【第1494回】 日本健康学会＠弘前（2023年11月30日-12月2日）

• 木曜は6:20に起きてテレビ体操後、六甲に出勤して１限から４限まで講義。その後、坂を降りて阪急六甲の手前からバスに乗って布引下車、新神戸から新幹線に乗った。
• 新幹線車内から日本健康学会の理事会にZoom参加。音声がぶちぶち切れるのはともかく、ヘッドセットを付けていても喋るのは憚られるので、ほぼ聞くだけになってしまった。東京駅から夜行バスに乗って弘前へ。
• ノクターン号は10Bという最後尾の席だったこともあって気兼ねなく座席をリクライニングさせることができ、快適だった。
• 弘前は雪。スタバに歩く間はわりと天気が良かったが、スタバで朝食をとっている間に雪が本降りになり、弘前大学医学部コミュニケーションセンターに歩くわずかな間にザックが雪まみれになった。
• 一般口演に続いてシンポジウム１。eduroamでネット接続できるので、発表を聞きながら文献検索できるのは便利だ。
• 本田先生の講演は複数の要因を同時に見る人類生態学的な視点の重要性を強調されていて素晴らしい。PRIME (NIEHS)とか、Table 2 Fallacyとか。
• 今井さんも化学物質複合曝露の話。遺伝要因に比べて環境要因の研究は遅れている。Exposome（Wildがこの概念を提唱したのはこれだが、同名学術雑誌の創刊号巻頭言の方がわかりやすいので）。TEQは相加作用的な考え方だが、複合曝露の結果には、相乗作用や拮抗作用もある。疫学研究では２つの化学物質のsynergistic effect（相乗作用）やantagonistic effect（拮抗作用）を書いているものは多いが、相加作用を書いているものは少ない（注：交互作用なしということだからか？）。３つ以上の物質の作用を同時に調べるにはGLMMなどを使うわけだが、いろいろ問題はある。メカニズムは無視して機械学習で予測だけできるようにしてしまおうというアプローチもある（限界もある）。リスク管理上は、個々の物質自体の効果よりも複数の曝露影響の総体を知りたいので、伝統的な疫学とは異なるアプローチが必要。感染症疫学では個人ベースのシミュレーションも使われているが環境毒性学ではどうなんだろうと思ったが、検索してみたらこれが見つかった。他にもあるかも。
• 次は岡先生で、地球温暖化と熱中症救急搬送。搬送の半数は高齢者。人口動態統計によると熱中症による死者の８割は高齢者。屋内の死者の９割はエアコンを使っていなかった。山口が高い理由は何なのか聞きたかったが、質疑の時間は残っていなかった。最後は橋爪先生で、自分も講義で説明しているAR6 WG2の話だったので、個人的にはあまり目新しくはなかった。
• その後は優秀論文表彰式、評議員会、一般口演２、特別講演、シンポジウム３と続き、ポスター発表リモート２の座長を分担し、学術サロンに出てから懇親会。弘前バスターミナルから弘前公園に歩く途中で見かけたレンガ造りの美しい建物が会場だったので驚いた。シードル各種が美味かった。
• 懇親会がお開きになった後は、大人しくスーパーホテルにチェックインした。大浴場は素晴らしい。
• ドラゴンズが中田翔選手と交渉するという報道が出ているが、代打としては中島選手と契約したわけだし、ファーストにはビシエド選手がいるので、必要なピースとは思えない。
• 土曜の朝は6:10起床。ホテルの部屋が狭いため、手や足の動きが制約されるが、テレビ体操。
• スーパーホテルの朝食は品目が多いバイキングで素晴らしいな。8:15頃にチェックアウト（スーパーホテルは何も手続きがなく、そのまま出ていけば良い）して会場に向かう予定。
• 予定通り9:00少し前に会場に着き、一般口演とシンポジウムに出て、昼で学会終了。昨日の懇親会場で昼飯を食べてからシードルを2本買って弘前駅へ。ちょうど13:45発が出てしまった直後だったので、次の各駅停車は2時間後だった。元々それに乗る予定だったから良いのだが、それにしても手持ち無沙汰だから、自家焙煎珈琲店を探して豆でも買うかと思っていたら、偶然門司さんと知保さんに会って、ホテルのラウンジでビールを飲みながら話すことができ、ちょうど良い時間になった。
• 新青森→東京、東京→新神戸と新幹線を乗り継いで帰宅したら日付が変わっていた。疲れた。
• たぶん基礎知識として、Li Y et al. Both simulation and sequencing data reveal coinfections with multiple SARS-CoV-2 variants in the COVID-19 pandemic. Computational and Structural Biotechnology Journal, 20: 1389-1401 (2022)やCampos C, Colomer-Castell S, Garcia-Cehic D et al. The frequency of defective genomes in Omicron differs from that of the Alpha, Beta and Delta variants. Sci Rep 12, 22571 (2022). https://doi.org/10.1038/s41598-022-24918-8やMarkov PV, Ghafari M, Beer M et al. The evolution of SARS-CoV-2. Nat Rev Microbiol 21, 361–379 (2023). https://doi.org/10.1038/s41579-023-00878-2くらいは読んでおかねばならないだろう。

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