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【第687回】 講義と講義と原書講読とミーティング(2014年5月26日)
- 6:00起床。朝食は手抜きでそうめん。往路バスは名谷行き4番。横殴りの雨がひどくて,名谷駅から大学まで歩く間にズボンがかなり湿ってしまって気持ち悪い。
- 午後の講義までの間は,メール送受信とか,明日の講義準備とか。
- アマゾンに注文してあった,ミンモ・イアネリ,稲葉 寿,國谷紀良『人口と感染症の数理 年齢構造ダイナミクス入門』東京大学出版会,ISBN 978-4-13-061309-5(Amazon | honto | e-hon)が届いた。パラパラとめくってみた感じでは,各章末につけられた著者ノートのうち,稲葉さんによるノートが凄いと思った。
- 午後の講義からは,原書講読,ミーティングと続いて,20:05頃に帰途に就いた。終バスで帰宅後,ゴミ当番の仕事を済ませてから晩飯。疲れたので,そうめんを茹でたのみ。
- 16道府県が出生の数値目標というニュースがあったが,無理のない予測値なら発表する意味がないし,無理な数値目標なら立てても意味がないと思う。先頃,朝日新聞が報じたタスクフォースの議論で出た数値目標(リンク先はそのニュースについてのハフィントンポストの記事)という話があったが,おそらく共同通信がそれを受けて取材したのだろう。しかし,少子化危機突破タスクフォースの取りまとめ(5月15日の会議の論点整理と取りまとめ案,5月19日の会議での取りまとめ案)では,いろいろな議論の末に,具体的な数値目標を立てることは見送られた一方,正しい情報提供と誰もが正しい情報にアクセスできる環境を,という提言がなされている。このタスクフォースは人口学の専門家が日本人口学会会長の安蔵さん(5月15日の会議への提出資料)しかおらず,安蔵さんの提出資料も他の委員から十分に理解されたかどうか疑問だが,TFRを数値目標として使うことに問題があるという主張は通ったのであろう。安蔵さんには,せっかく委員なのだから,もう一押しして,人口学の研究・教育を国として推進すべしという主張をしていただきたいところ。なお,本筋ではないが,PDCAサイクルという言葉が定着しているのに,既に行われてきた政策の検証から始めるからといって,CAPDサイクルと呼ぼうというのは,あんまり賛成できないなあ,と思った。
- 眠る前に,31日にモナリザ編の映画が公開される『万能鑑定士Q』シリーズ最新作,『万能鑑定士Qの謎解き』(角川文庫)を読了。基本線は安定した面白さ。これまでの本シリーズ同様「人は死なない」が,大きな社会問題を取り上げていて,あまり世の中に知られていない側面についての問題提起をしているので「日常の謎」系ではないという,巻末解説にも同意。ただ,この決着は理想主義過ぎるか(たぶん松岡さんは希望を描いているので,それはそれでいいのだけれども)。シリーズ小説としての本作は,小笠原による「読者への挑戦」が画期的。これは小笠原のワトソン宣言であると同時に,本シリーズが「本格推理小説」だという宣言でもある。本格だと思えば,タンクが8個あって,4個あるセンサーが3個ずつのタンクの総量をチェックするという不自然な設定もOK。ここは明らかにパズルのための設定で,普通に考えたら,各タンクを1つずつのセンサーでチェックするだろうし,何かの理由でそれができなくてもタンク2個ずつを1つのセンサーでチェックする設定にするだろうし,そんなに空き容量の大きなタンクは使わないだろうし,と突っ込みどころだらけだが,妙に意匠を凝らした設計の館で起こる殺人事件とか,ダイヤが乱れる可能性を一切無視した緻密すぎる時刻表トリックとかいった,本格のコードの1つと思えば問題ない。
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