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【第760回】 人口学会2日目(2021年6月6日)
- 6:30起床。81.80 kg。
- 日本人口学会2日目。9:00から長寿セッション,コロナセッションと2つの企画セッションに参加。2020年は死因に占めるCOVID-19はとくに目立たないけれども肺炎が減って老衰が増えたという話(それ以前からのトレンドでもあるが)は,COVID-19対策のNPIsで感染経路が近い呼吸器系感染症全般のリスクが低下したためにインフルエンザの冬のピークも無く,肺炎も減ったのだとすると,それらの競合死因が減った結果として,老衰が増えたという可能性が考えられると思った。しかし,2020年12月31日時点のCOVID-19の累積検査陽性者数233,785人,累積死者数3,459人だったのに対して,その後半年も経っていない2021年6月4日現在で,累積検査陽性者数750,364人,累積死者数13,445人と,それぞれ3倍以上になっている(東洋経済のサイトによる)のが,今年になってからの日本の感染拡大状況を如実に示しているので,日本におけるCOVID-19の死因構成への影響を人口学的に分析するには,今年のデータが揃うまで待たねばならない。とはいえ,こういう事態にならず,もっと早い時点で抑え込むこともできたはずだと考えると残念でならない。アフリカ諸国でCOVID-19による死亡報告が少ないのは,この論文で他の国について指摘されているように,実はCOVID-19による死亡であっても報告漏れが多いための過小評価なのだろうと思う。婚姻・出生への影響については昨日も書いたようにUNFPAやCPCからレポートが出ているが,岩澤さんによる日本のデータからの推定(要旨)はチャレンジングで興味深かった。婚姻が激しく落ち込んでいるので,今後出生への影響も出てこないとは考えにくいという話。次の国内人口移動(移住)への影響も興味深い話で,東京都への転入超過が大きく減っていて,とくに23区西部の転入超過の減少が顕著とのこと。住基ベースだと2020年12月までのデータが既に使えるのだな。
- 世界の状況をずっとフォローするのも難しいが,WHOのDashboardを見ると,インドは一時期の危機的な状況は乗り越えつつあるように見える反面,アルゼンチンやコロンビアなど南米で感染急拡大局面にあるように見える。
- 午後は健康・医療セッションで座長をしてから,人口減少下の地域のセッションから近代移行期の企画セッションに移動。歴史人口学は,自分では研究したことがないが,話を聞いている分にはとても面白い。
- というわけで2日間運営された東大人類生態の皆さん,お疲れ様でした。
- NPBをチェックしたらドラゴンズはバファローズに0-4で完敗していた。8回裏のツーアウト2,3塁から福田選手がヒットでも打てば流れが変わったかもしれないが,まあ仕方ないか。
- 晩飯を食べてから査読仕事と講義準備をしようと思う。
- 今日もドラゴン桜とネメシスは見てしまった。ドラゴン桜の東大受験戦略は大筋合っていると思うが,ドラマとしては日曜劇場風味を出しすぎかも。ネメシスの伏線回収は良くできているし,いろいろなオマージュが凄い。ディテールについてはいろいろ不自然なところはあるが,そこには目をつぶっても良いくらい楽しめる。来週どう話を終わらせるんだろう。
(list)
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