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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『病院で死ぬということ』

書名出版社
病院で死ぬということ主婦の友社
著者出版年
山崎章郎1990



Nov 02 (sat), 2002, 21:02

Mitsuharu Matsumoto <proxy1.urawa1.kt.home.ne.jp> website

 当時、一医師であった筆者が、病院、或いは、自宅で末期ガン患者として死んでいった10人の人々の死を綴った事実に基づく物語。 


 彼がその序文の中で述べているように、基本的にこの本は、病院は人間が死を迎えるような場所ではないという紛れも無い現実を綴った前半5編と、そのような現実の中でも我々の努力によって人が尊厳ある死を迎えることができるのだということを示唆する後の5編からなっている。 


 そして、医師として経験してきた様々な現実を通して辿り着いた死に対する彼の意見と、そこから派生するホスピスについての彼の考えが述べられている。 


 一医師の視点から、人間が、受け入れねばならない死というものについて綴られた非常な良書であり、ベストセラーになった。読んだことの無い人には読むことを強くお勧めする。私が、これまでに読んだ中でもっとも衝撃を受けた本の一つである。確か、映画にもなった。私はまだ見ていないが。


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