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【第1725回】 講義3コマの翌日は実習(2024年10月7-8日)
- 月曜は1限に名谷で国際保健の講義。ハイフレックス形式だが1:2くらいでオンラインの方が多かったか。3,4限も対面の講義なので、昼飯を早めに買ってこよう。3,4限の180分間喋ったので疲れたが無事終了。
- 火曜は会議とか実習指導とか。グループ実習の計画が毎年2週間で何とかできそうなものにまとまっていくのは、神戸大学の検査の学生が能力も意欲も高いからだろう。
- 10th Anniversaryだからなのか、リトグリの昔の名曲のフルバージョンMVがYouTubeの公式チャンネルで一気に公開されていた。何と太っ腹な運営。
- 日付が変わるとManakaの2nd digital singleとリトグリのBreak out of your bubbleの配信販売が始まるはず。その前に『宙わたる教室』の第1回を見なければ。NHK富山放送局の原作者インタビューも情報量が多くて、伊与原新ファンは必読。地球惑星科学の研究をする人たちはとてもユニークで、理論の人もだが、フィールドの人はもっとそうで、ソロモン諸島のマライタ島で出会った丸山茂徳先生のグループやドイツのグループも大荒れの天気の中、人類学者でも行かないような行程で移動し、大変苦労をしてサンプル集めをしていた。ドイツのグループが集めたサンプルが重すぎて飛行機の出発時刻が遅れに遅れた記憶がある。
- というわけで、録画もしたがリアルタイム視聴。かなり原作に忠実に、誠実に作られたドラマだった。素晴らしい。唯一、ディスレクシアを確認する場面でUDフォント(と思われる)で文章を見せたら読めた! となる場面がなかったが、もしかすると現実にはフォントだけではそんなに改善しないということなのか?
- こういう言い方は野暮かもしれないが、trial and error(ドラマではtry and errorと言っていた気がするが)を続けることを通しているうちに何らかの達成感は得られるし、それは一人一人違っていて良いのだし、だからこそ尊いのだというのが大テーマなストーリーであることに共感するし、それを支えるディテールが素晴らしい。地学実験の再現のこだわり方が凄い。エンディングで流れた「Break out of your bubble」は、もう少し前の場面から流れ始めても良かったような気はするが、たぶん今年ベストなドラマになると思う。
- ところで、『宙わたる教室』の舞台は定時制高校に作られる科学部なのだが、ターゲットはほぼ地学で、何度も書いているように地学部小説は珍しく、他には同じ伊与原新さんの『青ノ果テ:花巻農芸高校地学部の夏』と川端裕人くんの『空よりも遠く、のびやかに』くらいしか見当たらない。天文部を舞台にした小説はたくさんあると書いたが、その一つともいえる、辻村深月『この夏の星を見る』を読んでみたら、天文部小説というよりも、珠玉のコロナ文学であった(これもターゲットは天体観測だが、出てくる部活は中学の理科部だったり、高校でも物理部だったり、五島列島グループは学校の部活でさえなく天文台でのサークル的な活動であった)。COVID-19パンデミックはいろいろなレベルで世界を変えたし、その地球規模のインパクトと波及効果の大きさは、たぶん感染症としてはスペインかぜ以来、他の出来事でいうと、911以来ではないかと思う。日本に限って言えば、阪神・淡路大震災や東日本大震災も多くの文学作品に影響したが、世界レベルで人びとの行動や価値観に影響した点では、COVID-19パンデミックが近年最大だと思う。たぶん文学部とかで、COVID-19が文学作品に与えた影響とその推移、みたいなテーマで卒論を書く学生も多いのではないか。
- 『この夏の星を見る』の次は、マイブーム中の伊与原新『ルカの方舟』Kindle版だな。ちょっと読み始めたところ、百地教授が仕事を押し付けられる場面が身につまされた。
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