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【第1596回】 新年度(2024年4月1日)
- 6:40に目が覚めた。今日もテレビ体操できず。もう新年度ではないか。
- 豚バラ肉野菜炒めを作り、レトルトご飯を電子レンジ加熱し、冷奴を添えて朝食。コスタリカイエローハニーのハイローストを挽いて淹れ、水筒に詰めて名谷キャンパスへ出勤。
- ニュースやワイドショーでは、紅麹コレステヘルプからプベルル酸が検出されたという話でもちきりだが、Pubmedで"puberulic acid"を検索すると抗マラリア活性の論文がいくつか見つかるだけで、食中毒の原因物質として報告されたものは見つからない。3月29日の厚労省関係閣僚会議資料によると、プベルル酸を原因として報告したのは小林製薬自身で、今後国立医薬品食品衛生研究所が、「保存されているサンプルについて、ロットを限定せずにHPLC等の理化学検査を行い、原因となり得る物質(プベルル酸を含む。)を網羅的に検索し、ピークが出た場合は、化合物の同定を行う。」「上記の分析結果を踏まえ、物質の発生機構について、あらゆる可能性について検討する。」の2点を行うとのこと。混入過程もわかっていないし、まだこれが原因物質であると決めつけるのは時期尚早かと思う。
- そもそも、腎臓学会が症例報告を集めているところなので、明確な症例定義がまだできていないのではないかと思われる。腎障害にはさまざまな原因があるので、腎障害全体を症例とすると、非摂取の人も少なからず含まれるだろう。この朝日新聞記事(2024年3月29日)によると、50代から70代の女性3人の尿細管間質性腎炎患者を治療した日大板橋病院の医師が「共通するのは同じサプリメントを摂取していたことのみ。サプリに含まれる何かの物質が引き起こしたのでは」と語ったそうだが、地域集積性とかはどうなのだろうか。他の症例とされている方も、皆尿細管間質性腎炎なのだろうか。その辺りのことが、かなり詳しめの報道(NHK関西, 2024年3月22日)を見てもわからない。紅麹コレステヘルプの摂取によって腎障害のリスクが上がったことを示すためには、紅麹コレステヘルプ摂取群と非摂取群(非摂取であることを除き他のすべての条件が摂取群と同等である必要があり、たぶんマッチングするべきだろう)の間で腎障害の発症リスクを比べるか、症例対照研究をして、症例の方に共通する要因として紅麹コレステヘルプ摂取割合が有意に高いことを示さなくてはならないが、前者がされたという話は聞かないし、後者のためには明確な症例定義が必要なはずだ。小林製薬や厚労省のサイトを探しても症例定義がわからない。食品衛生法の第6条第2項に該当するとして同法第59条に基づく廃棄命令を出すように大阪市に指示したと前出の厚労省関係閣僚会議資料に書かれているが、今回、通常の食中毒の対応ルート(または食中毒処理要領)にある、同法第58条に基づく医師から保健所への届け出があったのかも良くわからない(明確に書かれている資料が見つからない)。厚労省か食品安全委員会はどこかのタイミングで総括して欲しい。
- 今日は教員会議の前に写真撮影があるのだが、専攻主任になったから最前列だったことをすっかり忘れていて、スーツを着てきていない。ジャケットしかないが、まあ許してもらおう。
- というわけで撮影とオンラインの教員会議が終わった後はメール処理。その後、急ぎの仕事が入ってきて、23:00近くなってから帰途に就いた。
(list)
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