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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『エイダ』

書名出版社
エイダハヤカワ文庫JA
著者出版年
山田正紀1998



Jul 09 (thu), 1998, 14:03

匿名 <nc1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>

タイトルからコンピュータ言語のAdaを連想してしまって、いや、もちろんそのAdaだってバイロンの娘の名前からとったのかもしれないが、だからといってそのこととほとんど関係のないストーリー展開には拍子抜けした。

「神狩り」を書いた山田正紀であってみれば、もう少しストーリー展開に奥行きがあってもいいはず。フランケンシュタインの必然性もなく、間宮林蔵の必然性もない。量子コンピュータ内でシミュレートされる平行世界とその現実との交錯・混乱というアイディアは、鈴木光司の「ループ世界」に、もしかすると影響を与えたのかもしれないが、鈴木光司の方が料理の仕方がうまいと思った。いや、もちろん読む側の能力に依存するのかもしれないが。


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