個別鵯記

【第1457回】 公衆衛生学の講義のため，まずは資料印刷から（2016年11月21日）

• 6:00起床。昨夜眠る前に打ったメールにご返事いただいていたのでお礼を打ち，内容に基づいてLINEで通知。
• 冷や奴を食べながら生パスタを茹で，レトルトのミートソースを温めて掛け，パルメザンチーズを振って朝食を済ませた。昨日に続きプリマヴェーラ農園のコーヒー豆を挽いて淹れ，水筒に詰めてから，可燃ゴミを出して4番のバスで出勤。
• 今日は3限の公衆衛生学講義と6限のミーティングがルーティンだが，まずは講義資料印刷からか。合間に締め切り過ぎ仕事をする。
• 昨日アップロードされた，Goosehouseのカバーによるさだまさし「雨やどり」はいい味出してる。この映像で使われているすべての絵を描かれた竹澤汀さんが来年早々のツアーを最後に脱退してしまうということは，今後はこういう企画は無くなってしまうのだろうか。だとしたらとても残念だ。いや，それ以上にパーカッションをどうするかの方がGoosehouseにとっては大きな問題だと思うが。
• 昨日，一昨日に続いて勉強することの意義をもう１つ書いておく。それは，物事について多角的な見方ができるようになり，無駄な争いを避けたり，問題の解決策を思いつくことができるということだ。その意味で中学生や高校生にお薦めしたい本が，鄭　雄一『東大理系教授が考える道徳のメカニズム』（ベスト新書）で，鄭君がお子さんの問いかけに答えていくという体で書かれているので，文章自体は平易で，中学生でも読めると思う。書かれている内容を完全に理解できるかというと別問題だが，たぶん日常的に人間関係などに悩みをもっている中学生や高校生にとっても救いになるのではないか。
• ミーティングはソロモン諸島の首都ホニアラでの肥満についてのcase-control studyをした修論の中間報告。PFCバランス（昨年でた日本人の食事摂取基準(2015年版)から，「エネルギー産生栄養素バランス」と呼び方が変わったようだ）について，WHOやFAOの資料が見つけられないというので調べてみたら，このFAOの資料には，"Changing diet composition with no energy intake change"の項に以下の言及があり，

  Altering diet composition without a change in total energy intake should have relatively modest effects on body weight and body fat content. There are at least two ways that such a change in diet composition could affect body weight. First, the thermic effect of carbohydrate is greater than the thermic effect of fat. Changing to a lower fat diet (assuming total energy and protein intake remain constant) means changing to a higher carbohydrate diet, which will increase total energy expenditure. The magnitude of increase in energy expenditure depends on the magnitude of change of the carbohydrate/fat ratio, but is probably relatively small and of questionable importance in body weight regulation for reducing dietary fat from 35-40% to 20-25% of total energy intake. Second, altering the carbohydrate/fat ratio of the diet requires that substrate oxidation rates be readjusted to the new macronutrient intakes. If total energy expenditure is not changed, these changes occur relatively rapidly, with carbohydrate and protein balance being reachieved more quickly than fat balance (108,109). Negative fat balance and some loss of body fat will occur until fat balance is reachieved. It is difficult to predict the rapidity with which fat balance will be reachieved following a reduction in fat (and an accompanying increase in carbohydrate intake).

  もっといえば，Clay WD (1997) Preparation and use of food-based dietary guidelines.には，総エネルギー摂取のうちタンパクにより8-10%（ベジタリアンは10-12%，高齢者は12-14%），脂質により少なくとも15%（子育て中の女性は20%，活動量が多い人は最大35%まで，座業が多い人は最大30%まで），炭水化物は大抵の人で50%以上，と書かれている（このClayの文献で引用されている，WHO/FAOのジョイントカンファレンスのレポートは，これ。Annex 1に同様の記述がある）。2003年に出たTechnical reportでも計算の根拠となる情報が得られる。USAでもDietary Guideliens for Americans 2010でPFCバランスについての推奨があるし，その元になったレポートもpdfファイルが公開されているので，日本の食事摂取基準しかリファレンスがないということはない。さらにいえば，WHO/FAOのジョイントレポートやDietary Guidelines for Americans 2015を引用して太平洋諸国の人々向けに書かれたPacific Food Guideの紹介（Pacific Food Guide自体はハワイ大学のサイトに存在する）も入手できる。以上メモ。
• 書き忘れていたが，月刊トレーニング・ジャーナルの12月号が届いていたのだった（いつもありがとうございます）。今月の特集は「データをどう読みとくか」ということで，第1記事から箱根5区を想定した漸増負荷試験で生理学的指標がどう変化するかという興味深いものであった。これで今井正人選手，柏原竜二選手，神野大地選手といった「山の神」と呼ばれた人たちが，他の選手と違った共通した特徴でも示したという話だったらもっと面白かったのだが，さすがにそれらの人を測ったものではなかった（中央大学駅伝部の選手を測ったデータ）。第2記事は対談で，第3記事はビッグデータの活用について産総研・西田研究員が書かれたものだが，ビッグデータならIoTでも使って集めているのかと思いきや，事故データベースからのテキストマイニングという話で，予想外ではあったが興味深かった。もう少し具体的な手順について深く書かれていたらもっと良かったが，あまりに詳しすぎても一般読者がついてこられないかもしれないから仕方ないか。その他の記事では，脳震盪の評価に使われるツールが興味深かった。
• 21:00前に地下鉄廻りで帰途に就いた。例によって湊川公園のスーパーで食材を買い，帰宅後は長野産のリンゴを1個囓り，風呂に入って眠った。

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