Emanuel EJ et al. "An ethical framework for global vaccine allocation"(ScienceのPolicy Forum,2020年9月3日)は,首尾良く有効なワクチンが開発できたとして,接種の公正な優先順位のモデルとして「公正優先順位モデル(Fair Priority Model)」を論じている。ターゲットとなるのは,国という枠組みを超えて公正な配布をするためにワクチンを購入しようとしているCOVAX(GAVI,WHO,CEPIによる仕組み)(参考),ワクチン製造企業,各国政府の三者で,死亡や後遺症による標準化された余命損失(Standard Expected Years of Life Lost: SEYLL)を小さくするような配分の仕方を3つの段階(若い人の死亡を減らす段階,深刻な経済社会損失を減らす段階,社会が完全に機能する状態に戻る段階)に分けて提案しているようだ。