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【第431回】 ネットワークトラブル続く(2020年6月24日)
- 6:45に目が覚めた。76.20 kg。散髪しても体重は減らないんだな。
- 神戸大学のネットワークトラブル継続中。相変わらず学内外の通信に障害があり,kobe-u.ac.jpのメールは受信できたりできなかったり。
- 9:00頃試してみたら,自宅からうりぼーネットにはアクセスできたが,BEEFは認証画面には行ったが「サーバが見つかりません」表示。再読込したらBEEFも表示できたが,まだ不安定な感じ。この状態だと,Zoomを利用した遠隔講義は自宅からの方が安全だろうから,今日は在宅勤務だな。
- 6月19日の専門家会議配付資料に,都道府県別のシナリオ予測が載っているが,コードとデータは公開していないのだろうか。
- 見逃していた論文を拾っておく。
- Block P et al. "Social network-based distancing strategies to flatten the COVID-19 curve in a post-lockdown world."(Nature Human Behavior, 2020年6月4日)は,ロックダウンで接触を平均的に減らすのだと社会経済的悪影響が大きいので,ネットワークトポロジーに注目してブランチが多いノードを集中的にネットワークから排除すると効果的に感染を減らせることをシミュレーションで示した論文。つまりは,クラスター対策班が当初から示した,クラスター発生予防の有効性が示されたといえる。直観的には自明だったが計算上も示された。これも,細かいところは違ってくるにしても,自由に使える時間と計算資源があったら自分でできたな,たぶん。誰がやろうが科学的知見の集積という意味では変わらないので,こういう研究をしてくれたのは有り難いが。
- Britton P et al. "A mathematical model reveals the influence of population heterogeneity on herd immunity to SARS-CoV-2." DOI: 10.1126/science.abc6810(Science,2020年6月23日)は,以前西浦さんが触れていた,プレプリントサーバに載っていた論文がScienceにアクセプトされたのだな,きっと。不均質性を考慮すると,R0が2.5でも既感染者割合が80%でなく43%程度で集団免疫による収束が見込めるという論文。2月15日時点でMarc Lipsitch教授が指摘していたけれども,mixtureがノンランダムで不均質であることによる影響は,多くの人が思っている以上に大きいと思う。
- Hodges K, Jackson J "Pandemics and the global environment" DOI: 10.1126/sciadv.abd1325(Science AdvancesのEditorial,2020年6月12日)は,Covid-19のパンデミックと地球環境の関係に注目したものだが,その関係では,Chakraborty I, Maity P "COVID-19 outbreak: Migration, effects on society, global environment and prevention."(Science of Total Environment,8月号,2020年4月22日掲載),Muhammad S et al. "COVID-19 pandemic and environmental pollution: A blessing in disguise?"(Science of Total Environment,8月号,2020年4月20日掲載),Bates AE et al. "COVID-19 pandemic and associated lockdown as a “Global Human Confinement Experiment” to investigate biodiversity conservation"(Biological Conservation,2020年6月10日掲載)も目を通すべきであろう。経済活動が抑制されることは,単純に考えたら地球環境保全にプラスに働きそうだが,再生可能エネルギー整備への投資が落ちるなど,さまざまな副次的影響を考えるべきであり,影響予測はそんなに簡単ではない。
- Silverman JD et al. "Using influenza surveillance networks to estimate state-specific prevalence of SARS-CoV-2 in the United States" DOI: 10.1126/scitranslmed.abc1126(Science Translational Medicine,2020年6月22日掲載)は,USAのCovid-19の州別有病割合をインフルエンザサーベイランスネットワークを使って推定するという話のようだ。後で読もう。
- 院生に教えて貰ったが,ソロモン諸島のAukiでHousey B et al. "Dietary Diversity of an Adult Solomon Islands Population."(Nutrients,2019年7月17日掲載)FAOのDDを使って食品摂取多様性を調べた研究があった。食品摂取多様性と食事の質という特集号掲載論文の1つ。このジャーナル,IFが4もあるのか。
- 常用しているテキストエディタMeryの3.0.4がリリースされていた。Version3から実装されたマルチカーソル,うまい使い方をすれば便利だと思うのだが,まだ使いこなせない。
- また査読依頼メールが来た。微妙に自分の専門ではないのだが,重要なトピックだと思うし,これがど真ん中で専門という人もあまりいないと思うので,受けるべきだろう。
- 岸田直樹先生がtweetされていた,NEJMのSpecial Report,Barnes M, Sax PE "Challenges of “Return to Work” in an Ongoing Pandemic."(2020年6月18日掲載)は,職場を再開し経済を回るために必要な,日常生活上の留意点,職場の分節化,出張についてのポリシー,検査戦略,モバイルアプリによる接触追跡,等をまとめたもののようだ。
- 専門家会議終了とは,今後のCovid-19対策は悪化必至。絶望しかない。発足当初から,専門家会議が力を発揮できるように政府を監視すべきと何度も書いてきたが,結局切られてしまった。政府と一体視して専門家会議を叩いていた人たちの言説は,政府の思う壺だったということ。
- 高橋周平選手のツーランホームランで先制したが,保健学研究共通特講IV, VIIIが終わってみたら逆転されていて,そのまま2-3で惜敗。辛い。
- 今日の保健学研究共通特講IV, VIIIは三重大学の谷村先生に地理情報データ解析と空間疫学について喋って頂いたのだが,Covid-19についての空間疫学は既にレビュー論文が出ていて,Franch-Pardo I et al. "Spatial analysis and GIS in the study of COVID-19. A review"(Science of the Total Environment,10月15日号,2020年6月8日掲載)。個別の論文では,早いものとしてはZhou C et al. "COVID-19: Challenges to GIS with Big Data"(Geography and Sustainability,2020年3月20日掲載)もあるし,最近だとOktorie O, Berd I "Spatial Model of COVID 19 Distribution Based on Differences an Climate Characteristics and Environment of According to the Earth Latitude."(Sumatra Journal of Disaster, Geography and Geography Education (SJDGGE) ,2020年6月2日掲載)など,いろいろ出ている。
- 神戸大学のネットワークは仮復旧したという通知が届いた。しかし学内外の帯域は従来の半分しかないとのこと。
(list)
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