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【第1420回】 祝日も原稿書き(2016年10月10日)
- 6:00起床。レトルトご飯を電子レンジ加熱し,高菜漬けを載せただけの主食に加え,ヴルストと冷凍中華野菜を茹でておかずにした。デザートに和歌山産の早生ミカン。
- 今日も出勤して,院生の相談に応じるのと,原稿書きの続きの予定。
- ふと思ったが,本当に理不尽でクリア不可能なストレスを掛けられてしまったら,グリットスコアが高い人の方が自殺という選択はしやすくなってしまうのではなかろうか。適切な解決方法を探すという余裕もないほどのストレスはありうる。もう無理となったら放り投げることができるいい加減さが命を救うかもしれない。そういうストレスを掛けないことが会社にとっても労働者にとってもプラスになるような戦略はありえる。もう15年以上前から言っているように,時短とワークシェアをセットで導入すればいい。給料が減っても縮小経済下でデフレが進行するなら実質所得はそれほど減らず,余暇時間が増えれば消費は増やせるかもしれない。『経済数学の直観的方法』の記述によれば,インフレターゲティング論を含む経済モデルでは,消費と余暇時間の積を最大にするような解を求めているようだが,もし本当にそれに基づいた政策をとったら破綻するに決まっている。この解では,消費は余暇時間がある閾値を超えないと増やせないという点を無視しているために,長時間労働である程度高所得な人には消費をしている暇が無い(しかも,かつては妻子が使っていたかもしれないが,独身者と共稼ぎが増え子供が減ったために,そういう消費も減ったであろう)日本の現状には合うはずがない。『「国民所得」=「総消費」と考えることも一応可能だと考えられている』という記述もあったが,これは国による貯蓄性向の差とか社会保障の違いを丸ごと無視した議論なので,やはり現状に合うはずがない。厳密な議論をする暇はないのだが,定性的には自明であろうに,そこが視野に入っていないように思える経済政策が取られているのは,人口規模が縮小しているにもかかわらず名目上の経済成長が善であるという妙なイデオロギーが共有されているからであろう(選挙のときに政治家が垂れ流すメッセージを見ていると,国民の多くもそう思わされているのだろう)。前提条件が間違っている議論は,その後が如何に精緻であろうと間違った結論にしか辿り着けない。どうしてわからないのか。
- 政策的には時短とワークシェアをセット導入した企業に対して優遇する他,まずは公務員やみなし公務員である国立大学法人の教職員に対して,人事院が作る俸給表を平均8割にする(2割減額する)代わりに人員を1.3倍にすることで勤務時間を減らすと良いと思う。既に猛烈な勢いで国立大学への運営費交付金総額が削減されているが(授業料は値上げされているにもかかわらず),人口が減っても仕事が減るわけではないし,逆に大学教職員がしなくてはならない仕事は増える一方なので,予算総額をこれ以上減らさないという条件をきっちり守った上で,給料を減らしてもいいから人員増をすべきと思う。1.3倍にしても20-30年前の水準にも達しないのだけれども,多少はマシになるだろう。チェックを厳しくするとかオンラインの講習を受けさせるとかよりも,不正防止にもよほど有効に働くと思うし,研究者は元々研究が好きなので時短の分はすべて余暇にはならず勝手に研究はするだろうから業績も増えるに違いない。
- 久々に『ザ・ピーナッツ トリビュート・ソングス』を仕事のBGMに流していたら,「情熱の花」の歌詞に「その切なさに 夜ごと 震える」というフレーズがあることに気づいた。戸谷洋志『Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲』は,西野カナの「会いたくて会いたくて」を取り上げて,「会いたくて」から「震える」という身体表現につなげる強烈さを論じていたが,何十年も前にザ・ビーナッツの曲でなされていたことだった。「情熱の花」自体,ベートーヴェンの「エリーゼのために」を元に作られ,カテリーナ・ヴァレンテが歌ったTout l'amourのカバーだが,フランス語版にも英語版にも「震える」はないので,おそらく日本語歌詞をつけた音羽たかし/水島哲のどちらかが「震える」という身体感覚を導入したのだろう。
- 昼過ぎにコーヒーを淹れていたら海外から帰国した院生が相談に来て対応。その後は再び原稿書きの続き。
- 21:30頃に研究室を出て,湊川公園廻りの終バスで帰宅。まだ終わらない。
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