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【第441回】 七夕だが雨で在宅勤務(2020年7月7日)
- 8:30起床。76.55 kg。
- 今日も雨だし,査読や講義準備やプレゼン準備や遠隔での院生相談はあるが在宅勤務。
- 肩こりと頭痛。とくに左側が酷い。安静にした方が良いかも。
- 昨日の熊本の球磨川氾濫による人吉市の被災に続き,九州全体が豪雨で大きな被害が出ていて心が痛む。下筌ダム緊急放流が始まったとか,山鹿市では24時間雨量が420mmとか,大変心配。
- 富岳のシミュレーション結果については,この資料を使った報告会動画が出ている。パンデミック現象および対策のシミュレーション解析という資料も同日発表されているが,現時点ではあまり実証的でないように思われる。
- 今年のuseR!はセントルイスでは実施せず,ヨーロッパハブと合同でオンライン開催すると発表されていて,詳細プログラムも出ていて,基調講演などはZoomで参加でき(詳細プログラムからリンクされている),一般発表はキュレーションされた後YouTubeで公開されるようだ(Tweet)。
- Covid-19関係の学術研究はほとんどオープンアクセスだが,Deng W et al. "Primary exposure to SARS-CoV-2 protects against reinfection in rhesus macaques."(Science,2020年7月2日)はオープンでない。ただし,プレプリントサーバにある同じ研究グループのBao L et al. "Lack of Reinfection in Rhesus Macaques Infected with SARS-CoV-2."と結論が同じように思われるので,筆頭著者が交替して書き直されたものかもしれない。アカゲザルの場合,一度SARS-CoV-2に感染すると中和抗体ができて再感染しないという主張。
- ScienceへのLetter,You S et al. "COVID-19's unsustainable waste management"(2020年6月26日)は,医療施設における感染防御や一般家庭における行動制限下での生活の結果,医療ゴミも家庭ゴミも増え続けており,ゴミ処理能力は低下しているので,このままではゴミ処理が持続不可能になってしまうという内容。UKの農村部では適正に処理されないゴミが300%増のところもあるとのこと。医療施設の近くに移動式のゴミ処理システムを導入すべきだし,回収やリサイクルについて各国は緊急に持続可能なシステムのデザインと解析を進めるべきと提言している。
- Nature Human Behaviorの資料,Cheng, C., Barceló, J., Hartnett, A.S. et al. COVID-19 Government Response Event Dataset (CoronaNet v.1.0). Nat Hum Behav (2020). https://doi.org/10.1038/s41562-020-0909-7(2020年6月23日)は,195ヶ国の13000以上の対Covid-19政策を手作業で分類してデータベースとして公開し,毎日更新している(内容妥当性チェックのため5日の遅れがあるが)というもの。彼らが作ったデータベースはCoronaNetで公開されていて,分析に使ったコードは,Githubで公開されている(RとJavaで書かれているようだ)。大変有用な試み。
- Flaxman, S., Mishra, S., Gandy, A. et al. Estimating the effects of non-pharmaceutical interventions on COVID-19 in Europe. Nature (2020). https://doi.org/10.1038/s41586-020-2405-7(2020年6月8日)は,たぶん,3月31日に触れたインペリグループ第13報がNatureにアクセプトされたもの。
- López, L., Rodó, X. The end of social confinement and COVID-19 re-emergence risk. Nat Hum Behav (2020). https://doi.org/10.1038/s41562-020-0908-8(2020年6月22日)は,社会的距離の維持と個人防御を続けないと,ロックダウンを止めたら流行が再燃することをモデルで示している。
- Lancetの原著論文Pollán M et al. "Prevalence of SARS-CoV-2 in Spain (ENE-COVID): a nationwide, population-based seroepidemiological study"(2020年7月6日)は,Summaryに目を通したところ,スペインで,municipal roll(たぶん住民基本台帳のような名簿)から2段階ランダムサンプリングした35883世帯を対象に行われた血清抗体検査と症状やリスク因子についての質問紙調査で得られたデータを分析したもの。抗体陽性割合に有意な性差や年齢差はなく,おおまかにいえば(判定基準によって若干異なるが)5%前後だったということと,抗体検査の14日以上前にPCR陽性だった195人の抗体陽性割合は概ね9割だったことと,嗅覚障害または少なくとも3つの症状を経験していた7273人の抗体陽性割合は2割弱だったこと,抗体陽性の人の約1/3は無症状だったこと,が示されている。ちゃんと読むべきだろう。
- BMJのレビュー論文,Bastos ML et al. "Diagnostic accuracy of serological tests for covid-19: systematic review and meta-analysis."(2020年7月1日)は,Covid-19の血清学的な検査の診断の正確さについてのシステマティックレビューとメタアナリシスをしている。結論として,現在Point-Of-Care(POC)で使われている血清検査(イムノクロマトによる迅速抗体検査のこと)を使い続けることは支持する証拠はない,と述べている。確かにこの特異度では,蔓延してからでないとあまり意味が無いだろう。もっとも,上述のスペインの研究では,POC検査結果とラボで実施したELISAなどの抗体検査結果で陽性割合には大差なかったことが示されているようなので,陽性割合が5%くらいあればPOC検査でも良いのかもしれないが。
- BMJのニュース記事,Dyer O "Covid-19: No large hidden outbreak in Africa but health worker shortage worsens"(2020年7月3日)は,タイトル通り,アフリカで懸念されている,隠れた大流行が起こっているということはないけれども,保健医療従事者の不足は悪化している,と主張している。
- 見逃していたが,Nスペプラスの命をどう守る? 新型コロナと水害危機(2020年6月24日)は重要。実際に九州が豪雨と水害に襲われている現在,分散避難は間に合わなかったかもしれないが,避難所のゾーニングや換気は実践できると思う。
- BMJの専門職者向けのリスコミ実践ガイドGray NA, Back AL "Covid-19 communication aids."(2020年6月11日)は,COVID-Ready Communication Playbook "VITALtalk"というテキストを紹介していて,これには日本語版も含まれている。メディアの人も読むべき。
- 地球研の真貝理香研究員による,ニホンミツバチ・養蜂文化ライブラリーは凄いと思う。
- 今日のドラゴンズとスワローズの試合は酷すぎた。2-1で負けだったが,点数以上に痛い負け方だった。最後岡田投手は良いとして,なぜヒットを打っていたアリエル・マルチネス捕手まで変えたのか? 最後ピッチャーに回って代打が残っていないというのはダメージ大きい。
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