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【第559回】 予想通り(2020年11月10日)
- 7:00起床。79.20 kg。予想通り,これは本格的にヤバいな。海回りで出勤するか。が,着る物がなくなってきたので洗濯してからだな。
- 予想通りと言えば,COVID-19の新規患者数の増加傾向も。GoTOTravelとかGoToEatとか大学の対面授業全面解禁とかマスギャザリングイベント解禁とか,新規感染者が十分に減っていないのに,これだけ行動制約を緩めていたら増えるのが当然。昨夜尾身先生が,外食時に食べたり飲んだりするときだけマスクを片耳だけ外して口に入れ,咀嚼後はまたマスクをしてから喋ればOKと言われていたが,普通の人間には無理だろう。逆にそうまでして複数人で外食に行くメリットがない。旅先で万全の感染対策というのも,ビジネスなら別に目的があるからできるかもしれないが,観光では無理だろう。メディアは寒さと乾燥の中でも換気が大事ということを強調しているが,一人暮らしの人には意味が無いということを伝えないなあ……と思っていたら,グッとラックで三時のヒロインの福田さんが北村先生に質問して必要ないという解答を引き出していた。福田さんGood job。
- ふと書いていないことを思い出したが,ファクターXを信じることと,同じワクチンや薬が世界中どこでも同じように有効だと素朴に信じることは矛盾している。たぶん矛盾に気づかない人が多いのだろうが,ある国や地域だけに特異的な病気の制御因子としてのファクターXの不在が,メタアナリシスがもたらすエビデンスが人類共通であるという普遍性の前提なのに。ただ,人類学や環境保健学の成果をみれば明らかなように(環境保健学的な考え方からすれば,体外に存在するときのウイルスの動態に大きく影響する環境条件や行動様式も地域によって違うし,それらも流行曲線に影響するが,ファクターXとはまた別の話),実際は,酵素の遺伝的多型の頻度分布には国や地域や民族による差がかなりあるので,あるという証拠もないがファクターXはあるかもしれないし,薬にしてもワクチンにしても国ごとに治験をして有効性と安全性を確かめてから使うのが常道で,それをすっ飛ばして他国で行われた治験結果を援用して承認すべきではない(原則としては)。アメリカで第三相臨床試験の結果90%「有効」とされるワクチンができても,そのまま即時全世界で接種開始すべきとは言えない。この件,本当はどこかでもっと丁寧に書くべきかも。
- とはいえ,CFRに国や地域による違いはシンガポールを除けばそれほどないので,死亡を防ぐファクターXは明確にはなさそう。シンガポールは謎なのだが,もしかすると累積死亡者数に,シンガポールで感染して国外で亡くなった人が含まれていないとか? 全体としては,やはりCOVID-19は1月のWHO報告で示されたCFRとR0から示唆された通りにスペインかぜに匹敵するパンデミックと考えるべきだと思う。
- 洗濯物を干し終わったので名谷キャンパスに出勤する。97%,36.0℃。
- NZは11月10日朝現在,感染している人が52人いるが,そのうち51人は管理施設,1人は在宅で,病院に入院中の人はゼロ。感染したのは46人が海外旅行中,4人は海外で感染した人からの感染で,2人が調査中ということで,海外で感染して帰国する人の管理にもほぼ成功していると見て良いと思う。いったん終息させればこういうやり方が可能。
- 公衆衛生実習の3グループ同時モニタが終わってから留学生対応とかメールの返事とか。20:00頃帰途に就き,晩飯を適当に作って食べてから翌日の講演資料を完成させたら日付が変わっていた。
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