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【第519回】 講義とゼミで合計4コマ,それに会議(2013年11月18日)
- 1,2限の講義準備が終わって配付資料の印刷が終わったのが7:00だった。これから2時間弱で3限の公衆衛生学の準備を完了に持って行かねばならない。とりあえず昨夜ダイエーで買ってきたくるみパンで朝食。アッサムを淹れたが,もはや紅茶では眠気覚ましにならない。
- 間に昼休みがあったものの(昼飯は昨夜ダイエーで買ったカップ麺),3コマ続きの講義で喋り倒した(公衆衛生学はテーマが地域保健だったので,ヘルスプロモーションにおける地域社会の重要性を語るために,今年の夏に出たばかりの,イチロー・カワチ『命の格差は止められるか:ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業』小学館101新書,ISBN 978-4-09-825174-2(Amazon | honto | e-hon)を紹介したら,ミニレポートの感想欄に,買って読んでみますという反応が複数の学生からあったのが良かったが)ので疲れ切った。15:00頃から16:00頃まで猛烈な眠気に襲われていて,ほとんど使い物にならなかった。昨夜からの連続仕事時間が長すぎて,体力の限界に来ようとしている。
- けれども,まだ18:30からの留学生の研究相談と,19:30からのゼミがあるので,気合いを入れ直さねばならない。3限の公衆衛生学のミニレポートを出席番号順に並べ直し,ついでに中身に目を通した。テーマを「日本の地域保健活動において,保健所,市町村保健センター,民生委員や自治会やボランティアグループなどの役割分担はどう位置づけられているか。また実感としてはどうか」としたのに,民生委員については配付資料でもプレゼンでもほとんど触れなかったので,個人的に関わった経験がある学生以外は,民生委員の記述を含めるのに苦しんだらしい。申し訳ないことをした。来週補足しよう。
- 18:30からの研究相談,19:30からのゼミをこなし,湊川公園廻りの終バスで帰宅途中,このところ気になっていたほっとジンジャーエールを自販機で見つけたので買ってしまった。何とも言えない不思議な感じのする飲み物であった。帰宅後,オリーブオイルで目玉焼きを2個焼き,ご飯に載せて晩飯を済ませたら日付が変わっていた。
- 東京大学医学部保健学科の先輩(たしか保健社会学教室)である中山和弘さんのtweetで,H21〜25の新学術領域「社会階層と健康」のまとめ的なシンポジウムが行われることを知った。2月12日水曜日,参加費無料,事前登録不要で,誰でも参加可能とのことなので,他の用が入らなかったら聴きに行きたいところ。
- Rではoptions(digits=20)としてからプロンプトに0.1と入力すると,オブジェクトの実体として0.1ぴったりの実数を保持できないことがわかる。0.1に限らず,0.2でも0.3でも,2の累乗和で書けない10進法の有限小数ならすべて同じ。これは,これらの値が2進法では無限小数になるからだ(だから,0.5は2のマイナス1乗だから2進小数では0.1,0.25は2のマイナス2乗だから2進小数では0.01,0.75はそれらの和だから0.11という形で実数オブジェクトが正確に保持することができる)。この辺りの話は,20年以上前に読んだ,戸川隼人『計算機のための誤差解析の基礎』サイエンス社にクリアに書かれていて(確認したらp.31のあたり),とても納得した記憶がある。
- 高山義浩先生がアピタルに書かれたH7N9の記事。パンデミックが起こってしまったら隔離入院措置では病院がパンクすることは明白で,確かに対処を変える必要があると思う。なお,高山先生はcCFRが高いことをそのまま致死率として受け取らず,sCFRを調べなくてはいけないという主旨(注:sCFRとかcCFRという用語は,いまだに一般的ではないが,2009年度に西浦さんが発表した論文で提唱されている)のことを書かれているが,日経メディカルの河岡義裕先生への取材記事では,cCFRをそのまま致死率としている。この文脈でcCFRを出すのは強毒性との印象を強めるのでミスリーディングかもしれないが,疫学の伝統的な定義では元々,Case Fatality Ratioの分母は確定診断がついた患者なので,cCFRを致命割合(致死率)とする計算は間違いではない。中国の場合は,おそらくasymptomaticだったり,症状があっても受診しない患者が多すぎて,sCFRと,それより遙かに大きいであろうcCFRの差がありすぎるので,日経メディカルもそのことは注記すべきだろうと思う。もっとも,日経メディカルの記事によると,H7N9はα2-6シアル酸に結合することができるから,ヒト=ヒト感染を起こすことができることになり,もし上気道感染でも致命割合がそこそこ高いとしたら,2009年とは比べものにならない影響をもたらす可能性があって,河岡先生が警鐘を鳴らすのも理解できるが。
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