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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『蛇を踏む』

書名出版社
蛇を踏む文藝春秋
著者出版年
川上弘美



Feb 12 (tue), 2002, 10:37

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夢の中にいるようなぼんやりとした世界。

そんな中で日常の雑多なことを忘れさせてくれる作品である。

ぼんやりとしていて一見取り止めがないように思えるが

なぜか不思議な摂理で一貫されていてひきつけられる。


本書に収められた3編はいづれも一人の女性が主人公であるが

彼女たちの周りにさまざまな不条理な出来事がおきる。

たとえば、家に蛇の化けた女が住み着いたり

壷がはなしたり、自分のクローンがつくられたり…

これに対して、彼女たちは

まるで夢を見ているように淡々とした反応をみせる。

これらの出来事を自然に受け入れ流されていく。

この淡白な感覚は、最初に聖書を読んだときの

感じたものに近かった。


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