The RECOVERY Collaborative Group "Dexamethasone in Hospitalized Patients with Covid-19: Preliminary Report"(NEJM,2020年7月17日)は,Covid-19の入院患者にオープンラベルでランダム割り付けして行った治験結果で,デキサメタゾンを10日間,1日6mg,経口か静注で投与すると割り付けられた2104人(デキサメタゾン群)と,従来通りの標準的な治療を受けた4321人(対照群)を比較し,割り付け後28日目までの死亡はデキサメタゾン群で482人,対照群で1110人で,年齢調整したオッズ比は0.83(95%CI 0.75-0.93)と,デキサメタゾン投与によって死亡リスクが有意に下がったこと,人工呼吸器を付けた患者に絞ると死亡率比0.64,人工呼吸器は装着せず酸素吸入ありの患者では率比0.82と,有意に死亡率が低下していたのに対して,ランダム割り付け時に呼吸補助が不要だった患者では率比1.19で有意差はなかったとしている。ただし,呼吸補助を受けていた患者は呼吸補助が不要だった患者より平均して10歳若く,発症からランダム割り付けまでの時間が7日間長かったことも報告している。