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【第64回】 データ解析と会議(2019年3月19日)
- 6:00起床。タマネギとピーマンを炒めて卵でとじたものをラーメンに載せて朝食。可燃ゴミを出してから出勤。
- CDTVでリトグリとさまざまな卒業生が「旅立ちの日に」を歌うという企画(TBS提供の練習動画(混声三部合唱用)などもあるが,最初にリンクした洗足学園音楽大学門倉ゼミコーラス隊 フレーバー2012の合唱が良いパフォーマンスだと思う)の放映が明後日に迫ってきた。いつの間にか中学などでの卒業ソングの定番のようになったが,自分が子供の頃はなかった曲だ。WikiPediaによると,「1991年に埼玉県の秩父市立影森中学校の教員によって作られた合唱曲」とのこと。荒れていた学校を「歌声の響く学校」として甦らせるために二人三脚で努力してきた校長と音楽教諭が,その集大成として,校長作詞,音楽教諭作曲で完成させた作品というだけでも物語性が凄いが,この曲を聴いた松井孝夫さんが混声三部合唱用に編曲して『教育音楽』誌に掲載して全国区となり,2007年にSMAPが出演するNTT東日本のCMソングとなったことで,全国で最もよく歌われる卒業式の歌となったということだ。
- この曲を聴くと,曲想も詞のテーマも近い作品として,赤い鳥の「翼をください」(LA日記の村井邦彦さんが作曲された名曲。YouTubeにあるものでは,尾崎亜美と小原礼の伴奏によるこのパフォーマンスも素晴らしい)と上条恒彦&六文銭の「出発の歌~失われた時を求めて」をいつも思い出す。その源流として,五つの赤い風船「遠い世界に」があるのかもしれない。逆に「旅立ちの日に」よりも新しいところでは,にゃんぞぬデシ「げんかん」とか,Anna Kendrick「When I'm gone」とか,Goosehouse「サクラへ」(ちなみにこのパフォーマンスは録音のバランスが今ひとつなので,moraで音源を買うのがお薦め)が該当する気がする。小沢健二「僕らが旅に出る理由」も名曲だと思うが(INSPiによるアカペラカバーが最高),旅に出る局面と理由を考えると,またちょっと違った流れのようにも思う。
- しかしこうして並べてみると,何となく旅立ち感に浸れる気もするので,音源を持っていない曲はmoraかAmazonで買ってプレイリストを作ると良いかもな。
- データ解析の前には,まず作図だということで,いろいろな作図コードを書いている午前中。
- 忘れないようにメモしておくと,今度の土曜の久米宏ラジオなんですけどには感染症数理モデル研究で大活躍中の北大西浦さんがゲスト出演する。radikoプレミアムで聴く予定。
- 三重大の奥村さんも登壇される3月31日に立教大学で行われるシンポジウム「フェイクニュースとどう向き合うか――メディアの現場と社会科学・情報科学の対話」は面白そうだ。暫く前から時々読んでいる(なので,なかなか読了できない),笹原和俊『フェイクニュースを科学する:拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ』同人選書,ISBN 978-4-7598-1679-2(Amazon | honto | e-hon)の著者も登壇する。関東在住だったら絶対に行くんだがなあ。
- 情報ネットワーク周りのメールに応答しながら会議が終わって,他のメールに対応し終わったところで17:00を過ぎた。これから暫くは作図コードを書こう……と思っていたが,いろいろと書類仕事をしてメールの返事を済ませたら19:00を過ぎた。さらにネットワーク仕事があって,結局20:00過ぎてから帰途に就いた。
- 復路途中の大戸屋で晩飯を食べながら『フェイクニュースを科学する』を読んでいたが,いろいろメモしたいところが多い。真贋がわかっている過去10年以上のtweetを分析した論文によると,フェイクニュースの方が本当の情報よりもRT数の伸びが速くしかも長期間続き,情報伝達のカスケードが深くなっている場合が多いのだそうだ。自分の信じたいことを信じる傾向があるという確証バイアスとか,多くの人が支持していることは信じがちであるというバンドワゴン効果とかいったヒトの認知の癖が,偽ニュースが広まりやすい原因であるということを,原著論文から引用して多数例示してくれている2章が面白いが恐ろしい。ふと思ったが,既存SNSのほぼすべてが広告で稼ぐビジネスモデルであることが,フェイクニュースを排除できない根本原因なのではなかろうか。例えば,3つのボランティアチームを作って,TwitterのようなSNSを公益運営するというのはどうだろう。広告は入れない(企業が広告に使うのは制限しないが金を受け取らなければ,フェイクだったときに削除できる権利を留保できる)。最初は1000人くらいの1口数百円/年の出資チーム(たぶんユーザ10万人くらいまでは,年間何十万円かあれば独自ドメインのある程度強靱なサーバは運営できるだろう),100人くらいのソフト開発チーム(ソフトはオープンソースでバザール方式で開発し,当然APIも公開する。ソースをリンクすると信頼性スコアが上がるとか,RTといいねではなく,agree,disagree,doubt,seems valuable (see it later)など細かいマークを付けられるようにするなどの仕組みを付ける,フェイクニュースを流したアドレスはブラックリストに入れて再登録できないようにするなどの効率的なセキュリティシステムを組み込む),100人くらいのメンテチーム(自動処理できなかったフェイクニュースを削除したり不正使用者をブラックリストに入れたりする)で,だいたい1200人くらいが運営者として,MLなどで合議制で運営方針を決める。ユーザが増えたら出資チームとメンテチームの数は増やす。一般の参加者にはフェイクニュースを流さないこと以外の制限を課さないことにする。どうだろう。
- とりあえず,そういうインフラがない現状でできるフェイクニュース対策としては,国際情報検索という講義の去年の講義資料に書いたものに追記して再掲すると,
- Twitterやネットメディアは,本人のアカウントであるという確認が取れている書き手による自分自身のことについての一次情報でない限り,たんなる速報とみるべきで,情報が歪められていないか,拡大解釈されていないか,必ず情報源を確認する(裏を取る)。意図的なフェイクニュース作者は誤訳を装った捏造も厭わない。テレビや新聞などのマスメディアの記事・報道も,情報源情報を切り貼りする過程で意味が変わっていることは珍しくないので,サイエンスの話なら原著論文を探して読み,論理的不整合や飛躍がないかチェックする。原著論文ではDiscussionの部分でspeculationとしてimplyとかsuggestされているだけの内容を「わかった」と書くメディアは珍しくない。最低限,その知見を発表した組織・機関が出しているニュースリリースには目を通す必要があるが,原著論文ではsuggestなのにニュースリリースでは「明らかにした」となっている場合もあるので要注意。
- Googleなどの検索エンジンやWikipediaは便利だが,ヒットしたものをそのまま信じてはいけない。web上の情報は玉石混淆なので情報が信用に足るかどうか吟味が必要。
- なるべく一次情報を探す。国際保健領域では,WHOなどの国際機関の公式情報,CDCやNIH,日本でいえば国立感染症研究所,国立国際医療センター,国立がんセンターなど,政府機関の情報は,ある程度信頼がおける。学術雑誌や学会の公式サイト(文献データベースを含む)もOK。途上国の情報は,日本の外務省やJICA,米国CIAの情報なども参考にはなるが,即時性がないので,必要に応じて現地の新聞社サイトなども参照する(信憑性は要チェックだが)。
- そのサイトが本当にその組織のサイトなのかどうか,確実に見極めることは難しい。一つの方法としてはドメイン名をみること。*.intや*.org,*.govや*.go.jpなど。しかし,*.orgなど実は誰でも取れるので注意は必要。正確に記録しておけば後で確認できるので,ドメイン名は重要。
- 複数の情報源を付き合わせて比較する(矛盾がないかチェックする)。
- 書かれている内容が論理的におかしくないか,聞いたことがない奇妙なものでないかもチェックする。専門用語辞書(/事典)で確認する。
- これが絶対であるとはいえないが,目安程度には使えるのではないだろうか。
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