個別鵯記

【第1816回】 4コマ講義（2018年4月19日）

• 5:35に目が覚めた。寝汗がひどいが，体調は多少快方に向かっているか？
• 財務事務次官と新潟県知事が辞任したが，両者はまったく意味が違う。財務事務次官がやったことは（本人は自分ではないと否定しているが，さまざまな証拠からまず間違いないだろう）性的ハラスメントであり人権侵害（法的にハラスメントに配慮する義務があるのは記者の雇用主であって取材先である事務次官ではないが）である。報道された音声だけでは本当に触りたかったのか，それとも逆に自分から遠ざけたかったのかはわからないが，被取材者という強い立場を利用した性的な「嫌がらせ」であることは間違いない。事務次官は幹部職員だから内閣人事局によって任命されているはずで，内閣法21条と国家公務員法の一部を改正する法律から明らかに任命責任は内閣総理大臣と内閣官房長官にもあるので，麻生財務大臣だけではなく，安倍氏と菅氏が責任をとって辞任すべきということになるのではないか。なぜ誰もそういうツッコミをしないのか謎。
• 一方，新潟県知事は買春したと責められているが，道義的にはともかく，相手は成人だし不特定多数ではないので，法的には問題がない（と思う。どの法律に違反するのかわからない）。売春防止法は18歳未満の女性の人権を守り，売春業者をなくしていくための法律であって，今回のケースには関係がない（メディアなどでは誤解しているコメントが散見されるが）。灘から現役で東大理科三類へと進学し，司法試験にも合格しているという経歴から考えても，たぶん恋愛経験に乏しくて（有名私立男子校も理科三類も二極分化しているが，知事は真面目な側と思われる）「モテようと思ってお金を渡していた」というのは本音なのだと思う。それがまったくモテではなくて貢いでいるだけであることに気づかないのは間抜けだが，被害者はいない（相手の女性の気持ちをカネで操作できると考える点で女性蔑視という誹りは受けるだろうが，それを承知で自由意志でお金を受け取っているわけだから被害者ではない）。スキャンダルではあるが汚職でも何でもないし，知事を辞める必要はなかったと思う。県政を混乱させないために辞職したということかもしれないが残念。
• 今日は六甲で4コマ講義＋ミーティング。体力がもつかどうか不安だが頑張ろう。
• 医療人類学では留学生が多数参加してくれているおかげで，例年以上に盛り上がったディベートであった。やはり15〜20人くらいが適正規模だな。人口学では喋りまくったので再び喉の痛みが出た。ミーティングが終わったら疲れ果てていたが，院生から風邪薬（もちろん症状を緩和する薬であってウイルスに効くわけではないが）をもらって飲んだら多少苦しさが緩和された。
• 神戸駅からバスで帰宅。ドラゴンズは今日も惜敗だったが，松坂投手が好投したことと，大島選手や高橋周平選手のバッティングが多少復調傾向なのは良かった。しかし明日からカープ戦なんだよなあ。マツダでないだけマシだが。
• 安倍氏はトランプ大統領と仲良くゴルフをしたのに鉄鋼とアルミの関税対象から外して貰えなかったという報道だが，外交や行政が「仲良し」という縁故で決まるわけがなかろう。もっとシビアな損得勘定や長期的な影響予測に基づいて決まるのが当然なのに，安倍氏のみならず，そこに突っ込まないメディアも縁故主義に浸りきっているのではないか？

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