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【第469回】 会議とか(2020年8月5日)
- 7:45起床。78.0 kg,99%,35.9℃。昨日はあれだけ歩いたのに……。
- 昼からオンラインで運営会議。いろいろ問題山積み。
- 認知の歪みがいろいろな人に影響を与えている気がする。
- 大阪府知事がこのtweetで語っている会見の内容,変なところだらけだが,他の人が指摘していない根本的に変なところとして,比較した非含嗽群が*既存データ*であって比較可能性がないことと,陽性割合の数字が分母41とは合わない点を,tweetした。この2点は明らかに変だ。資料の「宿泊療養から医療機関への入院搬送をendpointとして評価」も,まったく意味が通らない。普通に考えると,今回の解析は観察研究の副産物であって,本来の研究デザインとは関係ないということか? あるいは,入院搬送例は観察対象から脱落していったという意味か(それは「エンドポイント」ではないが)? もし後者だとすると,症状が重くなった人を分母から除外していって最後に陽性割合が2/21になったのだとしても,搬送された人は陽性のままなのだろうから,陽性割合は22/41にしかなっておらず,9.5%という値には何の意味も無い。その辺り,発表資料では全然わからないが,大阪府の資料に「解析:横浜市立大学 臨床統計学 山中竹春教授」とクレジットされているので,メディアは取材してみたらどうか。
- ところで,大阪府の資料には,どうして,厚労省の診療の手引きに既に掲載されている,レムデシビルとデキサメタゾンによる治療についての記述がないのだろう?
- 流行地域からの無症状感染者の入国に起因する感染拡大を防ぐにはPCR検査しなくても,2週間の隔離検疫が有効であることは,南太平洋諸国をみれば明らか。
- 東京外国語大学のオープンアカデミー。15回の語学講座を25,000円で受講できるのだが,Covid-19のため暫くはオンラインで実施されることになったようだ。これは凄いチャンスかもしれない。初級タイ語を申し込んでみるかな。
- Zoomのバージョン5.2.0 (42619.0804)をダウンロードセンターからダウンロードしてインストールしたら,新規ミーティングを開始できなくなってしまったとtweetしたが,一度アンインストールして再インストール後にログインし直したら問題解決した。もし同じ問題に遭遇した人がいたら,お試しいただきたい。
- 沖縄の状況についての高山先生のFacebook記事。
- Android 11では濃厚接触通知システムをOSに標準搭載へ:位置情報設定オフでも利用可能に(ケータイWatch,2020年8月5日)によると,Android 6-10の仕様で,「プライバシー保護の観点から、端末の位置情報設定をオンにしなければBluetoothのスキャンが行えない」となっていたそうだが,Android 11では位置情報設定がオフのままで良いとのこと。Google JapanのBlog記事で,Exposure Notifications System のアップデートについて (2020年8月4日)が詳しい。
- ドラゴンズは今日もほぼ完敗。ビシエド選手の不調が痛いのと,ベイスターズ打ち過ぎ。
- メールの返事を打ち終わってから帰途に就き,22:30頃帰宅して淡路ビールを飲んでから軽く晩飯。生活リズムとしては良くないのだが。
- かつて学生が企画した,ヨガを取り入れた軽い体操を10分くらいやってもらってストレスが軽減されるかという研究でさえ,研究者が考えたことを参加者にやって貰う介入研究だから,UMINの(でなくても良いが,何らかの公的な)介入研究データベースに登録する必要があり,それを含めた倫理審査に半年掛かって,実際の研究は1日,統計解析と文章を書くのに2週間という,不思議な卒業研究になってしまったことがあった。デザインが変だと書いたのは,センター長名で公開されている資料に,観察研究と書かれていることで,「入所者にポビドンヨード含嗽をして頂く。当該含嗽者データ、既存非含嗽例データを大阪府市から提供頂き、比較検討」ならば,対照群が既存データという,この場合には発症後日数,年齢,医療機関に掛かった経緯など,結果に影響するであろう要因が何も統制されていないため,朝も書いた通り不適切な比較をしている単群介入試験(通常,単群介入試験では介入前後の比較をするが,無症状や軽症で日が経てば介入なしでもウイルスが減ったり消えたりすることは当然起こりうるので,この場合は前後比較にも意味が無い)のはずだ。百歩譲って,もしポビドンヨード含嗽が観察研究なのだとすると,(まずありそうにないことだが)元々1日4回の含嗽をしていた人たちだけが研究参加者ということになり,軽症患者全体を代表していない可能性が高く,やはりデザインとして不適切だ。研究を主導したらしい松山センター長がリモート出演したワイドショーでは41人を25人の含嗽群と16人の非含嗽群に分けて小数点以下の陽性者が存在するという不思議な説明がされていたとtweetで教えていただいたが,これは「既存非含嗽例データ」という資料の記述と矛盾する。以上まとめると,アップロードされている資料自体,少しでも疫学の基礎知識があったら恥ずかしくて出せないくらいに無茶苦茶で,効果について真面目に検討するに値しないものなので,もし本当はこんなにデタラメなのではなく資料だけが間違っているのなら,大阪府は早く見え消しで訂正版を出すべきだと思うし,中身自体が臨床疫学的に無価値なことしかしていないものなら取り下げた方が良い。
- LibreOfficeの7.0がもうダウンロード可能になっていた。
- 「胸痛む夏」は三砂さんらしさが出た良記事と思う。
- 海部陽介さんのtweetで紹介されていた,人類はいかにして島に渡ったか:人口シミュレーションによる「漂流説」の検討,とても興味深い。ちゃんと原著論文もリンクされていたので,後で読んでみよう(時間的都合によりすぐには無理だが)。Viable population for conservationにMinimum Viable Populationは50と書かれていた記憶があるが(遠い記憶なので曖昧),10人で遺伝的多様性は大丈夫なんだろうか? とtweetした。
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