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【第364回】 出勤(2020年4月13日)
- 7:30起床。74.85kg, 99%, 36.1℃。
- 豚小間切れ野菜炒めとご飯と冷や奴とハリハリ大根で朝食を済ませ,ケニアのフルシティを挽いて淹れ,水筒に詰めた。
- 講義だけなら家からできるのだが(資料のすべてを持ち帰るのは無理なので,準備は一部大学に行かないとできない),ネットワーク管理仕事があるので名谷キャンパスへ出勤。会計システムへのアクセスや研究科ウェブサイトなど基盤センターのサーバで運用されているサイトのscp更新は学内からのアクセスしか受け付けないので,研究科ウェブサイトの更新には通勤する必要がある。VPNという方法はあるが不安定なので仕方が無い。
- 今日から教職員も入構するときはノートに入退館記録を書き,そこに体温なども記録することが義務化された。危機管理としては仕方ないか。もっと良い方法があると思うが,金を掛けずにすぐにできる方法には違いない。
- 元々夏に海外渡航して調査する予定だったM2の院生と,たぶんCOVID-19パンデミック情勢からすると夏の渡航は無理なので,Zoomで修論テーマを渡航せずにできる研究に変える相談。といっても,二次資料の解析にするか,システマティックレビューとかメタアナリシスにするしかないのだが。まあ,いっそ一年休学して調査を来年度にするという手もないではないが,それもギャンブルだし。基本線は先に修論を仕上げて,もし冬に渡航可能になっていたら,元々やりたかったテーマは修論とは別に,もし冬に可能なら渡航して,別途投稿すれば良いということで合意した。
- 昼はカップ麺で済ませた。
- WHOのGHOからCOVID-19 Dashboardがリンクされていた。
- 4限の講義は全員遠隔で参加し順調に終わったが質問は出なかった。6限に英語でやった感染症学特講の講義(後でインフルエンザのSIRモデルとReedFrostモデルのRコードへのリンクを付けた)は時間が足りず15分延長してしまったが,留学生から質問が出て良かった。
- JWAVEの津田さんと磯野さんの対談番組,途中から聞いたが,磯野さんがクラスター対策班のスタンスを正しく受け止めてくれていて嬉しかった。
- クラスター対策班は発足時30人くらいだということは公式資料に載っていたし,理論疫学のプロが日本に少ないことは最初からわかっている。西浦さんたちをその本来業務に集中させてあげれば,もっと持続可能性は増す。説明責任までクラスター対策班に負わせようとするから,余計に人手不足に陥る。接触者追跡の実働部隊は保健所の方々で,FETP-Jはそれをsuperviseする人たち。FETP-Jの修了者はもっと多いが,それでプロとして食えている人が10人くらいしかいないという話なのに,実働部隊が10人と誤解した藁人形批判をするのは止めた方が良いと思う(クラスター対策を韓国の方がよりきちんとやっていたことを今更認めた,と鬼の首でも取ったかのようにtweetしている人がいるが,これも藁人形である。接触者追跡によるクラスター潰しはどの国でもやっていることで,シンガポールや台湾や韓国の方が徹底的にできているなどということはクラスター対策班ができた当初からわかっており,それによる完全な封じ込めは日本では不可能ということも当初から専門家会議は言っていた。クラスター対策のうち日本独自なのは発生予防のための共通条件として3密を見つけた部分で,だからこそ今でも3密を防ごうと言っているし,これは予防なので3密が不可避な業種への休業補償か業態転換をサポートするかすれば実現可能性は高く,検査や隔離や生命維持のための治療といった資源やマンパワーを要しない)。とはいえ,医療現場もクラスター対策班も保健所も疲弊してきているのは確かで,だからこそ余計な批判をするのでなく,陣容を強化するための金を出せ,と政権に迫るべきなのに,専門家会議やクラスター対策班に文句ばかり言っている人たちは何がしたいのだ? どう考えても責める相手が違うだろ。それとも,自分が専門家だったら安倍政権に言うことを聞かせられるとでも思っているのだろうか? 政治的スタンスとしてはシンパシーを感じる人が多いだけに辛い。
- 独自にKermack-McKendrickとかSEIRをちょっと変えたモデルを作って論争している方々に,西浦さんから,中に入って手を貸して欲しいと呼びかけがあった。例えばここからリンクしているCOVID-19の理論疫学論文をすべて読んだ上で,それらの欠点を補うようなモデルを作るなら貢献になるが,時間遅れがあろうがなかろうが,それぞれのコンパートメントが1つしかないようなシンプルなSEIRの適用というプリミティブなもので,クラスター対策班が気づいていない何か新しいものがわかったという思い込みが粉砕されるだろう。3日間眠らずにモデリングとデータ処理と議論を重ねて論文を書いてしまうような人たちのチーム(西浦さんたちは,2009年パンデミックインフルエンザのときも,2014年デング熱のときもそうだった)に入ってOJTを受けて戦力になったら,それはそれで良いことだろうけれども。ぼくは能力から言っても使える時間から言っても,中に入るよりも文献レビューして学生向けくらいのレベルの日本語解説を書くのと後方支援をしている方が貢献できると思っているので,今のような活動をしている(以上2項,あまり情報として意味がないので2019-nCoVのメモとリンク集には採録しないしtweetもしないが,書いておけば届くかと思って,ここにだけ書いておく)。
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