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【第329回】 盛和スカラーズソサエティ総会の日(2013年4月21日)
- 5:30起床。料理をして食べ終わるまで1時間。これから3時間で査読を完了させなくては。
- Rcmdrの開発者であるProf. John FoxがR-develに投げて,いくつかメールの応答があった後で,Prof. Ripleyがローカルな問題だろうからリストからは外そうと提案した,R-3.0.0でWindows上でパッケージを作った時のPermissionの問題が,再びR-develでやりとりされているようだ(ちゃんとフォローする時間が無いので,subjectが似ているだけで別の問題かもしれないが)。pyramidかfmsbを次にバージョンアップするときには読む必要があるだろう。あるいは,それまでに解決すれば問題ないが。
- 結局,三宮に向かうバスの中で査読コメントを完成させ,三宮から十三に向かう阪急電車の中から事務局にメール送信した。十三から嵐山行き直通特急(桂までの間,淡路しか止まらない)から桂で快速特急に乗り継ぎ,終点河原町まで。歩いて鴨川を渡り,京阪電車の祇園四条から神宮丸太町まで2駅という行程は,早いし安いし,今後も使おうと思った。さてしかし。神宮丸太町から徒歩5分のはずなのに,間違えて京大病院の方に行ってしまい,ぐるっと回って京都賞ライブラリーがある建物に着くまで20分かかった。若干遅れたが,紹介ビデオが流れる前だったので良かった。しかし自分以外の参加者は全員,今年の稲盛財団研究助成金を受ける若手研究者で,かつて研究助成金をいただいて盛和スカラーシップソサエティ会員という立場で参加している人は自分だけだった。ハミルトンの補蝶網(と掲示されていたことに,そこで撮った写真を見てから気づいたが,捕蝶網だと思っていた)の汚さとか,Karl Popperの手紙とか,アラン・ケイがボール紙で作ったDynabookのモックとか,興味深いものが多く,見て良かった。受賞者が顔写真入りの金属パネルで一覧できるようになっていたパネルがあったのだが,もうスペースが無かったので,次の受賞者はどうなるのか尋ねたところ,何とかして張り出しますというお答えだった。壁面を増やすのか,あるいは既に28回ずつ3部門だから84枚ある金属パネルのすべてを,幅を狭く作り直すのか,いずれにせよ大変だなあと思った。余計なお世話だろうが。その後,バスに乗って,助成金の授与式と盛和スカラーシップソサエティ総会が行われる宝ヶ池に移動した。暫く待った(その間に,自分よりさらに数年前に助成金を受けられ,既に研究者としてはリタイアして,教育活動をしながら悠々自適な生活をされている方とお話しした。水彩画の個展をされたりしているとのことで,画集をいただいてしまった。ありがとうございました)後,授与式では,群大のテニュアトラック助教の方が2人もいて驚いた。まあ,それだけ実力のある若手研究者が集まっているということだろう。総会での講演は大阪大学の小林傳司先生による「科学と社会」という,いわゆるSTSネタであった。その後の懇親会は,ショウジョウバエを使って時計遺伝子の研究をされている方と,東大合原研の出身の財団職員の方との話が盛り上がり,あっという間に時間が経ってしまった。疫学とかリスク論とか人口学といった,欧米では多くの大学に研究室があるのに,日本では専門の研究者が少ない学問の共通点はtransdisciplinary(今日の小林先生の言葉で言うと,「隙間を埋める」に近いか)あるいはmultidisciplinaryなことだと思う。環境学プログラムみたいなものは増えてきたが,この3つはその基幹であるにも関わらず研究室として常置されている大学は少ないのが問題だろう。既存の学部の下に設けにくいのがネックなのか。学会から文科省へというルートで提言すればいいのか?
- 復路は地下鉄国際会館前駅から四条まで乗り,阪急烏丸駅まで歩いて(構内が連結している),後は往路の逆。三宮でバスへの乗り継ぎが悪く,ジュンク堂で結城浩『数学文章作法・基礎編』や鄭雄一『東大理系教授が考える道徳のメカニズム』ベスト新書,ISBN 978-4-584-12399-7(Amazon | honto | e-hon)など数冊を購入して,バスに乗って帰ったら22:00近かった。ベスト新書の著者である鄭君は,ぼくとは開成の同級生だが,中高通して常に学年トップの成績を軽々と(少なくとも傍目にはそう見えた)維持していて,当然のように現役で理科III類に入った,同級生の間でも常に一目置かれている人物である。その彼が書いた一般向けの本であるからには,絶対に何か得るものがあるだろうと期待している。なお,「おわりに」で謝辞を捧げられている方々には肩書きがついていないのだが,ほぼ半分は開成の先生方であった(去年の学年会で『弱くても勝てます』を紹介された橋本先生にも謝辞が捧げられていたので,今年の学年会ではきっと本書を紹介してくださるだろう)。帯の惹句に『「なぜ悪いことをしてはいけないの?」に,どう答えますか? 哲学者・思想家たちが解明できない問いに,理系的視点で挑む!』とあって,章立てが,問題提起,先行研究,モデル構築,応用展開1,応用展開2,シミュレーションと予測となっているので,中身もユニークなものと思われる。読んだら,また触れるつもり。
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