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【第443回】 例によって遠隔で丸一日講義(2020年7月9-10日)
- 6:50起床。76.50 kg。
- 3月にやっていたレベルの行動変容(ただし,小中学校の全国休校のような不合理な制約は含まない)を1年以上続けることが重要。今は緩めすぎ。居酒屋で対面で飲むとかいったレベルで緩めるには,NZや台湾のように,国内での新規感染がゼロという状態が2週間続いた後で,流行地からの慎重な入国制限をしながらでなくてはいけない。たぶん日本は慎重な入国制限などしないだろうから,3月にやっていたレベルの行動変容はずっと続けないと。そうしなければ,まず間違いなく感染爆発になる。たんに感染者が少ないから死者が少なかっただけなのに,未知のファクターで守られているなんて信じない方が良い。
- 1限から4限まで講義で喋り疲れた。次はミーティングの前に18:00からの院生相談に応じることになっている。
- その後18:30からミーティングがあって,終わってから晩飯。
- ドラゴンズとスワローズの試合をradikoで聴いていたら,8回裏に逆転して夢を見たのもつかの間,9回表に岡田投手が山田哲人選手に1ボール2ストライクから4球目に暴投してランナーが2,3塁に進んだところで申告敬遠という意味不明な采配があり(一昨日押し出し四球を出している投手に満塁はきついだろ),後続に打たれて4失点という辛い展開。心が折れそう。9回裏,ノーアウト1,3塁からビシエド選手の犠牲フライで1点返したがそこ止まりで負けた。
- 明日から全国一律イベント制限緩和というのは暴挙。22日からGoToキャンペーン開始というのも信じがたい。一度打ち出した流れは止められないのだろうか。大事なことはCOCOAの登録率を上げ,それまでは保健所の方の手作業で網羅的に接触追跡して,HER-SYSも早いところ稼働させて,データの集計と発表を一元化して迅速に報告することと,検査なしでも濃厚接触者は個別に隔離生活ができるような体制を整えることで,それによって新規感染者を抑えることができれば順次イベント制限を緩和しても感染爆発にならないと思うが,順番を間違えている。
- 何日か前に触れたぷらそにかでLove Harmonies Inc.でsinfoniaでソロ活動もしている早希さんだが,大学ではパラクパニールというグループで活動していたのか(この動画は途中のMCが学生サークルっぽくグダグダな感じだが,その後にやったGoosehouseのカバー「オトノナルホウヘ→」という選曲は良かった。音のバランスが今ひとつで,ああGoosehouseは凄かったなあと思ってしまったが,去年のハモネプにはこれで応募してたのか)。「いのちの理由」のカバーなど聴いていると,やはりsinfoniaでメジャーデビューして欲しいと思うが。
- 金曜は7:50起床。76.90 kg,98%,36.7℃。
- 東京都医師会の会見,室内で会話をするときはマスクをすべきと説明しているのに,なぜか待機中はマスクをしていて,説明をするときだけマスクを外すという,意味不明な行動をしている。喋るところは透明アクリル板があるのでマスクを外しているというのかもしれないが,黙って座っている間もマスクをしている意味はないだろう。喋り終わってからマスクをするという行動は誤ったメッセージを伝えるので止めて欲しい。あと,相変わらず若い人にとってはインフルエンザより重症化しにくいという誤った情報をいうのは止めて欲しい。
- JCS2020の西浦さんと山中先生の対談(7月13日朝9:00まで動画視聴可能)。クラスターの規模が違うという話は興味深い。ぼくは生活習慣や対人距離の文化的な違いで東アジア・東南アジアはクラスター以外のRが低いのではないかと以前から書いているが,クラスターの規模は考えなかった。BCG仮説は当初南米に流行が到達していなかったためのアーテファクトらしい。河岡先生が言われたという,急性ウイルス感染症では中和抗体が減衰するのが普通という話もさることながら,だいぶ気を遣った表現になっていたが,東京がこのままでは感染制御不能になることはたぶん間違いなさそう。感染を隠さず対策できるような環境作りが必須という話だったが,それはその通りだろう。質疑の最後の方で西浦さんが語っているように,USAが集団免疫路線に転換しないとは限らないという危惧は確かにあって,そうなると世界が壊れてしまうかもしれないので,全然楽観はできない。野球で言うと2回表のコロナウイルス攻撃中という比喩はわかりやすいと思った。
- 今日はドラゴンズとカープの試合で,9回裏に追いつき,延長10回裏にビシエド選手のサヨナラホームランで決着が付いた。首都圏の球場にも客を入れるのはどうかと思うが,球場で見ないと凄さがわからないプレーもあるからなあ。
- この数日話題になっている,経気感染(と訳したい,airborne infection:なぜなら,日本ではこれまで空気感染というのは飛沫核感染を指す言葉だったし,airborne infectionには飛沫感染もマイクロ飛沫感染も含まれる,vector-borneとかfecal-oralと対比される感染経路を示す言葉なので)に今こそ対処すべき時,と239人の科学者が共同アピールしたという文章は,Morawska L, Milton DK "It is Time to Address Airborne Transmission of COVID-19." Clinical Infectious Diseases(2020年7月6日)で,署名した科学者の一覧もSupplementとしてリンクされている。
- UKはLeicesterという都市で2位の都市の3倍の患者発生が見られていることから,その都市だけのロックダウンをするというBMJのニュース,Mahase E "Covid-19: How does local lockdown work, and is it effective?"(2020年7月3日)。
- BMJ Opinionというブログ記事Shahid HJ, Waqar S "Covid-19 and ethnic minority communities—we need better data to protect marginalised groups"(2020年7月7日)は後で読んでおきたい。
- Lancet MicrobeのSchlottau K et al. "SARS-CoV-2 in fruit bats, ferrets, pigs, and chickens: an experimental transmission study"(2020年7月7日)は,タイトル通り,SARS-CoV-2をフルーツコウモリとフェレットと豚と鶏に感染実験してみたところ,豚と鶏には感染せず,フルーツコウモリにはよく感染したのでリザーバーホストである可能性があり,フェレットに感染させたときのウイルスの増加は無症状感染しているヒトでの状態に似ていたので,今後ワクチンや抗ウイルス薬を試す実験動物としてはフェレットが適していると主張している。
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