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【第101回】 Predatory Journals対策(2019年5月6日)
- メールチェックしたら,American Journal of Nursing Science (http://www.nursingscience.net)というところから,Nurse Education Todayに載った論文を読んでオファーするのだが我が誌で特別号のエディタやりませんか,というメールが入っていた。
- こういうオファーは大抵,いわゆるpredatory journal(後述)からのセールスなので無視するが,看護分野では,三重大学の谷村さんが書いている(本文pdfは,リンク先の「機関リポジトリ」からダウンロードできる)ように,INANEというホワイトリスト(ここに載っていれば信頼できる雑誌であるというリスト)が存在し,Aで始まるジャーナルの中にAmerican Journal of Nursing Scienceはなかったので,信頼できるとはいえないようだ。
- Journal Citation Reports (JCR)に載っていてImpact Factor (IF)が付いているような雑誌ならまず安心だが,IFが付くかどうかは,有力な出版社から出ているかとか,米国図書館業界との付き合いがあるかといったことと関係があり,日本熱帯医学会の英文誌も長年努力を続けて,漸く候補に入れて貰えるようになった(まだIFは付いていない)くらいハードルが高いものなので,IFが付いていないとダメだという判断はできない。学問の分野によっては,トップジャーナルでもIFが付いていない場合もあるので,ホワイトリスト方式には限界がある。
- 日本では通称ハゲタカジャーナルと呼ばれたpredatory journalsとは,peer reviewedのまともな学術雑誌のような体裁をとりながらも,内容はほぼチェックされずに高額な掲載料を著者から得ることでビジネスモデルが成立している雑誌群のことで,ほぼそれだけを狙って作られたような出版社さえ存在する。とくにオンラインのみのOPEN ACCESSをうたうものに多い。米国の図書館学芸員というか司書というべきか,ともかくlibrarianなJeffrey Beallがそれらのビジネスの興隆を指摘しブラックリストを作って公開した(経緯は国立国会図書館のCurrent Awareness Portal記事参照)ことで世の中に知られるようになった。カウンターアクションがあったり,いろいろ揉めたりしたことが原因か,2017年にBeall自身が作っていたリストやコロラド大学のBeallのページは消滅したが,Beall's Listなど,後継的なプロジェクトは存在する。5月1日付けのTHE SCHOLARLY Kitchenの記事Cabell’s Predatory Journal Blacklist: An Updated Reviewに紹介されているCabellのブラックリストは,矛盾も含んでいたBeallのリストを置き換える目的で作られたものとのこと。
- おそらく,ホワイトリストに見つけられなかった場合は,これらの複数のブラックリストをチェックして怪しくないかを確認するというのが,現実的な対策だと思う。
- シンノユウキさん(@y_stadio)が開発された「R言語で日本食品標準成分表を使えるパッケージ」FoodCompositionInJapanを使うとき,たぶん食品群を選んでキーワードを打ち込んで表示される候補から対象となる食品を選ぶと便利かなあと思って,短い関数を書いてみた。まだ改良の余地はあると思うがとりあえず載せておく。
menufindFood <- function() { grp <- getFoodGroups()[menu(getFoodGroups(), graphics=TRUE)];
res1 <- findFood(keyword=readline(), food_group=grp);
res1[menu(res1[,"food_and_description"], graphics=TRUE),] }
menufindFood()
- 名谷キャンパスに行って,カンボジアに長期行く院生にポータブルプリンタを手渡し,いくつか打ち合わせ。無事にデータがとれると良いが。
- その後は某原稿に手を入れているが,なかなかスタンスを決めきれず難航していた部分を越えた。
- ドラゴンズとカープの試合は初先発の福谷投手が好投し,守備もファインプレーで盛り立てているし,高橋周平選手がフェンス直撃の先制タイムリー三塁打を打ったので雰囲気は最高。このまま勝ちきりたい。福谷選手はソロホームラン1本を浴びたが,1点のリードを保って勝ちパターンにつなげた。ライマルとJロッドは完璧なリリーフであった。これは勝てるかも,と思ったが,カープはそんなに甘くなかった。9回表にクローザーの鈴木博志投手が1点を取られて(8回裏に阿部選手で終わっていたし,守備固めでセカンドベースマンを堂上選手にした方が良いと思っていたが,阿部選手のままだったことが裏目に出たような気もする。それ以上に,東海ラジオの解説だった井上さんも言っていたが,まだ余裕があったのだからボール球を投げれば良かったのではないか?),福谷投手の勝利が消えてしまった。それでも,9回裏に先頭の高橋周平選手がフェン直二塁打を打ち,遠藤選手が進塁打を打ち,代打福田選手が申告敬遠でサヨナラ勝ちのチャンスだったが,代打溝脇選手(ここも堂上直倫選手の方が最低限はやってくれるんじゃないかなあと思っていたが,与田監督の選択は経験の浅い溝脇選手だった)がセカンドゴロに終わり,平田選手は出塁したが京田選手が打ち取られてサヨナラ勝ちはできなかった。延長10回表に出した谷元投手が打たれて(ここでもセカンドベースマンが堂上直倫選手だったら捕ってくれたのではないかという当たりもあったらしい)5点を失い万事休す。せめて10回裏に高橋周平選手がホームランを打ってサイクルヒットを達成してくれたら,たとえ負けであっても,球場に残っていたファンは溜飲が下がったかもしれないが,センターフライに終わってしまったので,ラジオを聴いているだけでも辛い試合だった。もうカープと対戦したくないくらい。
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