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【第658回】 会議と講義と講義準備(2014年4月22日)
- 5:50起床。冷凍シューマイを電子レンジで加熱したものとキムチをおかずに麦ご飯という朝飯。8:30から会議のため,名谷行き始発バスで出勤。会議が終わったら2限は講義。明日も明後日も講義があるので,午後はその準備。
- 会議で仕事が増えた。教育にも研究にも無関係な書類仕事がうんざりするほど多い。戦略的に間違っているような気がしてならない。
- 3日後はWorld Malaria Day。
- 講義の後は書類仕事とか,明日以降の講義準備とか。しかし終わらない。
- 直通終バスで帰宅し,プロ野球中継をみたら4-4の同点だったが,田島投手が自滅した上,平田選手が致命的な併殺打で万事休す。最後の代打エルナンデス選手,見逃しはいかんだろ。
- ふと思い出したので書いておくと,『弱くても勝てます』のドラマ化は,キャストは悪くないのだが,「頭がいい生徒たち」という設定が生かされていないのが最大の難点。開成で青木先生が狙っているのは,練習時間が短いので打撃練習に絞って練習し,正面衝突のフルスイングでどさくさに紛れて大量得点することができたら,難しい打球が捕れなかったり連係プレーができなかったりしても勝てることもある,という野球であって,だからこそ面白いのに,普通のキャッチボールもできないとか,正面に来た緩いゴロをトンネルするとかいう状況に対して無策なのは,頭が悪そうに見えるので止めて欲しい。頭のいい生徒だったら,何でもドンマイなんて声の出し方ではなく,何を言うべきか自分で考えられるはずだし(気の利いた子なら少年野球でもできる),なぜキャッチボールがちゃんとできないのか? とか,なぜゴロが股の間を抜けていくのか? といったことに疑問をもって考え,解決策を探したいと考えるだけの向上心はあるはずだから,その方法を監督に尋ねようともしないのが不自然すぎる。少なくとも,陸上からスカウトされたヤツは尋ねないとおかしい。キャッチボールの基本動作は非常に理に適っているので,少年野球を始めた小学2年生に教えるように,ボールを正しく握って肘から振り下ろすこととか,その動作を,相手のグラブを見たまま,その一点を狙ってすることとか(逆に,受ける側は,相手が投げる目標になるように,胸の前でグラブを開いて構えなくてはいけない),リリースの時に人差し指と中指で押し出すことで逆回転を与え,失速しないように投げることとか,自分の筋力では届かない距離だったらバウンドさせて投げるべきとかいったことを,物理を使って理屈で教えれば,少なくとも頭では理解するはずだ。理解できれば,後はその動作が協調するようにチェックしながら反復練習すれば,暴投を防ぐことはできるようになるはずだ。受ける方も,胸の前で構えておくのはもちろんだが,逸れた球が来たら,手だけ動かすのではなく,足を動かして胸の前でグラブを立てて正面で捕るという基本動作を教えるべきだ。ゴロの捕球は腰を落としてグラブも下から出すとか,外野だったら身体で壁を作って,正面に来た打球は後ろに逸らさないことが基本だとかいったことも教えるべき。そういうプロセスをきちんと描くことで,初めて「弱くても勝てる」設定が生かせるので,いつの間にかキャッチボールができるようになっているとか,キャッチボールができないまま勝ってしまうなんていう阿呆な展開にはして欲しくない。原作で描かれている開成高校の野球がそうであるように,イレギュラーや身体から遠い打球に飛びつくのを諦めるのは「弱くても勝てる」野球にとってはアリだが,基本動作を知らないままで済ませるなんてありえない。攻撃の方も,バントの仕方の理屈も教えた上で,セイバーメトリックス的に,アウトカウントを増やして進塁させるよりも,1つでもヒットを狙った方が得点に繋がる確率が高いということを教えて,あとは「正面衝突」のレベルスイングの方がアッパースイングやダウンスイングより当たる確率が高いことや,バットを振る速度がインパクトのところで最大になった方がボールの飛距離が出ることも物理で教え,生徒が納得した上で,正しいフォームで速いスイングができるように素振りするという方向を出して欲しい。陸上からスカウトした超短距離ランナーというオリジナル設定を生かすため,そいつを左打者にして,ゴロを転がすバッティングを練習させるとかいったバリエーションもありだと思うが,勝つための理屈を前面に出して欲しい。ともかく,まだ遅くないので,自分たちがまったくダメなのは,基本動作の理屈を知らずに漫然とやっているからということに生徒たちが自分で気づいて,改善努力をする展開を出して欲しい。ラブストーリー味付けは要らん。(追記)ついでに書いておくと,正面の打球だけ捕れるようになればいいのなら,監督や上手い人がノッカーになる必要はない。ノッカーが1人しかいないと待ち時間が効率悪いし,ノックをすることが逆にバッティング練習にもなるので,3グループくらいに分かれて同時にノックするようにすればいい。これも弱くても勝てるようになる工夫の中で取り入れて欲しいところ。
- その他にチェックしているドラマのうち,「MOZU」と「ロング・グッドバイ」は,確かに昔のハードボイルドとして,痺れるほどダンディなのだが,小道具としてのタバコに頼りすぎではなかろうか。とくに西島秀俊の倉木警部が食事中にタバコを吸うのはいただけない。妻の死にショックは受けているけれどもある種の端正さを保っているのが,原作の倉木の魅力だったのに。「銀二貫」は,原作も素晴らしかったが,ドラマとしても今のところ非の打ち所がない。今後の注目ポイントの1つは,大火災のシーンがどのように描かれるか。月末に始まる「ルーズヴェルト・ゲーム」も原作は面白かったが,野球物だから,キャストには本当に野球ができる俳優を使って欲しいし,演出も野球がわかる人にやって欲しい。もちろん,池井戸作品だからポイントは野球だけじゃないのだが。
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