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【第451回】 問題作りとか採点とか(2020年7月18日)
- 7:15に目が覚めた。77.15 kg。
- 今日は,いろいろ作らねばいけない問題の準備と,最後3回分のミニレポートの採点が終わってないのでそれを済ませる。運動量は週末にしか稼げないので,コーヒー豆を買うついでに神戸駅近辺までの散歩もしたいし,『劇場』を映画館で見たい気もするが。
- 今夜のBS1の瀬名さんが司会をする「ウイルスVS人類4 新型コロナ 免疫の謎に迫る」は録画予約した。2009年のパンデミックインフルエンザ後に書かれた『インフルエンザ21世紀』でも思ったが,瀬名さんは取材先を正しく選ぶ嗅覚が凄いと思う。
- 3倍になる論はどれだけ需要喚起されるかわからないのだから机上の空論ではないか? 一見尤もらしいが不確実すぎる。もし,観光地の人々を当面救うために1.7兆円でなく5.1兆円が必要ならば(いくら必要かという試算はされているのだろうか?),それを予算化して直接給付すべきだろう。旅行代理店業界も救って経済を回したいなら,バーチャル観光に補助金を出すとか,ネットインフラを公費で拡充してオンラインサービスに金を使いやすくするとか,感染拡大リスクを上げない方法はいくらでもあるはず。感染拡大リスクを上げない観光旅行なんて普通の人には不可能だと思う。
- Research Letterという枠だが,Carfi A et al. "Persistent Symptoms in Patients After Acute COVID-19"(JAMA,2020年7月9日)はCOVID-19治癒後の後遺症についての調査結果。
- Lancet Global Healthの原著論文で,Abbas K et al. "Routine childhood immunisation during the COVID-19 pandemic in Africa: a benefit–risk analysis of health benefits versus excess risk of SARS-CoV-2 infection"(2020年7月17日)が出ていた。アフリカでCOVID-19対策のためのさまざまな行動制約によって定期予防接種が中断されたり延期されたりしていることが,子供の健康に与える影響の損益分析をしている論文と思われる。
- 今日もドラゴンズはエラー続出で8-3で負け。こういう負け方はプロらしくないので残念。高橋周平選手が故障している間の三塁手は守備の良い石垣選手にした方がストレスが溜まらないと思う。石川昂弥選手のスイングにはロマンはあるが,まだファームの4番固定を続けた方が良かったと思うし,溝脇選手が三塁とか,石川駿選手が二塁とかいった起用はおかしい(溝脇選手は二塁で使うべきだし,石川駿選手は三塁か一塁だろう)。とはいえ,京田選手までエラーをするほど集中できていないのは,流れが悪いということか。早くキャプテンに復帰して欲しいが,ハムストリングは拗らせると厄介だから,完治してから復帰した方が良いし,暫くは仕方が無いか。
- 裏RjpWikiさんが"2014 NHPI NHIS Data"をRで読むコードの改良版を書いてくださり,一部試してみたらちゃんと読めて,csv形式に変換されたデータと,factorのタイプを正しく設定するRコードが残るので,とても便利だと思う。ありがたや。
- 「音楽の日」のリトグリは,ECHOで誰か声が乱れたが,それ以外は良いパフォーマンスで,とくに"A whole new world"は完璧だった。しかし東大寺からの中継で流れたMISIAがあまりにも凄すぎた。
- 一般雑誌記事なので無視したいところだが,尻馬に乗って勘違いしたバッシングがされるのは害悪だと思うので書いておく。東洋経済に載っている7段階説。提唱されている仮説は,可能性として絶対にありえないわけではないが,世界中でこれまでCovid-19について得られたデータや検査や仮説を全部ひっくり返してしまう突拍子のないもので,エビデンスもなく(「ファクトに基づいて」いない)単なる仮説。仮説自体とは別に,記事はいくつか酷い間違いをしている。第一に,記事冒頭の西浦さん批判はそもそも藁人形論法で,死者何十万人という予測が外れたと主張しているのだけれど,元々それは「何も対策しなかった場合」に起こる死者数なので,対策したら違う結果になるのは当然であり,「予測が外れた」のではない。西浦さんだけでなく世界中の研究者や政府が同様な計算値を出しており,無闇に理論疫学への不信を煽るだけなので,この点は大きな害悪であり,修正を求めたい。第二に,日本を含め,どの国でも,感染した場合の年齢別重症化率や感染致命リスク(IFR)は,人工呼吸器やECMOによる救命措置ができている限り大差ない。死亡率(人口当たりの死亡数)が低い国では感染者が少ないだけと考えるのが最も自然で仮定を要しない解釈なので,見る数字が不適切。かつ,日本の致命割合(CFR)は国際的に見て低くない。今月は感染者増加に対して死者が増えていないと報じられているが,検査拡大によって相対的に軽症の人が多く検出されていること,(それと関係するが)感染者の年齢層が相対的に低いことと,死亡転帰を辿る場合,感染から死亡まで20日程度は掛かるという時間遅れと,おそらく経験的に重症化を防ぐことに寄与するような臨床的手法(ただし,確実ではないしエビデンスといえるほどではない)がわかってきているのかもしれない(CFRが異様に低いのはシンガポールで,もしかしたらシンガポールについては何か特別な事情があるかもしれないが)。違っているのは,感染者のうちどういう人がどれくらい確定診断されているかで,軽症や無症状の人(若い人が多い)の感染を見逃さずに検出できる確率が上がれば,当然,致命割合は低くなる。第三に,『私の研究チームはこの現象を、新型コロナは毒性が弱いため、生体が抗体を出すほどの外敵ではなく自然免疫での処理で十分と判断しているのではないかと解釈し、「なかなか獲得免疫が動き出さないが、その間に自然免疫が新型コロナを処理してしまい、治ってしまうことが多い」という仮説を立てた。』と,新しい仮説を立てたかのように主張しているが,感染しても重症化しない(感染者の8割くらいの)人は肺に行かずに上気道にとどまり,多くは自然治癒するのだろうという話を,1月28日のクローズアップ現代プラスの最後の方で田代先生がされていて,新しい仮説ではない。第四に,その自然治癒する割合が8割ではなく,ほぼすべての感染について気づかず抗体もできず自然治癒すると仮定し,7段階と数字を提案した点が目新しい仮説なのだと思うが,さすがにそれは無理なのではないか。日本人の3割が既に曝露という仮定はいろいろな知見と矛盾するので(例えば,もしそんなに蔓延しているなら検査対象を広げてRT-PCRをした場合,症状がなくてもRT-PCRなら7割くらいは検出できるはずだから,陽性率が低くてはおかしい),普通に考えたら荒唐無稽。
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