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【第37回】 土日は採点の祭典(2019年2月9-10日)
- 土曜は昼頃から名谷キャンパスに出勤して採点とかメール送受信とか留学生対応とか。夕方Alimさんと書類作り。その後20:30頃まで採点の続きをして帰途に就いた。
- 東北大の田中重人さんがtweetで触れていたので知ったが,小塩さんの離婚率についてのtweetはどうかなあ。10%にはあまり人口学的に意味がないかもと思って,いくつかコメントtweetした(田中さんへ, 小塩さんへ)。実際計算してみないとなあ。あ,自分で計算して例の本に入れれば良いのか。
- flurryさんのこのtweetから。確かに歴史性や格差の背景への配慮が薄い面はあるが,ロスリングはたぶん先入観なくデータを見ようという主旨で書いているのだと思うし(そういう意味で,ゲイツらから金を引き出していたとしても一面的な進歩主義者だとは思わない),このキューバの話が特定事例だけを指していることには注意すべきと思う。
- Cuban Epidemic Neuropathyは,1991年から1993年にかけてキューバで多発し,色覚異常や失明や神経症状を呈した患者が5万人に及んだという疾患で,2018年に出た考察論文によると,栄養失調により過酸化物が溜まって発症したというのが定説のようだから,ロスリングが書いていることは,たぶん事実として間違いではない。Gustavo C. RománによってCuban Blindnessという本が書かれている(著者は1995年にAnn. Intern. Med.にPERSPECTIVEとしてこの話の概要を書いている)。この疾患は考えさせることが多く,1995年にAm. J. Pub. Healthに出た論文は100年前の"Amblyopia of the Blockade"との類似性に触れて歴史は繰り返すと指摘しているし,2015年に眼科の雑誌に出たEditorialは多因子疾患はいくらヘルスケアしていても起こりうると指摘しているし,2018年に眼科の専門誌に出たPerspectiveは,この疾患とノーベル文学賞受賞者のJose Saramagoが1995年に書いたBlindnessという小説(『白の闇』として邦訳が出ていて,映画化されている)との関連を論じている。
- 矢原さんのRTから知ったが,このtweetで紹介されている論文は,環境DNA研究の新たな可能性を示している。生物はいろいろなところにDNAという見えない足跡を残しているといえようか。ぼくも川や湖の水から寄生虫のDNAを検出するという研究に少し関わっているが(自分ではやってないが),技術の肝は良いプローブがあることと如何にコンタミを避けるかだと思う。
- 今日のtwitterでは食事の前に手を合わせて「いただきます」という慣習が寺への学童疎開(手を合わせるのは浄土真宗)や戦後の学校給食での教育とともに広まったという話が流れていて気になる。
- 22:00頃まで採点をしたが終わらず。とりあえず帰宅。
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