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Latest update on 2019年2月15日 (金).
本講義では,「公衆」,即ち,地域社会で普通に生活している人々,あるいは各種機能集団の人々の健康を保持増進するための理論と方法について学ぶ。
そのためには「健康」を定義することが必要であり,本当はそれが実に難しい。保持増進するための理論と方法といっても,社会条件や健康観が違えば違ってくるので,社会の文脈に即した理論でなければならない。だから,この講義を受ける際に常に注意して欲しいことは,その話で論じられている「公衆」はどういう集団を指しているのか,ということである。
一つだけ確かなことは,種類はいろいろであるにせよ,公衆衛生学の対象が個人ではなくて人間集団だということである。この点は多くの他の専門科目と異なるので,注意されたい。
疫学については時間が足りないため,ごく基礎的なことだけ説明する。別途参考書などを参照し,自習して欲しい。実は疫学・生物統計学に限らず,公衆衛生学で扱うトピックはそれぞれ広大な裾野と奥行きをもっているので,本講義はあくまでも概論(とくに制度,法制,枠組み,方法論を中心にしたもの)と考えて欲しい。
後期月曜3限,B201で実施。
過重労働撲滅対策特別班(かとく)について補足資料
腰痛対策
参考:2018年度期末試験問題,同解答例,2017年度期末試験問題,同解答例,2016年度期末試験問題,同解答例,2015年度期末試験問題,同解答例,2014年度期末試験問題,同解答例,2013年度の期末試験問題,同解答例,2012年度の期末試験問題,同解答例。
期末試験及びミニレポートによる平常点評価による。なお,期末試験は持ち込み不可である。期末試験で合格基準に達しなかった場合,翌週の再試験を受けることができる。
2018年度の期末試験の結果,素点では合格基準に達しなかった者が多数いた(とくに問1(3)(7)(14)(17)は正解者が極めて少なかった)。ミニレポート点を追加することで何とか(期末試験を欠席した1名を除き)全員合格となったが(分布は右図の通り),解答例をみて良く復習して欲しい。とくに「可」であった者は,十分に公衆衛生学を理解したとはいえないので,しっかり復習することを強く推奨する。
問1(3)についての解説:相対危険は超過危険と同じく曝露の効果(影響)を評価する指標である。どちらも曝露群の危険(リスクまたは率)が非曝露群の危険に比べてどれくらい大きいかを見るが,超過危険は引き算(差)による絶対評価,相対危険は割り算(比)による相対評価である。相対危険の中には,リスク比や率比が含まれる。断面研究や症例対照研究で得られるオッズ比は,稀な疾患の場合や,対照群を注意深く選ぶことによって,リスク比の良い推定値となりうる。
問1(7)について:第3回配付資料の1ページに観察疫学的事実(通称Hillの基準)として,時間性(temporality)以外はすべて例外がある,と書いておいたが,残念ながら正解者ゼロであった。