕方ないことは悩まないタイプなんです」とか。楽曲について,大半の作詞作曲をしている浪岡さんが,ハードロックをやっていた頃の反省から「Penthouseでは,もっとみんなに受け入れられやすい音楽をやりたい」と語っているのもなるほどと思ったが(King Gnuの常田さんが売れるような音楽を戦略的に作っていると語っていたことと一部重なる),ぼくが凄いと思っているのは,あまり指摘されていないが,歌詞の語彙の豊富さで,もしかするとそこが唯一無二なセールスポイントと言えるかもしれない。熟語として天変地異とか諸行無常とかいった非日常の言葉を使うバンドは珍しくないが,例えば「…恋に落ちたら」だと,順風満帆とか閉塞感という言葉が印象的に使われている。もっと驚いたのは「生温い関係のしじまに」の「しじま」という言葉で,たぶん何十年も前に漫画「丹下左膳」で目にした「しじまやぶり」と,JET STREAMの「夜の静寂の何と饒舌なことでしょう」くらいだ。ちなみに,この饒舌という言葉もPenthouseは使っていて,「LONG SUMMER BREAK」で「いつになく饒舌だった君に少し辟易したんだ」という歌詞があるが,「辟易」も歌詞に使われている例は他にないのではないか? 文語的な表現も多く,この「LONG SUMMER BREAK」では「乾き風よグラスを濡らせ」,「Change the world」では「翳りゆく瞳に灯火を」とか「振り向く勿れ」とかいった表現が大変効果的に使われていて,独特な魅力となっている。そういうわけで素晴らしい曲ばかりだし,ツインリードボーカルの歌唱力も物凄いし,演奏もかてぃんさんの鍵盤はもちろんだが,ギターもベースもドラムも切れが良く,最高に素晴らしい音楽なので,昨日ダウンロード購入した『Living Room』を含め,これまで購入したすべての曲を移動中は無限リピートしているのであった。
『Living Room』には新曲が2つ(「Alright」と「あなたゆずり」)が入っているが,これらも含めて1曲ずつテイストが違っているのが凄い。「あなたゆずり」など星野源の作品と言われても違和感がないほど。
「あなたゆずり」は結婚式での娘から母に向けての想いを歌っているので,てっきり作詞は真帆さんだと思い込んでいたが,アニメMVが公開されたので何気なく情報欄を見たら,大原さんの作詞だったのには驚いた。彼らの凄い才能には驚嘆するばかりだ。
2021年12月31日の紅白歌合戦では上白石萌音が歌うときに角野さんがピアノ伴奏で登場したが,2022年はPenthouseでの出場となるのも夢ではないと思う。
日付が変わって2月9日になるのと同時にPenthouseの新作「単焦点」のMVがプレミア公開され、配信販売も始まったので、moraでダウンロード購入した。とりあえず第一印象をメモ。ピアノソロと終盤のリードボーカル2人の複雑な絡み方がMVの映像の切なさとシンクロして響く。カラオケでは歌えなそうな難しい曲だが、King Gnuの白日も売れたことを考えると、売れても良いよなあ。今回も語彙の豊富さは際立っていて、「諦観」というあまり歌詞では目にしたことのない言葉が効果的に使われていて印象に残った。それにしても、何度も聴いていると、「余白の街を無碍に写しても」とか「I fake me」とかキラーワードだらけだな。それと同時にメロディーとテンポの複雑な良さが癖になってきて、何度でも楽しめる。
浪岡さんがtweetしていて知ったが、Penthouseの「単焦点」を耳コピでピアノカバーしている小学生がいて凄い。浪岡さんのtweetをたいせーさんがRTしていたので、カトレア・ハチコセッションとかアレンジしてくれたりしないだろうか。
「流星群」は女優さんを使ったMVも力が入っているが、ドラマ『クロステイル』の初回のクライマックスで流れたときの雰囲気が大変に良かった。けれども、やはり演奏動画が欲しいなあ。The First Takeとかでやってくれると最高なんだが。ちなみに「流星群」の出だしの「何百回途絶えたストーリーも まだ終わっちゃいないのさ」のメロディとリズムは、「…恋に落ちたら」の出だしの「いつだって順風満帆な 二人でいられたらいいのに」と対応していて、テンポを変えて同時に流したらハモるんじゃないかという気がした。歌詞の内容も何となくアンサーソング的であるように思う。
「恋標」は、当初YouTubeで流れていたteaserの印象ではエコーが強すぎる気がしたが、配信販売されたフルバージョンはそこまで強いエフェクトは掛かっていなくて、いつも通りのPenthouseで良かった。MVはバンドの演奏がたくさん映っているのが嬉しかった。
「雨宿り」のMVは演奏動画で最高。英語字幕付きなのだが、これたぶん自動翻訳ではなくて、ちゃんと英語詞を考えているのだよな。「温もりに跳ねた恋のしぶきに惑う胸」なんて日本語詞も凄いが、それを"The spray of love bounces with that warmth"と訳すことは機械翻訳では無理だと思うし、「さよならは聞きたくないの」が"I don't want to hear any good-byes"になるのも、英語の方がニュアンスがわかる表現になっていて素晴らしい。相変わらずボーカルも演奏も凄いのだが、この曲は何と言っても細かく変化するメロディラインが、「駆け抜けた通り雨」の間に雨宿りをしながらくるくると変わるヒロインの心理状態を暗示しているように思われて、神業としかいいようがない。東名阪ツアー大阪会場申し込んだので、当たると良いなあ。→無事に当選したので、彼らの演奏を直接楽しめることになった。
2022年10月25日深夜、日付が変わるのと同時にPenthouseの新作「閃光花」のオフィシャルMVが解禁されたので視聴し、同時に配信開始されたのでAmazonでmp3版をポチった。「閃光花」のMVの感じって、あれだ、かんぽのCFでのんさんがやっている「人生は夢だらけ」を思い出すんだな。Cateenが荷台で演奏しているのは、演出の都合というよりも、むしろロジスティクス的な理由で別録りせざるを得なかったのかもしれない。考えすぎか。閃光花(Official MV)の広まり方がこれまでにない感じなので、もしかしたら、この曲でいよいよPenthouseがバズるかも。ぼくもあまりにハマりすぎて、移動中もダウンロード購入した音源をスマホでずっとリピート再生しているし、このMVも毎日数回は再生してしまう。
2022年11月6日、大阪でのライブに初参加。ホールとしては小さめだが音響も照明も良く、極上のライブパフォーマンスに酔いしれた。アンコール曲は撮影OK、SNS掲載OKとのことで、多くの人が動画を撮っていたようだが、ぼくは静止画を何枚か撮って撮影を止め、ライブを楽しむことにした。そもそも後ろの方の席からスマホのカメラだし、別に自分で撮らなくても誰かが上げてくれそうだし。グッズを買おうかと思ったが、あまりに長蛇の列だったので諦めて帰途に就いた。しかしライブで元気を貰ったので、帰ったら仕事の続きができそうだ。
2023年1月10日深夜、日付が変わってからPenthouseの新曲「Take Me Maybe」(リンク先はYouTubeのOfficial Audioで、英語字幕もついているし、固定コメントとして歌詞が全部載っているという太っ腹さは素晴らしい)の配信販売が始まったのでmoraで購入してスマホに入れた。とても爽やかで、ちょっと甘酸っぱくて、そこはかとなく昼下がりの香りがする佳曲。甘酸っぱい感覚は、Cateenの切ないイントロから「始まりと終わりが待ち合わあせて」という入りの叙情性にいきなり持っていかれるのが鍵だな、きっと。浪岡さんは「…恋に落ちたら」など曲をキャッチーにするためにサビ入りのイントロにする(リンク先はnoteでの本人による作曲解説)ことも多いが、この曲の場合は敢えて違うパタンにしたのだろう。サビ後の矢野さんのギターソロがすごくハマっている。「いたいけなあの頃」とか「夕日が放射線を注ぐ」とか、相変わらず歌詞の語彙の豊富さが凄い(たぶんデジモンのエンディングテーマということで抑えてはいるのだろうが)。サビの「だからtake me maybe どこかの知らない街へ」の展開が何か懐かしい気がしたので、「うさぎのダンス」のリズムとか「Everything」のイントロとか「渚にまつわるエトセトラ」の落ちサビとか、いろいろ考えていたのだが、「シラシラソファソファ」という主メロの音階で検索したら、この記事がヒットして、自分の脳裏に流れたのが山下達郎「さよなら夏の日」のイントロだったことがわかった。だから懐かしさを感じたのか。しかし「Take Me Maybe」はそこからの展開が神業で「さよなら夏の日」の寂寥感とはむしろ真逆な爽快感に満たされるので、もちろん新しくもあるのだが。アウトロのピアノがまた良くて、もう一度聴きたくなってしまう。これは明日から通勤時にUSB Audio Player PROで無限リピート再生だな。ちなみに、知らなかったが、PUFFYは『PRMX』というセルフカバーリミックスアルバムを出していて、その中で「渚にまつわるエトセトラ」は「Take me to the disco」というサブタイトルを与えられて、短いイントロに続いて落ちサビ部分が何度も繰り返されるという構成になっているのだった。これはひょっとすると意図的なオマージュ?
『Balcony』のリード曲「蜘蛛ノ糸」は、ついに実写ドラマ化された「わたしがヒモを飼うなんて」の主題歌になって、Music Fairで演奏したことで世間に知られるようになった。発売日のYouTubeライブが素晴らしかったが、中でもまるでDreamers Union Choirみたいなパワーコーラスが映える「Live in this way」、土岐麻子さんの歌詞にマッチした軽やかな楽曲「Slow & Easy!」、とてもJazzyでオシャレな「Something Stupid」がそれぞれとても気に入った。ライブでのフェイクや楽器のアドリブがまた素晴らしい。ライブツアー行きたいが、大阪は水曜夜で講義をしなくてはいけないのでチケット応募できないのが残念。
配信販売と同時にMVも公開された2023年夏の新作「夏に願いを」は、「ロングサマーブレイク」以来のどストレートな夏うた。しかも甘酸っぱいラブソング。こういうPenthouseもありだな。
2024年6月10日のオリックス劇場でのライブは素晴らしかった。いろいろと締め切りに間に合っていないので罪悪感はあったが上質な音と光の洪水(絶妙な照明が醸し出す浮遊感が素晴らしかった)を堪能してきた。オリックス劇場は何度も行っているが、こんなに音響良かったっけ? とくに矢野さんのギターの音色に驚愕した。今回もコーラスは安定のるーともで、新作「ハローグッバイ」が宣伝されていたので、帰宅後にmoraで購入した。
2024年11月に発売されたアルバム『Laundry』は、構成が絶妙で、何度リピート再生しても飽きない。新曲「Raise Your Hands Up」と「Whiskey And Coke」は、前者はパワーコーラス、後者はブルース感が強く、シングル曲にはならないだろうが、アルバムにこういう曲を入れてくれるのも彼らの良さ。
公式YouTubeチャンネル,公式twitter,公式ウェブサイト
moraの配信で『ナギービートで唄わせて』『Dramatique』を購入した。「タピオカのうた」「楽器が買えないわけじゃない」「ナギービートで唄わせて」といった曲たちに痺れていたが,最近単一曲として配信販売された「ヴィーナス・ルージュ」と「あのね、」で新境地が開かれた。「I need you here. (feat. ASOBOiSM)」もmoraの配信で購入した。
2021年7月21日に配信が始まった「愛以外に用はない」は9月に決まったメジャーデビューアルバム『Interview』からの先行配信販売だが,当然買った。
2021年9月22日にメジャーデビューアルバム『Interview』が届いた。
ゴスペラーズの黒沢薫さんをプロデューサーに迎えた『アマクテ、ニガイ』はmoraでハイレゾ版をダウンロード購入した。
「ふらぺちる」はmoraでダウンロード購入した。
メジャー2ndアルバム『待ってこれめっちゃ良くない?(Deluxe Edition)』はCDを購入した。
渋谷系のオシャレさと高度なハーモニーの融合(たぶん字ハモ以上にビートボックス的なスキャットによるハモリに拘ってやっていると思う)。とにかく大変気持ちいい音楽。LEMONed I Screamのカバーのセンスとか最高である。
グループとしては2019年のハモネプで知ったが,メンバーのブリジットまゆさんは,かなり前からGaudy Junkのボーカルとして知っていた。独特の声をもっていて,中大杉並のYouTubeチャンネルで公開されている「白昼夢」とか「Bitter Sugar」が名作だったので,Nagie Laneで再び声が聴けて嬉しかった。
ベースのがっくんが脱退したのは残念だったが,それ以降に発表された「ヴィーナス・ルージュ」や「あのね、」ではサポートベースとしてINSPiの圭介さんが入っていて,ハモリの質は維持されている。ただ圭介さんにはリトグリのコーラスディレクターの仕事やINSPiがあるので,正式加入とはならないだろうが。
2021年1月の新曲,「I need you here. (feat. ASOBOiSM)」は,ラップのASOBOiSMと組んで作られた曲で,ある意味渋谷系の延長線上ではあるのだが,また新しい魅力が開かれたともいえる。
2021年4月4日深夜というか,関西では4月5日1:00からの関ジャムで,ゴスペラーズと一緒に出演してアカペラの世界を堪能させてくれた(オリコンの紹介記事)。バラッチさんが入ったVOXers,最高だった。放送後SPライブでショートバージョンを聴いた,ゴスペラーズ黒沢さんがプロデュースしたということで2021年2月に発表されていたSmile Againもとても良い曲だが,2021年4月5日現在,まだ発売がいつなのかわからない。関ジャムでも言われていたように,いろいろ新しいことに挑戦しているのがNagie Laneの1つの特徴と思うが,やはり2021年4月4日に公開されたキズナアイコラボの「Dinggaから始まるMAMAMOO Medley」も,知らない曲ばかりだったが新しい挑戦には違いない。
2021年7月20日の大ニュース。Nagie Laneが9月22日にアルバム『Interview』でメジャーデビューとのことでめでたい。新加入したBassのEuroさんはがっくん脱退後,吉田圭介さんがヘルプに入ったとき以外はずっとサポートベースをしてくれた方だし,keijiさんは超名曲「あのね、」の作詞作曲や「ヴィーナスルージュ」と「花と蜜」の作曲をされた方なので,もう気心が知れている間柄だろう(関ジャム放送後SPライブにもお二人とも参加していたし)。たぶんメジャーデビューを契機にメンバーの呼び名を小文字アルファベットで統一することにしたようで,ビルボードジャパンの記事では,バラッチさんがbaratti,れいちょるさんがrei,ブリジットまゆさんがmayu,mikakoさん(発音は「みきゃこ」だったが)はそのままmikakoという表記になっていた。実は『Interview』のラストを飾っているのが「あのね、」だというのも良い構成だと思う。
帰宅するとNagie Laneのメジャーデビューアルバム『Interview』が届いていたので,早速リッピングしてスマホに入れよう。関連情報として,リード曲「2021」のMVもメジャーデビュー記念YouTube Live動画も(この中でも「2021」のライブ歌唱があったが,MVとはちょっと違うアレンジで,これはこれで最高じゃないか?)素晴らしいが,このインタビュー記事が音楽的なルーツなども含めて大変興味深かった。ただ,reiさんの3000kHzはmikakoさんがすぐに3kと返しているからボケなのか,実は3000Hzと言ったのに誤植でkが入ってしまったのか気になった。しかし3kHzといえば,ほぼフルートの最高音なので,そこを強化するって凄いな。
『アマクテ、ニガイ』は、reiリードの「Smile again」、mikakoリードの「Whatcha gonna do」、mayuリードの「Dream of me」と、三者三様の良さが存分に発揮されていて、それを支えるコーラスとベースとビートボックスがシュアで、相変わらず素晴らしかった。
「ふらぺちる」のMVは、パリピっぽくて明るくて、これはあれだ、Mighty Mouse feat. Soyaの「Fiesta」のMVの雰囲気だな(パリピっぽくてもダークだとRIP SLYMEの「熱帯夜」になるが、Nagie Laneは健全なので、青少年にも安心して薦められる)。しかし相変わらずアカペラとは思えないほど音数が多くて、それでいてちゃんとハモっているのが良い。MVにはNew Schoolerにいた、ばやしさんが出演していて驚いた。
2ndアルバムも相変わらずオシャレ。ラップも良い。Nagie Laneの2ndアルバムについてのインタビュー記事があった。後で読もう。
reiさんとeuroさんが2023年夏で脱退するのはとても残念だが、仕方がないか。
まだグループとしてのオリジナル曲も発表されていないし(メンバーの中にはソロでオリジナル曲の配信やCD販売をしている人もいる),カバーもハモネプコンピレ-ション(「Pretender」が入っている)しか販売されていないが,そのうち間違いなくメジャーになると思っているので項目を作ってしまった。
が,後述の通り,大変残念なことに,2021年3月31日をもって解散してしまった。逆説的に言えば,今後もう二度とこんなに凄い学生アカペラグループは現れないのではないか,という意味で,sinfoniaはLegendになった。
2020年夏のハモネプで知った。2021年1月現在,まだ学生のグループなのだが,全員がセンスとテクニックの塊で,ピッチもテンポもパーフェクトなので,リードもハモリもハイレベルでこなしてしまえる天才集団。彼らがカバーする曲は,オリジナルより好きになってしまうほどである。ハモネプの決勝で歌っていた「いとしき日々よ」は,たぶんフルコーラスできたら優勝しただろうと思う。平井こうすけさんがいた頃のPop Virus,Pretender,いのちの理由なども大変良いし,平井さんが脱退して4人で楽器を入れてやっていたときの春を告げる(ももんぬリード),115万キロのフィルム(じんせいリード),優しさ(Shimo-renリード),Mela!(早希リード)も良いし,新メンバーとしてまさたかさんが加入した記念にリードを取ったのだと思われるWasted Nightsも,それ以降の糸,虹,Seasons of loveも素晴らしい。リトグリがfeat. Pentatonixで作った「Dear My Friend」は譜面が公開されていてカバー歓迎となっているので,sinfoniaによるカバーを聴いてみたい。→(2021年1月16日追記)願いが叶った!!!!! なんて素晴らしいカバーなのだろう。欲を言えばShimo-renが思いっきり独自アレンジをかましてマッシュアップも入れたバージョンも聴いてみたいが
メンバーは以下の通り。Shimo-renが他のメンバーをスカウトしてできたグループらしい。今のYouTubeアカペラ界は,あまりメンバーを固定せずセッション的にパフォーマンスをすることが普通らしく,彼らは別々に,ある時は一緒に,PLUS UNISONとかALLOWL(ALLOWLはオリジナル曲がある。(2022年4月15日追記)ALLOWLのオリジナル曲「フクロウ」最高では? 『TAKE WINGS』もmoraで購入したので、スマホにコピーして明日から移動中に聴こう。『TAKE WINGS』の2曲目「素敵」は、あの24時間耐久新曲作りで「はっくまーい、さいげんなーい」を何度も録り直していた、あの曲だなあ。素晴らしいじゃないか。ハモネプファンならば、sus4でザ・コンティニューズのたいせーさん、ザ・コンティニューズのるーかさん、たびとものおかのやともかさん、sinfoniaのShimo-renさんと早希さん、ハモネプ全国大会には出ていないがアカスピでは優勝していたケミカルテットのけんとさんという6人のメンバーはよく知っているだろう。『TAKE WINGS』の3曲目には元sinfoniaの雅貴さんとじんせいさんも参加しているので、去年解散してしまったsinfoniaのファンならば買うしかないと思う)とかSing Along! Projectなどに参加しているが,たぶん今のところコアになるのがsinfoniaで,メジャーデビューもsinfoniaとしてのものになると思っている。
(2021年2月25日の悲報)突然の解散宣言に絶句。一人一人個性も才能もある人たちだから,何らかの形で彼らの音楽は世に出ると思うが,sinfoniaとしてでないのは残念。
2021年3月31日22:00(をちょっと過ぎたが),解散前の最後のパフォーマンスにして最初のオリジナル曲となった,ももんぬ作詞作曲,Shimo-ren編曲の「届け」がYouTubeでプレミア公開されたのをリアルタイム視聴した。詩も曲もハーモニーも最高としか言いようがない。どうしてもこのまま解散してしまうのは惜しすぎる。せめてこれまで公開してきたカバー曲とこれを合わせてCDか配信で音源を販売してくれないだろうか。
2022年12月10日にShimo-Renさんと早希さんが入っているALLOWLのライブがあり、ツイキャスで配信されるので視聴予定。
配信で『CHOCOLATE』と『HOUSE』を購入した。
2021年4月30日をもって解散してしまったのが残念過ぎる。
全員歌えるし,楽器も上手い。とくにリズム隊が凄い。カバー動画を聴いているとアレンジのセンスもあると思う。「FULL HOUSE」など聴くと,作詞作曲もセンスあると思う。sky & blueの英語版とMake You Happyのカバーと「アルクアラウンド」のアコースティックカバーを見るとハマる。
Play.GooseやGIRLFRIENDが"Make you happy"をカバーしていたが,こんなに格好良い曲だったんだ,という驚き。Gooseのマナミさんのアコギと,くどしゅう,わっしゅうのハモリも素晴らしいが,GIRLFRIENDのベースとエレキギターとドラムのアレンジが凄い。
GIRLFRIENDはリトグリの「好きだ。」のカバーで認識はしていたが,その後フォローしなかったのは失敗だった。オリジナル曲のsky & blueの英語版とベースのMINAが作詞作曲した「FULL HOUSE」に痺れて『HOUSE』を買ってしまった。YouTube動画へのコメントに海外からのものが多いので,BABYMETALみたいに海外から売ったら良いのでは。
作詞がボーカル&ギターのSAKIKA,作曲がギター&コーラスのNAGISAという「聞いてほしいこと」も良かったなあ。
2021年4月30日,突然解散してしまって呆然とした。いいバンドで,これからが楽しみだったのになあ。最初に書いた通りリズム隊は超絶レベルなので,何らかの形で音楽は続けてくれるだろうけれども。
ベース&コーラスだったMINAはソロでYouTubeチャンネルを持っていて,【歌いながら弾いてみた】ミックスナッツ / Official髭男dism さん -SPY FAMILY-(これベースとボーカルだけでなくバッキングも全部自分で演奏してミックスするという,Jacob Collierみたいなことをやっているのだけれども,これだけ複雑なベースを笑顔で弾きながら歌ってしまうのは凄すぎて圧倒される)とか【SPY×FAMILY -OP-】ミックスナッツ / Official髭男dism さん -Bass cover-は凄いので必聴。注目バンド×気鋭ジャズピアニスト×実力派女性ベーシスト『Plastic City』I Don't Like Mondays. / 大林武司 / MINA【熱帯夜に聴きたいシティポップ①/5】とかYouTubeで人気沸騰!実力派ベーシストMINA×I Don't Like Mondays. 『AITAI』【熱帯夜に聴きたいシティポップセッション②/5】みたいなセッションを積極的にやってくれると嬉しい。事務所はテレビ朝日ミュージックのようだ。
ギターボーカルのSAKIKAさんとドラムコーラスのMIREIさんが組んだ(と明記されていないが、声も目出し帽から見えるビジュアルも、このお二人に違いない)、COCOというバンドが2022年暮れから始動していたことに2023年6月に気づいた。レトロテクノな感じ? ちょっとコズミック・インベンションを思い出させる。
『WE ARE ゴホウビ』『脱ぎ散らかした服の下』という2枚のミニアルバムをmoraからダウンロード購入した。その後次のアルバムを待っていたが,2021年2月のオンラインライブで,アルバムに予定していた曲を毎月1曲ずつ配信することにした,という発表があったので,既発表の「ワハハハッ!」「ラムネ」「そんな気がした」の3曲をmoraでダウンロード購入した。
毎月配信の第1弾「僕のリモコン返して」を2021年4月10日に,第2弾「LIFE」を2021年5月15日にmoraでダウンロード購入した。配信が始まって暫く経ってからOfficial MVがYouTubeに載って,そこでやっと配信が始まっていたことに気づいて購入,という形になってしまっている。
その後も「NATSU DE SKA」,「いつまでもそばにいたいなら」とmoraでダウンロード購入している。
「壊れたシャワー」もmoraでダウンロード購入した。「ラーメン」「終電」「揺らめくNight&Day」「XYZ」はmoraでハイレゾ版をダウンロード購入した。
12ヶ月連続配信リリースのラストを飾る「ハート」もmoraでハイレゾ版をダウンロード購入した。
13ヶ月目にもリリースされた「NO RAIN, NO RAINBOW」もmoraでハイレゾ版をダウンロード購入した。
2022年8月、久々に配信リリースされた「友達だったよね」はm4a版をmoraで買った。
2023年1月11日に、1月18日に新作「好きな服」がポニーキャニオンというメジャーレーベルから配信販売されるという告知があった。いよいよ待望のメジャーデビューとなってめでたい。moraで購入した。
2023年2月8日、メジャー2作目となる「kissしよ」の配信販売が始まったのでmoraで購入した。
メジャー3作目で関テレのドラマ主題歌にもなったらしい「一糸まとわぬアイを見せてよ」が出ていたのは見逃していたが、7月になって新作「なんぼのもんじゃい」が出たときに気づいたので、あわせてmoraで購入した。
「pantomeim」のMVを見たとき,YouTubeがお薦めしてきた,ゴホウビというバンドが素晴らしい。とくに「ごきげんなLOVER」は最高(1ヶ月前に歌の意味を知りたいというコメントを英語でつけている人がいたので,歌詞を適当に英訳して勝手に「返信」してしまった)。希望学で有名な玄田有史君がお年寄りに人生を振り返って貰ったときに「まずまず」と言われたのが良かったという話(だったと思う)をしていたが,それと似た感覚でいいんじゃないかと思わせてくれる曲。Take it easyというか,Don't worry, be happyというか。もちろん現実逃避ばかりではいけないのだが,現実に向き合いつつもあんまり悩みすぎずに毎日を楽しもうよ,という感じ。ミニアルバムが2枚配信販売されているのでmoraで買ってしまったが,SAWAとYUKIの中間くらいの軽やかな声の女性ボーカル(スージー)と,基本的には突撃ダンスホールを思い出させる甘い声なのだが,時々小田和正のような切なさを醸し出す男性ボーカル(Cody)のバランスが最強。メロディにもリズムにもいろいろ幅があって楽しい。男女ツインボーカルというとCzecho No RepublicとかAwesome City Clubが思い浮かぶが,ゴホウビも含めて,なぜか全部オシャレで美男美女ばかりな気がするのは偏見だろうか?(その後知ったPenthouseにも当てはまるが)
いろいろ聴いていると,Drumsとコーラスのむんちゃ,Bassの405(シンゴ)とのバランスの良さにもハマり始める。自然体な感じがひたすら心地良いし,「ごきげんなLOVER」みたいなアッパーチューンな曲は元気が出るし,仕事のBGMに最高かも。
「LIFE」のMVは好きだなあ。マグカップ上で線画がアニメーションになっているのがオシャレ
「NATSU DE SKA」のMVも,もう最高としか言いようがない。「夏らしいアッパーチューンなSKAで最高。MVではメンバーがピエロみたいな格好で管楽器も吹いているようなシーンが出てくるが,何となく玩具っぽいので,ブラス演奏はサポートなのかな。海と青空という背景が映える曲調だがちょっとヘタレっぽい歌詞もゴホウビらしくて好きだなあ。というわけでmoraで買う」とtweetしたら,key&voのスージーさんが「いいね」してくださって感激した。
「壊れたシャワー」のMVは,Drumsとコーラスのむんちゃがショートヘアにする様子のドキュメンタリーみたいな不思議な映像だった。曲はどことなくAORっぽい。
「ラーメン」のMVは、ゴホウビには珍しいアンニュイな感じ。「終電」のMVはたぶんラブホで撮ったんだよなあ? と思われるアダルトな感じ。サビの後のキーボードが良い味を出している。終電というと、パスピエ「最終電車」や、竹澤汀「最終電車」はどちらも最終電車で恋人と離れていく寂しさを歌った名曲なのだけれども、ゴホウビの「終電」が最終電車をこう捉えるのは、ツインボーカルならではだなあ。「揺らめくNight&Day」もアンニュイな感じの曲だが、夏生さえりさんの作詞とのこと。「XYZ」のMVは前衛的というか、例えばSnap Cameraで顔を加工した各メンバーの動画をSqirlz Morphで繋いで作るモーフィング動画みたいな雰囲気。曲は格好良いし印象に残るサビは、やはりツインボーカルならでは。
「ハート」は曲も良いが、MVがまるで出来の良いショートムービーのようで、心温まる傑作であった。
「NO RAIN, NO RAINBOW」は、西武ライオンズの試合の中継番組のテーマ曲とのことだが、たしかにCBCでドラゴンズの試合の中継番組のテーマ曲として使われたLisaの「マコトシヤカ」同様、野球に合うアップテンポな曲だと思った。しかしそれ以上に、「雨が降らなければ虹も出ない」という、逆境を未来に向かう力に変える考え方が素晴らしいし、それを歌い上げるスージーさんの声に励まされる。MVも良い。
「友達だったよね」は切ないバラードで最高。夏の終わりにぴったりな佳曲。リリックビデオも良い。
2023年1月11日の大ニュース。メジャーデビュー決定(ポニーキャニオンからデジタルシングル「好きな服」が1月18日配信販売開始)はめでたい。公式サイトも大幅にリニューアルされた。新しいアー写がいい感じ。前から思っているが、Drums/Chorusのむんちゃって、リトグリのMAYUと雰囲気が似てるんだよなあ。
「kissしよ」は配信販売開始日にYouTubeでMVも公開された。「好きな服」のMVと同じく暖色系のアニメーション。
「なんぼのもんじゃい」のMVも良いなあ。相変わらずの気負わない自然体、Codyさんの心地よい声とスージーさんの突き抜けたハイトーンの絶妙なバランスがなんとも言えない味を醸し出していて、何度聞いても飽きない。
『GLEETINGS』『GLEETINGS OF WINTER』
2022年3月18日に出るはずの『PRISM』も購入予定……と思っていたら、2月18日に発売済みだった。moraにはなかったので、Amazon musicでダウンロード購入した。「ファーストフルアルバム」と銘打っている割に下記の通り再録も多いので、どうもSONYは彼らに対する力のかけ方が足りないのではないかという懸念が拭えない。もっと本気で売れば売れる人たちだと思うので残念。
2022年10月1日に配信販売された「A Good Day」もmoraにはないのでAmazon Musicでダウンロード購入した。
2023年3月発売の『7th Chord』はタワレコで予約購入した。
「Reverse」と「Let's Sing!!!!!!!+」はmoraでダウンロード購入した。
素晴らしいハーモニー。まさにグループ名通り。YouTubeチャンネルで多数公開されているカバー曲はどれも素晴らしい。
「浪漫飛行」のカバーが衝撃的だったが、その後、女性メンバーが遥海さんから早希さんに変わったMONGOL800のカバー以降、より実験的かつPOPな感じになって、SONYは彼らをどうするつもりなのだろう? と思っているうちにメジャーデビューした(なお、メンバー構成は流動的、と当初から書かれていたし、メンバーのうち何人かはSMEのアクターズマネジメント部に個人としても所属しているが、早希さんは個人としては所属していないので、いつ抜けても不思議はないと思っている。レーベルとしては同じソニーなのでリトグリに移籍した方が良いと思う)。まだ若干方向性が見えないが、期待は大きい。
『GLEETINGS』は、Amazonでダウンロード購入してスマホに入れてリピート再生しているが,「Rydeen~Technopolis」と「クリスマス・イブ」は,アカペラの極北というか,声でここまでできてしまうのかという驚異的な作品。ただ,これをもし早希さんとNew Schoolerでカバー(カバーのカバー)したらどうなるか,聴いてみたい気がした(追記:が,New Schoolerが解散してしまったので,残念ながら叶わぬ夢となった)。
さて『PRISM』だが、MINMI書き下ろしの「24色の夢」は、MVもそうだがライブでタオルを振り回すようなテンションが上がる曲で良い。「小さな恋のうた」「たぶん」「I Believe」は『GLEETINGS』に入っていたものの再収録、「Reason」も『GLEETINGS OF WINTER』1曲目の再収録かと思ったら1秒違うので、もしかすると新録音かもしれないが、アレンジは同じだな。「出逢った頃のように」「今宵の月のように」「Diamonds」「TOMORROW」は有名な曲のカバーで新録。「Sisters」と「I'll Be」は初めて聴いたのでオリジナル新作なのかもしれない。ちょっとK-POPっぽいので、K-POPのカバーなのかもしれない。どちらもなかなか良いのだが、検索しても情報が見つからないのでわからない。とはいえ、この『PRISM』の白眉は、何と言っても、チャットモンチーの大傑作「ハナノユメ」のカバーである。アカペラの力強さが高橋久美子の詩に合っていて、オリジナルとはまったく別種のメッセージをもって迫ってくる。「ハナノユメ」のMVを作って欲しいところ。
「A Good Day」は2022年10月1日にOfficial Music Video公開と同時に配信が始まった。LHIメンバーの多くが出演しているwebドラマ僕らのあざとい朝ごはんのテーマ曲。AメロがKPOPみたいだが、途中から良くなってくる爽やかな曲。相変わらず早希さんの透き通った高音は最高だが、せっかくLHIがやるのだから、もっとハモって欲しいかなあ。動画は早希さんがチャリで来たところが個人的にツボであった。PenthouseのLong Summer Breakと似たような映像の雰囲気もありつつ、こっちの方がより若い感じ。実年齢は早希さん以外はPenthouseとそう変わらないと思うが。
2024年暮れ、年内で解散という発表があった。結局、SMEは彼らをうまくマネージメントできなかったということと思われ、残念でならない。早希さんの才能はもっと世に知られなくてはおかしいので、誰か強力なプロモーションをしてくれないだろうか。TOMOOさんにだって幾田りらさんにんだって負けてないと思うのだが。
『Stronger』『ROSE&REAL』をmoraでダウンロード購入した。
お姉さんが鈴木友梨耶(YuRiyaさん)、妹さんが鈴木真梨耶(MaRiyaさん)という、リアル姉妹ユニットで、ロザリオと読むらしいが、何と言っても姉妹だけあって声質が調和した素晴らしいハーモニーが魅力。
知ったきっかけは、YouTubeの「お薦め」による1人でリトグリ!?【#歌う鈴木妹】Jupiter/Little Glee Monster covered by MaRiya from ROSE A REALであった。MaRiyaさんの声質や歌い方はリトグリというよりも平原綾香のJupiterに近いように思うが、いずれにせよ素晴らしいパフォーマンスであった。
そこから姉妹ユニットROSE A REALでやっているチャンネルを漁ったら、カバーやオリジナルも素晴らしく良くてハマってしまった。
Listenは、これまで遥海さんのカバーが最高だと思っていたが、これも別の味があって良い。最後の落ちサビが入っていないのは残念だが。
Make A Wish Upon A Starがあまりにも良かったので、moraでこの曲が入っているミニアルバム『Stronger』を買ってしまった。ところで、妹さんは8月1日時点で満25歳未満だったのだなあ。このタイミングでこのカバーを公開するというのは、もしかするとM∞nster Auditionに応募したということだろうか? この感じだと姉妹ユニットを解消してリトグリへというのはあまりなさそうな気もするが。
というわけで(?)、ROSE A REALのYouTubeでの無観客生配信ライブを視聴しているが、十数人しか視聴者がいないのが勿体ない良いライブ。姉妹だけあって声質の相性が良くてハモリがメチャクチャきれいだし、オリジナルの歌詞もメロディも良い曲が多い。しかもダンスもできるという。
ドラゴンズの試合が終わってライブ視聴に集中できる状態になってからの英語詞の新曲(音源販売が待ち遠しい)も良かったしエンディングの星に願いをも良かった(個人的には英語版の方が好きだが)。衣装着替え中に流れたペヤングの歌も良かったが(CMNowの取材記事によると自主製作らしい)、あれは音源販売はないのだろうか。久々にペヤング食べたくなってしまった。あさまゆと同学年のMaRiyaさん、逸材だよなあ。まあ、お姉さんとのハモリも捨てがたいが、この人がリトグリ新メンバーになったらガオラーの皆さんも受け入れると思う。もっとも、THE TIMEで一瞬映った三次審査に残った14人の写真にはなかったので、残念ながら応募しなかったのだと思うが(もし応募していたらハモリを含めて歌もダンスも合格しないはずはない高水準なので、応募していないのだと思う)。(2022.9.8)
ライブで歌っていたオリジナル曲の中に知らない曲がいくつもあったので、『Stronger』の他にも配信販売されている音源があるのではないかと思ってmoraを再び見てみたら、『ROSE&REAL』があったのでダウンロード購入した。「LA LA LOVE」「who I am」「ROSE」「clap」「again」「Thank you」の6曲入り。
昨夜のROSE A REALのライブでペヤングの歌を聴いたことで食欲がペヤングに引っ張られていて、昼はスーパーでペヤングを買ってこようと思っていたが、名谷キャンパス近くのスーパー万代には超大盛と超大盛ハーフ&ハーフ激辛しかなくて諦めた。「ペヤング」は特定の食べ物へ愛がド直球で歌い上げられている(ROSE A REALの歌詞はわりとド直球なものが多くて、「heartbeat」も物凄くド直球なラブソングだ)曲で、聴いたときにすぐに思い出したのは、TWEEDEESの「プリン賛歌」とNagie Laneの「タピオカのうた」だったが、もう少し遡ってみると、川本真琴「やきそばぱん」、飯島真理「ブルーベリージャム」、最近だとALLOWLというかるーかさんの「素敵」もそういうテーマだな。いや「素敵」は食べ物というより食欲の歌なので、特定のこの食べ物が食べたい、とはならないか。(2022.9.9)
配信ライブで披露されていたROSE A REALの新曲「Cast Spell on You」のサビのshort動画が公開された。フルバージョンの配信販売が楽しみ。(2022.9.11)
元々、AVEXがやっていたアイドルオーディションで選ばれたCheeky Paradeというグループのメンバーとして2人とも活動していて、Cheeky ParadeのうちMaRiyaさんを含む2人がパフォーマンス向上を目指して活動を休んでアメリカ留学している間にCheeky Paradeの解散が決まったようで、高校を卒業して帰国したらすぐに解散ライブがあったらしい(YouTubeに3時間近いライブを丸ごとアップロードしている方がいたが、今のROSE A REALのパフォーマンスとはまったく違った、まあアイドルらしいものだった)。解散後に姉妹2人だけで結成したのがROSE A REALということのようだ。2021年4月10日から、TWIN PLANET ENTERTAINMENTという事務所(バラエティタレントやモデルが多くて、アーティストとしては新しい学校のリーダーズしか知らなかった)に所属したらしい(が、なぜか所属タレント一覧ページには掲載されていない)。本人たちの作詞作曲による楽曲も、美しいハモリが特徴的なパフォーマンスも素晴らしいので、アイドル時代のことは忘れて、もっとシンガーをプロモートしている事務所に所属して本格派のアーティストとして活動する方が向いているんじゃないかという気がしないでもない。
『Adagio』『All for you』『C'est la vie』『Dream Dancing』『Jazz Waltz』『LIMELIGHT』『My Song』『Princess T』『Pure Moment』『アマポーラ』『アンセム』『ジェラシー』『ライブ』『リベルタンゴ・イン・トーキョー』『夜間飛行』『Very cool』『PIAZZOLLAMOR』『The Standard』
ジャズバイオリニストとして艶やかかつパワフルな演奏に惹きつけられていて,多くのスタンダード曲をやってくれていて「Spain」とか「Donna Lee」とか素晴らしいが,オリジナル曲にもいい曲が多い(失礼ながらあまり曲のタイトルは覚えてないのだが)。2017年の新作『PIAZZOLLAMOR』は,タイトル通りタンゴの巨匠アストル・ピアソラへの愛が詰まった作品。
2017年暮れになって『The Standard』が発表されていることに,moraのインタビュー記事を読んで気づいた。moraではDSD 11.2MHz/1bitという最高音質のハイレゾ版も買えるが,そこまでの再生設備がないのと,容量が大きすぎるので,FLAC版を購入した。ああ,やっぱりジャズのスタンダードは良いなあ。また寺井さんのヴァイオリンには余人の追随を許さない情熱と色気があって(あと,たぶんインタビューでお答えになっているようにアレンジも良いのだと思うが),よく知った曲に新しい命が吹き込まれたような演奏でどれも素晴らしかった。とくに心にフックしたのは「ワン・ノート・サンバ」であった。驚いたことに,moraでは,既に普通の値段でCDを買ってあるPiazzollamorとホット・ジャズのFLAC版が1800円という激安で売られていた。今後は寺井さんのアルバムはmoraで買うことに決めた。
『HOPE』『Voyager』『Growing Colors - Live at Motion Blue Yokohama』『Trust Your Heart』に加えて,SJS『S.O.S.』やSHANTI『Jazz en rose』など多数の作品に参加している。2015年は『Donna Lee』『The Duo』が発売されたので,両方購入した。
神戸出身のJazz Violinistで寺井尚子さんの弟子筋とのこと。寺井さんより柔らかい感じ。「Spain」や「Liber Tango」を聴き比べるとその違いを顕著に感じる。どちらも好きだけれども。『HOPE』の「祈り」,「風音」,「故郷」と続く流れは素晴らしい。隔週月曜に更新されているポッドキャスト「舞らじお」で聴かせてくれる喋りも暖かい雰囲気で,演奏のイメージ通りな感じ。『Donna Lee』の「Donna Lee」は寺井さんとも他のJazzミュージシャンとも全然違う演奏で,こんな「Donna Lee」があったのかと衝撃を受けた。新しい発見だった。
『LACH DOCH MAL』『Living Without Friday』『OUTSIDE BY THE SWING』『Runnin' Wild』『Bravogue』『アビス』『Madrigal』『Molto Cantabile』『Reminiscence』『Somethin' Blue』『ビコーズ』『フォーエヴァー・ビギンズ』『After Hours 2』『Still Working』『Syncopation Hazard』『GUILTY PLEASURE』『ユートピア』『Prima Del Tramonto』『ROSA』
2022年12月21日発売の『Today Is Another Day』は、Amazonで限定盤UHQCD(DVD付)を予約購入した。
実にJazzyとしかいいようのない,ダイナミックでありながら艶やかで色気があるピアノを弾くだけでなく,エッセイもとても面白い。どれか一つがとくに好きというよりは,どの曲も聴かせる。敢えて1つ挙げるなら,『アビス』の「ラッキー・サザン」が何とも言えず好きな曲。2016年夏の新作『GUILTY PLEASURE』の表題曲はタイトル通りの背徳感が堪らないし,「LIFE GOES ON」の疾走感もいいし,「MEETING YOU THERE」は不思議な落ち着きがあって良いし,かなりの傑作と思う。
2018年6月に発売された『ユートピア』はクラシックの曲をジャズアレンジした,いわゆるメルティングサウンドなのだが,ボブ・ジェームズの方法論とは全然違っていて,これまでのジャズ作品以上にエモーショナルな気がした。
2019年の『Prima Del Tramonto』はスタンダードっぽいJazzに回帰した感じ。
2020年の『ROSA』は1曲目が「My Favorite Things」,4曲目が「Donna Lee」,7曲目が「Take Love Easy」とジャズスタンダードであるのは期待通りの山中千尋さんらしい演奏だったが,3曲目でピアノソナタ第8番第3楽章,8曲目で交響曲第5番「運命」をモチーフにしたというベートーヴェントリビュートがなされていたのには驚いた。Barksの記事によると,ベートーヴェン生誕250周年,チャーリー・パーカー生誕100周年,自身のデビュー15周年のトリプル記念盤とのこと。
2022年の『Today Is Another Day』も届くのが楽しみ。
『SPIRAL』『BRAIN』『MOVE』『PLACE TO BE』『TIME CONTROL』『VOICE』『ALIVE』『BEYOND STANDARD』『SPARK』に加え,Chick Coreaとの『Duet』,矢野顕子とのLive『ラーメンな女たち』,EDMAR CASTANEDAとのLive『~LIVE IN MONTREAL~』,2019年の『Spectrum』,2021年の『Silver Lining Suite』(moraで192/24のFLAC版を買った)
デビュー当時はオリジナル曲への拘りがあったと思うが,『BEYOND STANDARD』以降はスタンダードをやることへの抵抗が無くなったような気がする。山中千尋さんに比べると必ずしもJazzyではないが,伸びやかさと技巧は絶品と思う。2016年の新作『SPARK』の壮大かつ刺激的な,トリオで出しているとは思えないほど厚みのある音楽は素晴らしい。「WONDERLAND」「DILEMMA」「WHAT WILL BE, WILL BE」のスケールの大きな躍動と緊張に刺激された後に「WAKE UP AND DREAM」の妙なる美しさに癒され,最後にすべてを肯定するという意味だと思うけれども「ALL'S WELL」という,やや無国籍風のグルーヴが漂うエンディング。唯一無二か。
2019年に出た『Spectrum』は初回盤を買ったので,ライブを収録したボーナスディスクが付いてきた。オリジナル曲の他,パッヘルベルのカノンをアレンジした演奏はメルティングサウンドっぽく,いろいろなな楽しみ方ができる。
『Silver Lining Suite』は,コロナ禍の中で感じたことを曲にしたそうで,ストリングスとのコラボが素晴らしい。
『Amanda』『Lumieres』『Pastorale』『sinfonia』『Soleil - Portraits 2』『プレリュード』『Portraits』『村治佳織プレイズ・バッハ』『Rhapsody Japan』に加え,『生命の色彩・原色の響き コスタリカ』というDVDも持っている
素晴らしいギタリストなわけだが,『Amanda』の1曲目「Le ciel」の爽やかさといったら奇跡的なほど。2016年に発表された新作『Rhapsody Japan』の叙情性は素晴らしく,またギターの音の響きには陶酔させられるほど。
『シャイニー』『グロウ』『SPIRIT』『Fine』『PRECIOUS』『SEVENth』『ゴールデン・ベスト』『MELODY』
『NOW and FOREVER』はmoraでAAC-LC版をダウンロード購入した。
実に格好いいサックスを吹くのだけれども,初期の作品はDVDがアイドルかという売り方だった。『シャイニー』辺りから力が抜けて一層良くなったと思う。『MELODY』はハイレゾ版をダウンロード購入したが,「Shake it off」から始まるポップスカバーが想像以上に心地よく,10曲目の「Joyful, joyful」が嬉しいことに映画「天使にラブソングを2」のクライマックスで演奏されたアレンジのカバーであった。この1曲を聴けただけでも買って良かった。願わくば,このアレンジの「Joyful, joyful」をLittle Glee Monsterにカバーして欲しいのだが。
『Inocencia』『アマネセール~夜明け~』『青春の輝き~上松美香 PLAYS CARPENTERS』に加え,Cruzの『Cruz del Sur(クルス・デル・スル★南十字星)』にも参加している
アルパの響きが素晴らしい。『アマネセール』の「Picaflor」とか「Solzinho」のキラキラした感じはとくに絶品。
miggy+として『IBUKI』,hitme&miggyで『音には色がある』,Lynnで『Girl Talk』,The Vanguard Jazz Orchestraで『Over Time: Music of Bob Brookmeyer』,宮崎幸子『Fly Free』も,みぎわさんがアレンジやピアノやプロデュースに参画されているので購入した。2018年9月に発表される作品はクラウドファンディングに出資した。
楽器はピアノなんだけれども,作曲家でもあり,ご自分のビッグバンドもあり,VJOでもピアノを弾いていたりする。個人的には『音には色がある』や『Girl Talk』のようなセッションももっとやって欲しいが。宮崎幸子『Fly Free』のラスト「Grateful Lights from the Sea」は曲もピアノも実に素晴らしい。なお,『Fly Free』は1曲目「I'VE GOT JUST ABOUT EVERYTHING」から切れ味が良くジャジーでもある演奏と伸びやかで艶やかなスウィングするボーカルのおかげで別世界に飛ばされる名盤だと思う(良すぎるので仕事のBGMには向かないが)。
『Junjo』『Esperanza』『Chamber Music Society』『Radio Music Society』2016年3月4日に4年ぶりの新作『Emily's D+Evolution (Deluxe Edition)』が発売されたことを3月9日になって知り,HDtracksでFLAC 96kHz/24bitのハイレゾ版が20.98ドルでダウンロード販売されていたので買ってしまった(e-onkyoでも買えるが4,200円)。『Songwriting Apothecary Lab』もmoraでダウンロード購入した。
ベースを実にsexyに演奏し,深みのある歌声も素晴らしいJazz Musicianにして,Berklee College of Musicで史上最年少の講師でもあった。You Tubeに載っていた,White Houseで歌っていた「Overjoyed」が素晴らしい。CDになっている中では,『Radio Music Society』に入っている「Black Gold」が響く。MVも凄いので見るべき。
Esperanza Spaldingが音楽療法の実践活動を展開していて、『Songwriting Apothecary Lab』はそこから生まれたアルバム。なるほど実験的な曲が多いな。座禅を組んで瞑想するのに良さそう。
『Pell-Mell』『Kiss to fence』
ほぼ同時期に売れていたクライスラー&カンパニー(葉加瀬太郎がいたグループ)が似たようなことをやっていたので,その影に隠れてしまったような感じがするが,独特の和風テイストもある曲が好きだった。『Pell-Mell』の1曲目である「J.G.ビート」を聴いたときの衝撃は忘れられない。
『冬の日本人』『スーパーベスト2001-2006』『マダムQの遺産』『Guitars』『Strings with GONTITI』『Black Ants Life』
何と言っても,『マダムQの遺産』に入っているfeat.太田裕美の「もう少しここで」が素晴らしいわけだが,とても美しいギターの響きを堪能できる『Guitars』を通して聴く(できたらリクライニングチェアに座って)のも至福。
『CROSS OVER』『CONTRAST』『BLUE BIRD』『A Ballad of My Own』
父がPNG人,母が日本人で,5歳から神戸に住んでいるということで知った,凄い声域と声量をもつボーカリストだが,『CONTRAST』の「メリーゴーランド」みたいな曲をもっと聴きたい。
『Zaz』『ライブ!~聞かせてよ,愛の歌を~』『Recto Verso』『Paris』
物凄いシャンソンボーカリストで,ライブを聴くとその凄さに圧倒されるが,『Paris』に入っている「Champs Elysees」みたいな軽い乗りの曲もいい感じだ。
『声をきかせて』『Tei molo』『Nyatiti Diva』『Horizon』『ALEGO』『Kilimanjaro』『Savanna』『KANKI』
アフリカのルオ族の男性だけに,師匠から弟子へと受け継がれてきたNyatitiという楽器に惚れ込み,日本人女性でありながら押しかけ弟子となって認められたというストーリーを聴くだけでも凄いのだが,このNyatitiという楽器のパワーが凄いのだ。ルオ族の曲の他,「声をきかせて」のようなオリジナル曲も独特な響きが生きていて素晴らしい。2015年11月末に入手した新作『Savanna』は,聴いているだけでアフリカの大草原が目の前に広がるような表題曲「Savanna」から「Flamingo」「After the squall」と続く流れも素晴らしいが,1曲目「Gaudensha」と10曲目「Meditation of Motherland」の不思議な浮遊感にも酔ってしまう。
5年半ぶりの新作『KANKI』,発売前日にご本人のtweetで知って,Amazonで予約購入した。届くのが楽しみ。